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3GPP TS38.300の5.Physical Layerを読む

2023/12/25に公開

本書の内容

本書は5Gの物理層を俯瞰するものです。詳細は参考資料などをご覧ください。
一番重要なDownLinkとUpLinkは間に合わなかったので冬休みの宿題とします...。

5.1 Waveform, numerology and frame structure
5.2 DownLink (TBD)
5.3 UpLink (TBD)
5.4 Carrier aggregation
5.5 Transport Channels
5.6 Access to Shared Spectrum
5.7 Sidelink (2日目の記事)

5.1 Waveform, numerology and frame structure

概要

  • DownLinkの送信波形
    • CP(Cyclic Prefix) を用いた従来のOFDM。
  • UpLinkの送信波形
    • DFT拡散を実行する変換プリコーディング機能を持つCPを使用する従来のOFDM。
    • DFT拡散は無効または有効にすることができる。
      • 有効の場合は、PARP(Peak-to-Average Power Ratio)を抑え、カバレッジ拡大ができる。
      • 無効の場合は、上下リンクで同一の方式を用いることによるシステムの簡易化を実現できる。


出典:https://www.sharetechnote.com/html/5G/5G_Waveform.html

  • サブキャリア間隔
    • 15kHzを基準とし、Δf=2μ×15kHzで算出
    • PSS、SSS、PBCHではμ={0,1,3,4,5,6}、それ以外のチャネルではμ={0,1,2,3,4,5,6}
  • CP(Cyclic Prefix)
    • 全てのサブキャリア間隔でサポート
    • 拡張CPはμ=2でサポート
  • 物理リソースブロック(RPB)
    • 連続する12個のサブキャリアで構成
    • 1キャリアで最大275個のRPBがサポート


出典:https://www.tech-invite.com/3m38/toc/tinv-3gpp-38-300_d.html#e-5-1

  • フレーム
    • 1フレームが10ms
    • 10サブフレームで構成(1サブフレーム=1ms)
    • サブフレーム5個=ハーフフレーム
  • スロット
    • ノーマルCPでは14シンボル、拡張CPでは12シンボル
    • 1スロットの時間はサブキャリア間隔の関数としてスケーリング
    • サブフレームには常に整数個のスロットが存在


出典: https://www.sharetechnote.com/html/5G/5G_FrameStructure.html

  • タイミングアドバンス(Timing Advance:TA)
    • UpLinkフレームのタイミングをDownLinkフレームのタイミングと調整するために使用


出典:https://www.tech-invite.com/3m38/toc/tinv-3gpp-38-300_d.html#e-5-1

参考資料

フレーム構成やサブキャリア間隔などの詳細な説明は以下を参照。

5.2 DownLink

5.2.1 Downlink transmission scheme 
5.2.2 Physical-layer processing for physical downlink shared channel 
5.2.3 Physical downlink control channels
5.2.4 Synchronization signal and PBCH block  
5.2.5 Physical layer procedures
  5.2.5.1 Link adaptation
  5.2.5.2 Power Control
  5.2.5.3 Cell search 
  5.2.5.4 HARQ
  5.2.5.5 Reception of SIB1
5.2.6 Downlink Reference Signals and Measurements for Positioning 

TBD

5.3 UpLink

5.3.1 Uplink transmission scheme
5.3.2 Physical-layer processing for physical uplink shared channel
5.3.3 Physical uplink control channel
5.3.4 Random access
5.3.5 Physical layer procedures
  5.3.5.1 Link adaptation
  5.3.5.2  Uplink Power control
  5.3.5.3  Uplink timing control 
  5.3.5.4  HARQ
  5.3.5.5  Prioritization of overlapping transmissions
5.3.6  Uplink Reference Signals and Measurements for Positioning

TBD

5.4 Carrier aggregation

5.4.1 Carrier aggregation
5.4.2 Supplementary Uplink
5.4.3 Uplink Tx switching 

Carrier aggregation

  • キャリアアグリゲーション(CA:Carrier aggregation)
    • 複数の周波数帯を同時に使用すること
    • 2つ以上のコンポーネントキャリア(CCs:Component Carriers)を束ねる
      • 周波数が連続する場合と不連続な場合がある
  • UEのキャリアアグリゲーションへの対応
    • 設定可能なCCsの最大数はDownLinkとUpLinkで共に16
    • スペックによって1つまたは複数のCCsで同時に送信または受信ができる
      • single timing advance capability:同じタイミングアドバンスを共有する複数のサービングセル[1]に複数のCCsで同時に受信と/または送信ができる
      • multiple timing advance capability:異なるタイミングアドバンスを持つ複数のサービングセルに対応する複数のCCsで同時に受信と/または送信ができる
      • non-CA:1つのサービングセルに対応する1つのCCでのみ受信及び送信ができる


出典:https://www.soumu.go.jp/main_content/000555463.pdf

Supplementary Uplink(SUL)

  • UL/DLキャリアのペア(FDD帯域)または双方向キャリア(TDD帯域)に関して、UEは補完的にUpLinkを構成できる
  • 通常用いられるUpLinkとの同時利用はできない


出典:https://www.sharetechnote.com/html/5G/5G_SUL.html

  • UpLinkのキャリアアグリゲーションまたはSULでは、UpLink Tx switchingが設定されたUEにおいて、あるUpLinkキャリアから別のUpLinkキャリアにTxを動的に切り替えて、そのキャリアでの2TxのUpLink伝送を実現できる

参考資料

5.5 Transport Channels

  • 物理層が上位のMAC層に情報を転送する際のチャネルのタイプ
種類 タイプ 特徴
Downlink Broadcast Channel(BCH) - 固定もしくは予め定義されたフォーマット
- セル全体へのブロードキャストが必要(単一のメッセージもしくは複数のBCHインスタンスをビームフォーミング)
Downlink Shared Channel(DL-SCH) - HARQのサポート
- 動的リンク制御のサポート
- セル全体へのブロードキャストの可能性あり
- ビームフォーミングの使用の可能性あり
- 動的及び半静的リソース割り当てのサポート
- UEの省電力化(DRX)のサポート
Paging Channel(PCH) - UEの省電力化(DRX)のサポート
- セル全体へのブロードキャストが必要(単一のメッセージもしくは複数のBCHインスタンスをビームフォーミング)
- トラフィックや他のコントロールチャネルにも動的に使用できる物理リソースにマッピング
Uplink Uplink Shared Channel(UL-SCH) - ビームフォーミングの使用の可能性あり
- 動的リンク制御のサポート
- HARQのサポート
- 動的及び半静的リソース割り当てのサポート
Random Access Channel(s)(RACH) - 限定的なコントロール情報
- 衝突の危険性あり
Sidelink Sidelink broadcast channel(SL-BCH) - 予め定義されたフォーマット
idelink shared channel(SL-SCH) - ユニキャスト伝送、グループキャスト伝送、ブロードキャスト伝送のサポート
- UEの自律的なリソース選択とスケジュールされたリソース割当ての両方をサポート(NG-RANによって割当てられる場合、動的及び半静的リソース割当てをサポート)
- HARQのサポート
- 動的リンク制御のサポート
- UEの省電力化(DRX)のサポート

5.6 Access to Shared Spectrum

5.6.1 Overview
5.6.2 Channel Access Priority Classes

※ 理解が甘いです(要整理)

概要

  • スペクトラム共用チャネルアクセスで動作するNR無線アクセス

    • PCell(Primary Cell), PSCell(Primary Secondary Cell), SCellの何れかがスペクトラム共有で動作
    • SCellはUpLinkで構成される場合とされない場合がある
    • 適用可能なシナリオは付録B.3.に記載
  • gNBはTS 37.213に記載されているチャネルアクセスモードの手順を実行

    • gNBとUEは、スペクトラム共有チャネルアクセスが設定されたセルで送信する前に、LBT(Listen-Before-Talk)を適用することができる
    • LBTが適用されると、送信機はチャネルをリッスン/センシングしてチャネルが空いているか/ビジーかを判断し、チャネルが空いていると判断された場合のみ送信する
  • UpLink LBT障害を検出した場合の動作

    • UEがUpLink LBT障害を検出した場合TS 38.321に規定された動作を実行
      • 検出はBandwidth Part(BWP)毎に行われ、BWP内の全てのUpLink伝送に基づく
    • SCell(s)上でUpLink LBT障害を検出した場合
      • UEは障害が検出されたSCell(s)とは異なるサービングセル上のMAC CEを介して、対応するgNB(MCGの場合はMN、SCGの場合はSN)に報告
      • MAC CEを送信するリソースがない場合、UEはスケジューリング要求(SR)を送信できる
    • SpCell(s)上でUpLink LBT障害を検出した場合
      • UEはそのセルでRACHリソースが設定されている別のUL BWPに切り替え、RACHを開始し、MAC CEを介して障害を報告
      • 複数のUL BWPが切り替え可能な場合、どれを選択するかはUEの実装次第
    • PSCell上でUpLink LBT障害を検出した場合
      • UEはSCG RLFを宣言し、SCGFailureInformationを介してMNに障害を報告
    • PCell上でUpLink LBT障害を検出した場合
      • UEはRLFを宣言

Channel Access Priority Classes(CAPC)

  • FR1の無線ベアラとMAC CEs(Control Elements)において、CAPCは以下のように設定可能
    • Padding BSRと推奨ビットレートのMAC CEs:最低優先度に固定
    • SRB0, SRB1, SRB3とその他のMAC CEs:最高優先度に固定
    • SRB2とDRB:gNBによって設定
  • DRB(Data Radio Beare)のCAPCを選択する場合は、gNBはトラフィックタイプと伝送の公平性を検討しながら、そのDRBで多重化される全てのQoSフローの5QIsを考慮する
  • 以下の表は、どのCAPCをどの標準5QIにすべきかを示す


出典:https://www.tech-invite.com/3m38/toc/tinv-3gpp-38-300_f.html#e-5-5

  • Uplink TBの送信のために、Type 1 LBT(Listen-Before-Talk)を実行する場合や、CAPCがDCIに示されていない場合、UEは以下のようにCAPCを選択
    • TBにMAC CE(s)のみが含まれている場合:MAC CE(s)の中で最も優先度の高いCAPCを使用
    • TBにCCCH SDUが含まれる場合:最も優先度の高いCAPCを使用
    • TBにDCCH SDUが含まれる場合:DCCHの最優先のCAPCを使用
    • その他:TBにMAC SDUが多重化されている論理チャネルの最も優先度の低いCAPCを使用

用語&参考資料

5.7 Sidelink

5.7.1 General
5.7.2 Sidelink resource allocation modes
5.7.3 Physical sidelink channels and signals
5.7.4 Physical layer procedures for sidelink
  5.7.4.1 HARQ feedback
  5.7.4.2 Power Control
  5.7.4.3 CSI report
5.7.5 Physical layer measurement definition

解説は2日目の記事を参照。
https://qiita.com/nekokane/items/16fea944ed729de93b39

脚注
  1. UEが接続を確立しているセルのこと ↩︎

Discussion