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EMConf 2025参加レポート

2025/03/01に公開

はじめに

EMConf2025に参加してきました。
https://x.com/k_omotani/status/1894914246976385412

自分は1年半ほどEMをして、転職もあり現在はICルートでキャリアを進めています。
EM 経験者として今回のカンファレンスに参加し、多くの学びがありました。
チケットが即完売するほどの熱量を持ったイベントだったので、参加者としての責任(?)を果たすべくレポートを残したいと思います。

Session Report

エンジニアリングマネージャという働き方と知識体系のロードマップ

https://x.com/hiroki_daichi/status/1894934446773805169

本読んでて大ファンのhiroki san。今回もキレキレ。
エンジニアリングとは実現するための試行錯誤であるというのが話を軸に、EMとしての役割を整理。今後のEMの姿についても触れていました。

余談で出ていた「4つのPはTechnologyをPlatformにしたら全部Pになっていいじゃん」というエピソードで笑いました。

EMの役割が綺麗に整理されていて、それぞれのManagement領域に対してのアクションの具体も記されており、非常に明快でこれからEMやる人が読むと爆速で理解が進むセッションです。

特にProject Manegementに関する話が非常に勉強になりました。
Project Managementはタスク管理ではなくリスク管理。prjのリスクは掛け算の性質を持ちプロジェクの成功確率が対数正規分布に従う。Project Managementは以下に掛け算の性質を持つリスクを足し算の世界に閉じ込めるか...
Project Managementというとガントチャートの線を引くくらいしかイメージできていなかったので、あるべき姿が捉えられたと思います。

生成AIの登場でEMはどう変わるかの部分で
「すべてのエンジニアは、AIをメンバーに持つエンジニアリングマネージャになる。」というパンチラインが登場。エンジニア総EM時代の到来かも。

激変の時代の生存政略として、EMという役割が、より広く強く求められるというのはある種の救いだなと感じました。(EM経験者のポジショントークかもですが)

Potential EM制度を始めた理由、そして2年後にやめた理由

https://x.com/hoyo1111/status/1894967466138513571

Potenstial EMというEM見習いのような制度の実施と廃止についての登壇。
EMに取り掛かるにあたってのハードルをいかに下げるかという試みで、個人的には結構よさげに聞こえて、どうして廃止したのだろうと前のめりに聞いていました。

他マネージャーからの「ポテンシャル制度は信じて任せるができていないマネージャーの問題では?」というフィードバック。マネージャー間での心理的安全性が担保されていてcool。
(個人的には移譲は双方向の話なので、任せる側が信じる信じないに関わらずEMを始める側のハードルを下げる活動は必要だと意見です)

最終的に、ProsConsまとめて他EMと喧々諤々と議論してってところまでは理解できたのですが、
最終ジャッジ基準がよくわからなかったです。(Ask the speakerで聴こうと思ったがタイミング合わず)

  • 複数人EM候補がいる状態
  • EM挑戦のハードルが高い

という条件が合えば効果が出るという締め。一定効果がでたのでPrj closingしたという見方もできそう。
自社で取り入れる場合も期限付きの制度としてスタートするのはありかもと考えていました。

急成長する企業で作った、エンジニアが輝ける制度

https://speakerdeck.com/shift_evolve/20250214-rinto-ikenoue

会社の成長とともに事業を拡げて複数の事業が混在し、様々な人や組織がごしゃまぜになった時にどういう整理をしていったかという話で実践的。

社内でナレッジを積み重ねるというトピックだけでも、様々なバックボーンの人がいることの難しさ。
印象的だったのは異文化な人たちとも、実際に話してみると相互理解ができたエピソードが多く、前向きに会話をしていく後押しをしてくれるエピソードだとかんじました。

個人的に、大量の評価項目に数値を入れたら自動で年収の数値が算出される的な評価制度にいい思い出がないので、その部分は斜にかまえて聞いてしまっていました。

ソリューションツリーはとても良い学びでした。自社でも多くのproductがありミッションの実現のために相互に補完しあうソリューションとして存在してて、全体像や関係性が見えずらいので書いてみようと思います。

楽しいぞEM拡張パズル!課題と共に役割を広げちゃおう!

https://x.com/sasakendayo/status/1894985462768706051

多岐に渡るEMの役割のなかで、どうやって職能を伸ばしていくかについてのセッション。
EMのトライアングルをベースに、足りていない部分を洗い出し埋めていく。

個人の能力を伸ばすとともに、チームや組織に足りていない部分を洗い出すactionになっていて、
組織と個人のEnpawermentが同じベクトルに向くようになっており、クレバーなやり方で好きでした。
https://x.com/k_omotani/status/1894965918859698686

(どうでもいい話ですが、登壇者が新卒のときのAgileコーチをしてる先輩に雰囲気が似ていて懐かしくなりました。サーファーっぽい感じとか。)

大規模アジャイルフレームワークから学ぶ "エンジニアマネジメント" の本質

https://x.com/xi_kax/status/1894985158723543074

大規模アジャイルフレームワークSAFeでの役割分担を組織に落とし込む話。
https://framework.scaledagile.com/ja/safe-scrum/

経費精算、電子帳簿、インボイス等のマルチプロダクトをプラットフォームとして提供しているため、チームは分割しているが、チーム間をまたぐリリース調整等が多くなる。
そのゆえの課題が多く出てきて解決するための階層構造を置いている。

SAFeの役割と、EMのトライアングルのmappingは興味深いです。
組織が大きくなると、四つのPをEMが全部やってるパターンよりPdMを置いてたりPjMを置いていたりロールが分業されていることのほうが多いように思うので、それぞれのロールに名前を付けていくことになるのは組織組成の上でもわかりやすくてよいなと思いました。

リリーストレインエンジニアというワードは初見。EMトライアングルでいうところのteamの部分でPeople Managementを担うところがここに当たるという解釈。
ピュアなリリーストレインエンジニアは置いているか気になったのでAsk the Speakerで質問してみました。
リリーストレインエンジニアですと言っても通じないのでそういう名前では置いてないが、
所謂弱いEMがここに当たると思っていてそういうロールの人はいるとのこと。

Two Blades, One Journey: Engineering While Managing

https://x.com/ohbarye/status/1894975614165360655

エンジニアかマネージャーか、ではなく二刀流についての提案。

コミュニティ活動を通じてロールモデルや相談する相手ができた話がカンファレンス内で語られるのは非常によいなと感じました。。マネージメントは孤独で五里霧中で手探りで進むような活動なので、つらみを共有コミュニティの存在は大きい。
(自分も友達ほしい)
書籍からの引用やオーディエンスとのコミュニケーションなど登壇慣れしている感じがcool。

最近EMからIC lineに戻った身として、振り子式のキャリアアップはロールモデルとして参考になりました。
自分もEMの時に経験したことは血肉になっている自信があり、近接領域への越境がユニークなスキルセットを作っていくと思っています。

「共創型エンジニアリングマネジメント」の挑戦と実践

https://x.com/sudo5in5k/status/1894938398332456986

うっしーさん!

kubellのマネジメント組織体制の変化についての話。

事業の変化による組織の変化とそれによる局所最適による課題について、それを解決するためにどういう組織にしたか、組織体制を変えていく上での苦労という構成。
組織は変化し続ける、それにより役割が劣化していくといった話は、分かるな~と頷いていました。

元々はManagerはPeople Managementのみだったのを、エンジニアマネジメント部というEMのグループを作り開発が継続的な事業貢献につながるようにサポートする形。
委譲、合意というワードが多く出てきており、組織変更の大変さが詰まったセッションでした

サバイバルモード下でのエンジニアリングマネジメント

https://speakerdeck.com/konifar/sahaiharumotoxia-tenoensiniarinkumanesimento

つらい時期を長く共にした立場で見ていたため他のオーディエンスとは見方が違ったかもしれません。
セッション中、色々思い出して泣きそうになりながら話を聞いていました。
(「辞めたメンバーも見にきてます。おもたにさん!」と声かけてもらいましたw)

経営、プロダクトともに非常に厳しい中で、VPoEとしてどういう風にマネージメントしてきたかの振り返り。
文字通りサバイバルしていく中でのリアルが語られていました。

プロポーザルを出したタイミングから見ていたので、どこまで話すのかなと思っていたのですがつらい状況が想像以上に赤裸々に語られていました。

元同僚として、konifar=sanは本当に最高です。キャリアの中でkonifar=sanと一緒に働く経験ができたことは財産です。

n=1の経験が紡ぐエンジニアリングマネジメントの可能性

https://x.com/iwashi86/status/1895075119233745137

EMとしてiwashi sanの経験談と、生成AI時代のEMの在り方について。

「これはコーチングしにきてるな」とモヤるというはわかるなーと。
コーチャブルという言葉を初めて知り、ドンピシャな言葉があるんだなと勉強になりました。
EMという仕事はレバレッジが効くという話が、「自分の成功事例がNTTコムを変える。NTTコムが変わるとNTTグループが変わる。NTTグループが変われば日本が変わる」という話につながっていて、視座の高さに感銘を受けました。

何より仕事を楽しんでいる様子がにじみ出ていて、EMのスタンスとして大事な部分化もなと内省しました。

closingのkeynoteとして最高の締めでした。

最後に

企画運営をしてくださったスタッフの皆さん、登壇者の皆さん、最高にアツい場を提供してくださりありがとうございました!
体系化された話からn=1の生々しい話まで幅のあるカンファレンスで最高に楽しかったです。

今回の話社内に持ち帰り自分が触媒となり、この熱を増幅させていきます。

もし来年EMやってたら登壇するぞ!

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