RaycastからはMCPサーバを拡張機能のように使える
はじめに
RaycastからMCPサーバを便利に呼び出せるようになっていますが、まだあまり日本語の記事が使い方や便利な公開･インストール方法について書いてみようと思います!
動いている様子
導入方法について書く前に、まずは動いている様子を共有します。今回は自作のMCPサーバのenkai-mcpを試そうと思います。このMCPサーバは｢今週の土日に飲み会がしたい｣、｢8月末の2週間くらいで旅行の日程調整して｣のようなざっくりとした日程候補を伝えると、いい感じにスケジューリングと出欠確認を依頼できるページが生成されます。従来だと自分で入力内容をコンクリートにして、ポチポチ入力しなきゃいけないところですが、このMCPサーバを使うとLLMがに色々お任せできるという感じです。
さて、前置きが少し長くなりましたが、以下がRaycastでMCPサーバを呼び出す手順です。まずは、Raycastのランチャーを立ち上げて、今回使うenkai-mcpを検索します。
検索後に選択を行うとそのままAI Chatが開きます。Chat画面ではMCPサーバが@メンションされていることがわかります。このように、RaycastではMCPサーバにメンションしてtoolsを使えるのが特徴だと言えると思います。
では、プロンプトを与えます。｢来月頭の1週間で懇親会の日程調整して｣という文言を送信しました。するとMCPサーバが実行しようとしているtoolの実行許可を求められます。勝手にtoolが呼び出されないのは安心設計ですね。
やや話が脱線しますが、ここで面白いなと思った点は、Raycastが現在時刻を知っている点です。実行したtoolはクリックすると入出力を確認できるのですが、実行した月である2025/05のカレンダーをちゃんと取得していることがわかります。これは来週の土日という相対的な日付指定から絶対的な日付を取得するために提供しているtoolです。私はこのtoolに加えて2025/05のような実行時刻を提供するtoolも提供しているのですが、それは呼ばれていません。Raycastは実行時刻をcontextとして渡してくれているのかもしれませんね。
ここまで実行すると以下のような出欠確認のページが表示されます。実際に候補日から日程を選択してみたんですが、ちゃんと6月頭の1週間になってそうです。
インストール方法
方法は2つあります。まず1つ目はMCP ServerのRegistryから検索する方法です。
2つ目はCursorやClaudeのようにcommandなどを自分で指定する方法です。Registryに無いものはこの指定にする必要があります。
ただ、この方法はちょっと面倒です。RaycastのMCPサーバのインストールはDeeplinkに対応しているので、MCPサーバがそのURLを公開していれば、それを使うのが楽そうです。例えば、今回紹介したMCPサーバだと以下のようなURLなります。このURLはクエリ部にMCPサーバのメタデータを含むjsonがパーセントエンコーディングされています。
raycast://mcp/install?%7B%22name%22%3A%22enkai-mcp-server%22%2C%22type%22%3A%22stdio%22%2C%22command%22%3A%22npx%22%2C%22args%22%3A%5B%22-y%22%2C%22enkai-mcp%40latest%22%5D%7D
応用
Raycastはデフォルトでいろんなツールと繋がってますよね。例えば、RaycastはCalendarの情報を知っています。なので、以下のようにCalendarから予定を取得して、空いている日時を候補にして日程調整ができたりします。Raycastといろんなものを繋げたり、つなげる対象となるtoolを作るのは楽しそうです！
まとめ
この記事では、RaycastからMCPサーバーを呼び出す方法、特に自作のenkai-mcpサーバーを例に取り、その具体的な操作手順やインストール方法について解説しました!
情報がまだ少ないRaycastとMCPサーバーの連携ですが、本記事がその便利さを知り、活用を始めるための一助となれば幸いです。
次はTS初心者がMCPサーバを作る際に苦労した点や便利なデバッグ方法について解説する記事を書こうと思うので、よければフォローをお願いします!
リンク集
Discussion
Raycast から MCP を呼び出せるのは知りませんでした。