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Supabase JSのリアルタイムリスナーを使ってみる

2023/01/09に公開

RDB版のFirebaseと言われる Supabase にも、Firestoreと同じようにDBの変更をリアルタイムに購読する機能があります。

https://supabase.com/docs/guides/realtime

この機能をJSクライアントから利用する例と、使ってみた所感をまとめます。

先にまとめると、2023年1月時点では、以下の点から、限られた場面でしか使えなさそうという印象でした。

  • 購読対象の絞り込み条件を柔軟に指定できない
  • 変更があったデータ単体を受け取るしかなく、不便

利用方法

DB側の設定

publicationの設定

以下のSQLを実行します。

-- supabase_realtimeというpublicationを作成する
begin;
  drop publication if exists supabase_realtime;
  create publication supabase_realtime;
commit;

-- publicationに、購読対象のテーブルを追加する
alter publication supabase_realtime add table <テーブル名>;

または、Replication でGUI上で設定できるようです。

RLSの設定

購読対象テーブルのRLS (Row Level Security) を有効にします。

alter table public.<テーブル名> enable row level security;

-- ログインユーザーには全データのSELECTを許可する(本来はusingの中に適切な条件を記載する)
create policy "Allow select access" on public.<テーブル名>
  for select to authenticated using (true);

JSクライアント側

バージョン: @supabase/supabase-js (2.2.3)

シンプルな購読の例

以下は、RLSで許可された全ての行に対する変更を購読する例です。

import { createClient } from "@supabase/supabase-js";
const supabase = createClient(process.env.SUPABASE_URL, process.env.SUPABASE_KEY);

const channel = supabase
  .channel("table-db-changes") // 任意のチャンネル名
  .on(
    "postgres_changes",
    {
      event: "*", // "INSERT" | "UPDATE" | "DELETE" のように特定イベントだけの購読も可能
      schema: "public",
      table: "<テーブル名>",
    },
    (payload) => {
      console.log(payload);
    }
  )
  .subscribe();

// 購読を終了するとき
supabase.removeChannel(channel);

購読データの内容

上記の payload の中身の例(UPDATEの場合)

{
  commit_timestamp: "2023-01-09T09:53:37Z",
  errors: null,
  eventType: "UPDATE",
  new: { id: "<ID>", ... }, // 更新後のデータの中身すべて
  old: { id: "<ID>" }, // 更新前データ(主キーのみ)※1
  schema: "public",
  table: "<テーブル名>",
}

※1. alter table <テーブル名> replica identity full; の設定により、oldにも全ての値を取得できるようです。

指定した行のみを購読する例

以下のように filter を指定することで、特定の行のみを購読することができます。

const channel = supabase
  .channel("table-db-changes")
  .on(
    "postgres_changes",
    {
      event: "*",
      schema: "public",
      table: "<テーブル名>",
      filter: `id=eq.${id}`, // あるidの行のみ購読
    },
    (payload) => {
      console.log(payload);
    }
  )
  .subscribe();

supabase-jsのv2時点では、このfilterは eq, neq, gt, gte, lt, lte による絞り込みしか対応していないようです。

https://github.com/supabase/realtime-js/issues/185

eq 以外の情報はドキュメントになく、上のIssueで知りました。)

購読開始やエラー時の処理

最後の subscribe に引数を渡すことで、購読開始やエラー発生時に任意の処理を行うことができます。

  ...
  .subscribe((status, err) => {
    if (status === "SUBSCRIBED") {
      // 購読開始時に行いたい処理
    }

    if (status === "CHANNEL_ERROR") {
      // 接続切れなどのエラー時に行いたい処理
    }

    if (status === "TIMED_OUT") {
      // 接続タイムアウト時に行いたい処理(エラー時との違いは分からず)
    }
  });

使ってみた感想

購読対象の絞り込み条件を柔軟に指定できない

上述したように、filterによる購読対象の絞り込みは、1つのカラムに対する単純な条件しか指定することができず、実際のユースケースに対応できない場合が多そうです。

また、普通にselectする際の構文と、subscribeする時の構文が大きく異なる点も気になりました。

supabase.from("<テーブル名>").select("*").eq("id", id);

変更の受け取り方が不便

データが単体でしか渡ってこない

例えば一覧の変更を購読する場合、Firestoreの onSnapshot は、あるドキュメントの変更があった際に、その変更を含む全ての対象ドキュメントが渡ってきます。

しかしSupabaseでは、変更があった行のみが1つずつ渡ってくるため、クライアント側で一覧データの一部を差し替えるか、再フェッチする必要があります。

初回のフェッチが別途必要

Firestoreの onSnapshot は、変更がなくても購読開始時に一度対象データを取得してくれますが、Supabaseでは変更があったデータ単体しか取得できないため、初期表示のためのフェッチが別途必要になります。

RDBなのに正規化を崩したくなる

1対多で紐付く子データの変更も一緒に購読したい場合、親データの購読と別に子データの購読も行う必要があり、その処理は複雑になるため、正規化を崩して、JSON型で子データを親テーブルに含めるような設計を検討したくなりそうです。

まとめ

やはりFirestoreと比べてしまうと、Supabaseのリアルタイム処理はまだ完成度が低いという印象でした。

今後の進化に期待です。🙏

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