IVEC テスタークラス シラバス読解 Part7
はじめに
今回はテスト実行記録に関するシラバス読解を進めていく。
テスト実行記録
テスト実行結果の記録
学習の目的
日次のテスト実行の結果を記録する
テスト実行の結果を日次で記録することで、進捗の予定と実績の差異を管理することができる。日次
で記録する内容は以下の通りである。
① 実行したテストケースと項目数
② テストケース単位の実行時間
③ テスト実行結果(OK/NG などのステータス)
④ 不具合や質問の管理番号や内容
⑤ テストエリア、テスト未実行数、実行不可能なテストケースとその理由など
⑥ テスト実行中に発生した問題点や課題
進捗報告はプロジェクトの進行状況を把握する重要な情報である。テスト実行担当者は実行したテス
トケースとテスト項目数、実行結果と不具合数などを正確に漏れのないように報告する。
テスト実行する上で、結果を記録することは進捗を可視化するために必須事項となる。
よくあるのは、テスト仕様と結果記録用の欄を1つフォーマットとし、テスト実行結果を記録していく。
テスト実行結果についてはOK,NGは勿論、改修確認用のステータスや試験対象外といったステータスも必要になるため、テスト開始前にステークホルダーとステータスの定義について認識合わせが必要になる。
日次のテスト実行の結果を週次または中間報告書にまとめる
テスト実行管理者は、テスト実行担当者から報告があった問題点や課題を解決する必要がある。テス
ト実行管理者が解決できない問題はテストプロジェクト管理者あるいはプロジェクトの責任者へ報
告を行う。また日次報告を基に週次報告、または中間報告を行う。進捗の予定と実績および進捗率、
実行中に発生した問題点や課題、また問題点や課題が解決した場合はその解決方法を報告する。
テスト実行管理者はステークホルダーに対し、日々の進捗をメールや定例会議の場で報告する。
報告内容について、テストの進捗に加えてテスト対象の課題やテスト実行中に起きたトラブルも報告対象となる。
但し、事の大小に関わらず起きたこと全て報告するとなると、受け手側も膨大な情報を前にまともに目を通す時間があるとは限らない。
そのため、日時での報告内容と週次での報告内容かの線引をテスト実行管理者は行う必要がある。
テスト管理用の情報の記録
学習の目的
不具合関連の情報を日次で記録する
不具合の発生状況および修正状況を日次で記録する。不具合の発生と修正の推移状況を管理すること
で、テスト対象の品質状況や修正ペースによるスケジュールへの影響を把握することができる。想定
以上に不具合が発生している場合、修正ペースが遅い場合は、スケジュール内で不具合の修正が間に
合わない可能性がある。テスト実行担当者は、実行したテストケースとテスト項目数、実行結果と不
具合の発生数や修正数などを漏れがないように報告する。またテスト実行管理者は正確な状況を把握
し、スケジュールに影響を及ぼす可能性がある場合は、速やかにテストプロジェクト管理者あるいは
プロジェクトの責任者へ報告する。
テスト実行中に不具合が発生した際、不具合の一覧と修正状況について何らかの形で管理していく。
管理形態については、Excelやスプレッドシートでの管理や、JIRAやRedmineなどのBTSで管理するなど、様々な方法がある。
ここで重要なのは、検出した不具合がどのくらい存在し、それらの修正状況を一覧化できる状態にしておくことである。定期的に不具合情報をモニタリングし、テスト終盤にも関わらず不具合の修正が進んでいない時は、ステークホルダーへアラートを出すなどの対応が必要になる。
優先度・重要度の変化について理解する
不具合は優先度・重要度に基づき修正する不具合の順番を検討する。不具合報告におけるランク付け
はテスト実行管理者や開発担当者の判断で変更される場合がある。仕様の変更等が理由で変更される
ことがあるため、優先度・重要度の変化には注意する必要がある。なお、不具合のステータスに関し
ては不具合報告の章を参照。
不具合の修正状況によって、テスト実行できない状況が続いたり、リリースに悪影響を及ぼす不具合が残存している場合、不具合起票時に設定したランクが変更されることがある。
テスト実行管理者はこうした情報を素早くキャッチアップし、不具合管理表に更新していくこと。
おわりに
次回は不具合報告に関するシラバス読解を進めていく。
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