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k8s上にdocker buildできるGitlab Runnerを立ち上げてCI環境をつくる

2021/05/25に公開

k8s上にdockerコマンドを実行できるGitlab Runnerをデプロイする手順を紹介します。
この手順で作成されるものはkubernetes executerと呼ばれるタイプのrunnerになりますが、dockerコマンドを実行できるようにdind(docker in docer)と呼ばれる手法を実現できるように設定していきます。また、Gitlab.comで提供されているdockerタグのついたshared runneと共存できるように作りたいと思います。

前提

この記事では以下が準備されていることを前提として進めます。

  • 構築済みのk8s
  • k8sにkubectlコマンドを実行できる開発マシン

この後の作業は基本的にはこの開発マシン上で行っていきます。

k8s上にnamespace準備

k8s上にrunnerが使うnamespace gitlabを作成します。

kubectl create namespace gitlab

Gitlab上からRunner Token取得

Gitlab上からRunner Tokenを取得します。Runner Tokenはk8s上にrunnerを立ち上げたときにRunnerをプロジェクト or グループに紐づけるために使用します。ブラウザでRunnerを登録したいGitlab上のプロジェクト or グループのページに移動しSettings > CI/CDRunners セクションを展開してください。画像の赤線部分に表示されています。

helmのinstall

GitLab Runnerのデプロイにhelmを使用するため、先にhelmコマンドを使えるようにします。インストール方法は「 helmのinstall」を参照してください。
スクリプトからインストールする場合は以下になります。

$ curl -fsSL -o get_helm.sh https://raw.githubusercontent.com/helm/helm/master/scripts/get-helm-3
$ chmod 700 get_helm.sh
$ ./get_helm.sh

helmを使ってGitLab Runnerを作成する

https://docs.gitlab.com/runner/install/kubernetes.html#installing-gitlab-runner-using-the-helm-chart
を参照して helmを使ってGitLab Runnerを作成します。

helmのバージョンを確認しておきます。3以上なら問題なしです。

$ helm version
version.BuildInfo{Version:"v3.5.4", GitCommit:"1b5edb69df3d3a08df77c9902dc17af864ff05d1", GitTreeState:"clean", GoVersion:"go1.15.11"}

helmのGitlabリポジトリを追加します。

helm repo add gitlab https://charts.gitlab.io

Gitlab Runner用のconfig values fileを作る

gitlab_runner_helm_config.ymlとして以下を作ります。これは、この後、helmを使ってGitLab Runnerを作成する時に使います。

helm show values gitlab/gitlab-runner > gitlab_runner_helm_config.yml

gitlab_runner_helm_config.ymlの内容を変更します。以下は変更箇所だけ書いてあります。

replicas: 3
gitlabUrl: https://gitlab.com/
runnerRegistrationToken: "<Runner Token>"
rbac:
  create: true
runners:
  config: |
    [[runners]]
      [runners.kubernetes]
        image = "ubuntu:20.04"
        privileged = true
        pre_build_script = "until docker info; do sleep 1; done"
      [[runners.kubernetes.volumes.empty_dir]]
        name = "docker-certs"
        mount_path = "/certs/client"
        medium = "Memory"
  tags: "docker"
  name: "runner-on-k8s"
  env:
    DOCKER_HOST: tcp://docker:2376
    DOCKER_TLS_CERTDIR: "/certs"
    DOCKER_TLS_VERIFY: 1
    DOCKER_CERT_PATH: "/certs/client"

runnerRegistrationTokenは先ほど取得したRunner Tokenを入れてください。
gitlab_runner_helm_config.ymlを見ると各項目の解説がコメントされているので参照ください。上記以外にもPodのリソースの制限等様々な設定可能項目があります。また、runnersの設定項目はdocs.gitlab.comのDocker-in-Docker with TLS enabledに従って設定しています。ドキュメント上でenvはgitlab-ci.yml上で指定するようにしていますが、このタイミングで設定してしまっています。またpre_build_scriptを追加しています。これはCI実行時にdockerが起動前にpiplineが始まってしまうことがあるためdockerコマンドが使えるようになるまで松処理を入れています。
envの項目についてですが、環境変数はドキュメント上では、.gitlab-ci.yml側のvariablesで設定するように記載されていますが、今回はrunnerの設定に埋め込んでしまっています。これはGitlab.comで提供されているdockerタグのついたshared runneと共存するためで、これと、tags: "docker"の設定により.gitlab-ci.ymlが今回のrunnerとshared runnerどちらでも動作するようになります。

Runner 起動

編集後、上記ファイルを指定してhelm installを実行します。

helm install --namespace gitlab gitlab-runner -f gitlab_runner_helm_config.yml gitlab/gitlab-runner

実行後、少し待ってから以下のようになれば完了です。

$ kubectl get all -n gitlab 
NAME                                                     READY   STATUS    RESTARTS   AGE
pod/gitlab-runner-gitlab-runner-7777777777-gb5gq         1/1     Running   0          9m26s
pod/gitlab-runner-gitlab-runner-7777777777-gvb6q         1/1     Running   0          9m26s
pod/gitlab-runner-gitlab-runner-7777777777-v9mrd         1/1     Running   0          9m26s
pod/runner-55555555-project-55555555-concurrent-555555   3/3     Running   0          52s

NAME                                          READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
deployment.apps/gitlab-runner-gitlab-runner   3/3     3            3           9m26s

NAME                                                     DESIRED   CURRENT   READY   AGE
replicaset.apps/gitlab-runner-gitlab-runner-7777777777   3         3         3       9m26s

Gitlab上でもSettings > CI/CDRunners セクションを展開して登録されていることを確認できます。

bailable runner

.gitlab-ci.yml

.gitlab-ci.ymlのサンプルも紹介します。下の例では、リポジトリ上のDockerfileがbuildされ、リポジトリ上にあるContainer Registryにimageがpushされます。


variables:
  IMAGE_TAG: $CI_REGISTRY_IMAGE:$CI_COMMIT_REF_NAME

before_script:
  - printenv
  - docker login -u $CI_REGISTRY_USER -p $CI_REGISTRY_PASSWORD $CI_REGISTRY

image: docker:19.03.13
services:
  - docker:19.03.13-dind

stages:
  - push
    
push:
  stage: push
  tags:
    - docker
  script:
    - docker build --no-cache --pull=true -t "$IMAGE_TAG" .
    - docker push "$IMAGE_TAG"

以上。

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