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Qrunchの好きだったところ

2020/10/10に公開

Qrunch を知ったのは Qiita の記事 「もっと気軽にアウトプットできる技術ブログサービス「Qrunch(クランチ)」をリリースした【個人開発】」 だった。
スッキリとしていてモダンなサイトイメージに惹かれ、
最初に投稿した記事は2018-10-30投稿の 「日本語入力ソフトの"短縮よみ"を使ってサボる」
だった。

あれから2年、残念なことにQrunchはサービス終了となってしまったけど、
ここに Qrunch の好きだったところを書き残しておく。

Qrunch の好きだったところ

「記事」「ログ」という切り分け

以下は上記「もっと気軽にアウトプットできる技術ブログサービス「Qrunch(クランチ)」をリリースした【個人開発】」からの引用だが
Qrunch は「記事」と「ログ」というものがサービスの中で明確に切り分けられていた。

自分用の学習メモや作業ログなどをさくっと投稿できる「ログ機能」を用意
「記事」とは別に「ログ」呼ばれる、自分用のちょっとした学習メモや、プログラミングの作業ログなどをさっくと気軽に公開するための機能を用意しています。ログとして公開されたコンテンツは、検索エンジンにインデックスされないように設定されます。クオリティの低い記事を投稿したからといって、誰かに迷惑を掛けることもありませんし、ドメインパワーが下がってしまうこともありません。

記事にしたり誰かに見せたりするほどでもないけれど、
エンジニアならば(クソデカ主語)日々の業務や作業でGoogleなどで調べ物をしたりちょっとメモを書き残しておきたいことは多い。
記事のタネにしたり、はたまた次の日に前日の振り返りに使ったり。
私はよく、調べ物をして見つけたサイトのリンクメモに使っていた。
ローカルのメモに残しておくこともできるがオフィスと自宅でPCが変わったり帰り道にスマホで見直したりするときにWeb上に上がっていると便利なことは多い。
ブラウザのブックマーク機能ではすぐにいっぱいになってしまうし、使い捨てのものも多い。
こういうものを Qrunch の「ログ」という形で残しておけるのは本当に便利だった。
一度「ログ」として公開してしまえばログインの必要なく見れるのも便利だった。

「検索エンジンにはインデックスされないけどWeb上には公開されているからログインなしでも(自分のQrunchアカウントページなどから)すぐ見れるし他人にも共有しやすい」という便利さは Evernote や Notion にはなく、現状代替サービスとしては GitHub の gist 機能ぐらいしか思いつかない。

他にも2018年当時Qiitaでたびたび話題に上がることが多かった「ごみ記事」問題にも
Qrunchは「ログ」機能として完璧に対応していた。
個人的にはどんなメモでも公開してしまえば良いと考えているが、
「人に見せられるものこそ技術共有プラットフォームに投稿すべき」と考える人は一定数いる。
そこに対して完璧な回答を用意した Qrunch の思想はとても素敵だった。

「ログ」機能には本当にお世話になりました。
「もっと気軽にアウトプットできる」というコンセプトを最も体現した機能だったように思う。

ユーザーのブログ画面とサブドメインが割り当てられる

Qrunch は「もっと気軽にアウトプットできる技術ブログサービス」ということで
ユーザーの記事とログ一覧がまとめられたブログ画面が用意されている。
つまり、Qrunchという技術共有プラットフォームに投稿するだけで自分のブログが育っていくということだ。
何を自分のブログに書くのか、何をQiitaなどの技術共有プラットフォームに書くのか。
技術共有プラットフォームに書いた方が見てもらえる可能性は多く
トレンドなどに掲載されれば承認欲求も満たされる(それがトレンドの主目的ではないけれどw)
自分のブログに書いた方がプロフィールなどに書きやすく自己ブランディングにも役立つ。
このジレンマを一発で解決してくれたのが Qrunch のブログ機能だった。

投稿主の記事一覧、というランディングページそのものは
Qiita や crieit, zenn.dev にも用意されているが
Qrunch ブログ画面と同等のUXを提供しているものはどこにもない。

2018年当時、アウトプットから少し離れ気味になってしまっていた私を
もう一度継続したブログ投稿という習慣に戻してくれたのが、Qrunchだった。

書きやすいエディタ、見やすいOGP、クロス投稿機能の存在

Qrunch のエディタは軽量で、それでいてmarkdownで記述でき、プレビュー表示も高速だ。
OGPも素晴らしくTwitterに投稿した時の見栄えも素晴らしい。

また、上記ブログ機能を持ってしても「たまにはnoteにも書きたいな……」といった
わがままにも柔軟に対応してくれるのがカノニカルURL入力によるクロス投稿機能だ。
本当に痒いところに手が届く、書き手に寄り添ったサービスだった。

最大50回押せる拍手

Qiitaの「LGTM(旧いいね)」と違い、Web拍手のように何度でも押せる拍手機能。
記事への拍手を数字として表現できるようにした機能は、Qrunch を使っていてとても楽しかった。

Qrunch のサービス終了に対して

Qiitaの記事にもあるように、Qrunch は @terubooon さんが一人で作り上げたサービスとのことだった。
たった一人でサービス開発を行うのはそれだけで大変な上、2年間も運用するのは苦労の連続だったことだろう。
メンテナンスも大変だし、増え続けるアクセスログや記事や画像による要領逼迫問題、アカウントにまつわる数々の問題と戦ってきてくれたことだろう。

私はQrunch投稿者の一人でしかなく、サービス終了に対してサービスそのものを買い上げて引き継ぐなどと言った財力やコネも持ち合わせていない。
今思い起こせば、せめて何かしらサービス運用に協力できることはなかったか。
それだけがQrunchでの思い残しだ。

@terubooon さん、2年以上もの間、おつかれさまでした。
閉鎖周りの作業が落ち着いたら一度ゆっくり休んでください。

Qrunch、ありがとうございました。

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