レビューしやすいフロントエンドPR分割の型
はじめに
フロントエンド開発では、1つのPRに詰め込みすぎてレビューが大変になるケースがよくあります。
レビュワーも実装者と同じ時間を割けるわけではないですし、一方で、PRを細かく分けすぎてもレビューアーが全体像を掴みにくくなります。
つまり、ちょうどいい単位でPRを切る「型」を持つことが大切なのですが、
レビュワー目線を少し考えてPRを切って欲しいと思い、この記事を書いています。
この記事では、僕自身が実際に使っている フロントエンドPR分割の型 を紹介しますので
ご参考になれば嬉しいです。
図解:PR分割の流れ
まず全体像を把握してもらうために、PR分割の流れを図にまとめました。
Step0. 実装方針を相談する
意外と忘れられがちですが、最初に 実装方針を相談する ことが重要です。
- 「どういうPRの分け方で進めるか」
- 「UIとロジックを分けるかまとめるか」
- 「リファクタを含めるか」
※最初に軽く共有しておくだけで、後々のレビューで「なぜこうしたの?」が激減します。
結論、最初にチーム内でこういう流れを作っておくこと、これが一番大事かも・・・一度この流れにのってしまえば、結構楽になりますしね。
あとはここでルールを作ったらドキュメント化しておくこと!あとからチームに入った人もそのドキュメントを確認した上で、認識を合わせられます。
Step1. 型定義
まずは API仕様から型を定義します。
APIがまだ完成していなくても、仕様をもとに型だけ先に用意できます。
- 型を先に定義すると以降の作業が安全になる
- UIやモックデータの検証もスムーズになる
- もし設計の認識違いがあれば、この段階でバックエンドとすり合わせできる
// 例:ユーザープロフィールの型定義
type UserProfile = {
id: string
name: string
avatar?: string
createdAt: Date
}
Step2. UI実装(モックデータ)
モックデータを使ってUIを構築します。
- 本物のAPIを待たずにレビューできる
- 見た目と動作を同時に確認できる
- 状態管理やイベントハンドリングもテスト可能
- 型と実際のデータを突き合わせて、設計のズレを早期に発見できる
// モックデータでUIと動作を確認
const UserCard = () => {
const mockUser: UserProfile = {
id: "mock-001",
name: "テストユーザー",
avatar: "/placeholder.jpg",
createdAt: new Date()
}
return <div>{/* UIの実装 */}</div>
}
Step3. 実APIと統合する
次に 実APIに接続します。
- モックデータを外して本番APIを利用
- エラーハンドリングや境界ケースもここで検証
- すでにUIや状態管理は安定しているので差分は小さい
Step4. 細かい修正・微調整
最後に、細かい修正やレビュー指摘の対応をまとめます。
- エッジケースや例外処理の追加
- スタイルやレスポンシブ対応の微調整
- テストコードの補完
- レビューで上がった軽微な修正
この段階では「大きな機能追加」はせず、仕上げの磨き込みとして扱うとPRの粒度が安定します。
この型のメリット
- 差分が小さくレビューしやすい(各PR 100〜500行程度)
- 各ステップが独立して動作確認できる
- 「ついでに直した」が入りにくい
- チームで再利用できる「共通の型」になる
まとめ
- PRには「ちょうどいい単位」がある
- Step0〜Step4の流れで切るとレビュー体験が劇的に改善する
- 実装力よりも「どう分けるか」がチーム開発の生産性を左右する
おわりに
ここで紹介したのは、あくまで僕自身が使っている「PR分割の型」です。
チームやプロダクトによって最適解は違うと思うので、
みなさんのフロントエンドのPR分割の型があれば、ぜひコメントなどで教えていただけると嬉しいです!
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