🌊

レビューしやすいフロントエンドPR分割の型

に公開

はじめに

フロントエンド開発では、1つのPRに詰め込みすぎてレビューが大変になるケースがよくあります。
レビュワーも実装者と同じ時間を割けるわけではないですし、一方で、PRを細かく分けすぎてもレビューアーが全体像を掴みにくくなります。
つまり、ちょうどいい単位でPRを切る「型」を持つことが大切なのですが、
レビュワー目線を少し考えてPRを切って欲しいと思い、この記事を書いています。

この記事では、僕自身が実際に使っている フロントエンドPR分割の型 を紹介しますので
ご参考になれば嬉しいです。


図解:PR分割の流れ

まず全体像を把握してもらうために、PR分割の流れを図にまとめました。

Step0. 実装方針を相談する

意外と忘れられがちですが、最初に 実装方針を相談する ことが重要です。

  • 「どういうPRの分け方で進めるか」
  • 「UIとロジックを分けるかまとめるか」
  • 「リファクタを含めるか」

※最初に軽く共有しておくだけで、後々のレビューで「なぜこうしたの?」が激減します。
 結論、最初にチーム内でこういう流れを作っておくこと、これが一番大事かも・・・一度この流れにのってしまえば、結構楽になりますしね。

あとはここでルールを作ったらドキュメント化しておくこと!あとからチームに入った人もそのドキュメントを確認した上で、認識を合わせられます。


Step1. 型定義

まずは API仕様から型を定義します。
APIがまだ完成していなくても、仕様をもとに型だけ先に用意できます。

  • 型を先に定義すると以降の作業が安全になる
  • UIやモックデータの検証もスムーズになる
  • もし設計の認識違いがあれば、この段階でバックエンドとすり合わせできる
// 例:ユーザープロフィールの型定義
type UserProfile = {
  id: string
  name: string
  avatar?: string
  createdAt: Date
}

Step2. UI実装(モックデータ)

モックデータを使ってUIを構築します。

  • 本物のAPIを待たずにレビューできる
  • 見た目と動作を同時に確認できる
  • 状態管理やイベントハンドリングもテスト可能
  • 型と実際のデータを突き合わせて、設計のズレを早期に発見できる
// モックデータでUIと動作を確認
const UserCard = () => {
  const mockUser: UserProfile = {
    id: "mock-001",
    name: "テストユーザー",
    avatar: "/placeholder.jpg",
    createdAt: new Date()
  }
  
  return <div>{/* UIの実装 */}</div>
}

Step3. 実APIと統合する

次に 実APIに接続します。

  • モックデータを外して本番APIを利用
  • エラーハンドリングや境界ケースもここで検証
  • すでにUIや状態管理は安定しているので差分は小さい

Step4. 細かい修正・微調整

最後に、細かい修正やレビュー指摘の対応をまとめます。

  • エッジケースや例外処理の追加
  • スタイルやレスポンシブ対応の微調整
  • テストコードの補完
  • レビューで上がった軽微な修正

この段階では「大きな機能追加」はせず、仕上げの磨き込みとして扱うとPRの粒度が安定します。


この型のメリット

  • 差分が小さくレビューしやすい(各PR 100〜500行程度)
  • 各ステップが独立して動作確認できる
  • 「ついでに直した」が入りにくい
  • チームで再利用できる「共通の型」になる

まとめ

  • PRには「ちょうどいい単位」がある
  • Step0〜Step4の流れで切るとレビュー体験が劇的に改善する
  • 実装力よりも「どう分けるか」がチーム開発の生産性を左右する

おわりに

ここで紹介したのは、あくまで僕自身が使っている「PR分割の型」です。
チームやプロダクトによって最適解は違うと思うので、
みなさんのフロントエンドのPR分割の型があれば、ぜひコメントなどで教えていただけると嬉しいです!

Discussion