💳

日本のデビット・プリペイド BIN の構造を徹底解説

に公開

日本のデビット・プリペイド BIN の構造を徹底解説

オンライン決済、不正利用対策、MVNOの本人確認まわりなど
カード BIN(Bank Identification Number) を理解しておくと、
ビジネス上の判断が確実に早くなります。

本記事では、日本国内でよく使われている “デビットカード・プリペイドカード” の BIN の特徴 を、実務で使いやすいレベルに整理します。

※ 本記事は公知情報をベースに特徴を解説しており、
特定企業の非公開データは扱いません。


💡 BIN(先頭6〜8桁)とは?

BIN(または IIN: Issuer Identification Number)は
カード番号の先頭6〜8桁に割り当てられており、

  • どの国で発行されたカードか
  • どのブランドか(VISA / Mastercard / JCB など)
  • デビットか、プリペイドか、クレジットか
  • どの発行体か

を識別できます。

4 57173 000000000
└───┬───────────────
    └ BIN(6〜8桁)

🇯🇵 日本の BIN の特徴(デビット / プリペイド)

日本国内で発行されるカードは
特有の BIN パターン(ブランドごとの差異・発行体の傾向) が存在します。

以下は代表的な特徴です。


1. VISA デビット(国内)

国内デビットの多くは、
メガバンク・地銀系の BIN が独自に割り振られている のが特徴。

特徴

  • BIN を見ると “銀行系デビット” が分かりやすい
  • ブランドは VISA が主流
  • ひらき直し処理(即時引き落とし)特有の取引動きがある
  • 本人確認や不正検知で「国内デビットかどうか」は重要

よくある傾向(一般論)

  • 銀行系は BIN が固まりやすい(連番で割当)
  • 海外発行 VISA デビットとは BIN が大きく異なる

2. Mastercard デビット(国内)

近年増えてきたのが
Mastercard デビットMastercard プリペイド

特徴

  • Fintech系プリカでの採用が多い(Wallet系サービス)
  • BIN のレンジが比較的広く、事業者によって性質が異なる
  • 海外発行との判別も比較的しやすい

傾向(一般論)

  • デビット → 銀行系
  • プリペイド → Fintech・通販系サービス
    で分かれやすい

3. JCB デビット / プリペイド

JCB のカードは
日本市場に最適化された BIN の構造 を持っており、
国内判定が特にしやすいブランドです。

特徴

  • 日本発行のデビット・プリペイドが多い
  • 年齢層の若いユーザーがプリペイドを使う傾向
  • JCB自体が国内利用に最適化されているため不正検知とも相性が良い

4. 海外プリペイドとの違い

海外発行のプリペイド BIN は

  • 国コード
  • ブランド範囲
  • 発行体の型

が日本と大きく異なるため、
BIN の時点で “海外プリペイドかどうか” を高確度で判別 できます。

ECやMVNOではここが特に重要で、

  • 本人確認用途に向かない
  • 不正利用リスクが高い
  • 返金フローが複雑

など、事業判断に直結します。


💳 デビット・プリペイドの判定で何ができるのか?

BIN を読み解けば、次のような判断が即座に可能になります。

✔ 国内デビットかどうか

→ 信用リスク・決済成功率に直結

✔ 海外プリペイドか

→ 事業的に扱いたくない用途を事前にブロック

✔ カードブランドと性質

→ VISA デビット/Mastercard プリカで挙動は大きく異なる

✔ 発行体タイプ(銀行系 or Fintech 系)

→ 取引の安定性・チャージ方法が変わる


🔍 日本の BIN を扱う上での注意点

1. 同一ブランドでも発行体によってルールが違う
→ デビットでも即時引き落としでないケースもある

2. BINレンジが定期的に拡張される
→ 最新データを追う必要がある

3. プリペイド系は事業撤退・ブランド変更が多い
→ データが古いと判定精度が落ちる

4. 海外BINとの混在をどう扱うかが最重要
→ ECやMVNOでは海外プリカ判定が生命線


まとめ

日本のデビット・プリペイド BIN は、
ブランド・銀行系・Fintech系で明確なパターンがあります。

BIN を理解することで以下が可能になります。

  • 不正利用を未然に防ぐ
  • 事業判断を迅速化
  • 海外プリペイドを早期に検出
  • コストや手数料の最適化

BIN の構造を正しく理解すると、
決済まわりの “なぜその挙動になるか” が一気につながる ので、
データ活用や不正対策の第一歩として非常に有用です。


次回予告

次の記事では、
「実務でどうBINを活用するか」
— 不正対策、料金未払い防止など
実例ベースで解説します。

https://jpbinlookup.com/

Discussion