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AWS re:Invent2024 参加レポート

2024/12/09に公開

はじめに

株式会社ジンズのバックエンドエンジニア兼開発環境保全活動家の中島です。
2024/12/2~2024/12/6にかけてAWS re:Invent2024に初めて参加させていただきました。
初のUS, 初のAWSイベントということで大いに刺激を受けましたので, その内容を記事として公開します。

背景

弊社JINSのバックエンドシステムは, その大部分がAWSクラウドをベースとしたサービスによって構築されています。
これを踏まえてAWSの最新情報や有力なAWSパートナーの情報を仕入れるため, またイベントを通じた人的ネットワークを構築するため
(+弊社がUSに展開している店舗の現地調査のため)に今回は2名でイベントに参加いたしました。

セッションの感想

1日あたり1つずつ興味深かったセッションを取り上げます。

Day 1: Unleashing AWS agility with Terraform

初日のセッションは主に弊社のAWSインフラ管理に利用しているTerraformに関するものを選びました。

terraform_booth
ExpoでもLTを実施していました。

Terraformの開発企業HashiCorpのPrincipalSolutionArchitectがスピーカーを務める "Terraformを利用して開発のAgilityを高めるには?" を題材としたChalkTalk型のセッションでした。
ChalkTalkというのは大学の講義に似た形式で, セッションの大半でスピーカーと参加者の間のオープンな質疑が行われます。
質問のレベルの高さと私の英語力の低さから話の内容がなかなか拾いづらかったです…が, 講義資料を追うだけでもかなり面白いものでした。

terraform_is_just_a_tool
"the key to success is to establish people and process first."

Terraformを活用して開発のAgilityを高めるため, Terraformを利用するインフラ開発者を育成し開発プロセスを組織内で標準化できるような流れを生み出すこと を非常に重視していました。
Terraformは公式のガイドラインが比較的緩く様々なベストプラクティスが生み出されているのが現状なのですが,
開発企業の公式見解としてもやはりプロダクトや組織で最適なアーキテクチャが異なることを前提としているのだと認識を深めました。

Day 2: CEO Keynote with Matt Garman

AWS re:Inventの目玉とも言えるKeyNote, 今年から新CEOのMatGarmanが舞台に立ちました。

CEOkeynote
開始前はDJが会場をブチアゲている。すごい。朝8時前のテンションではない。

内容は主に新サービスの大量投下。CPUからマルチモーダルAIモデルまで多岐に渡ります。
個人的に特に興味深かったのは以下の3つです。

  • Amazon Aurora DSQL
    マルチリージョンを強く意識したAWS Auroraの新機能。リージョンを跨いだタイムスタンプのミリ秒単位の一致を保証するようです。海外にも店舗を展開しているJINSとしてはぜひとも利用したい気持ち。

  • GitLab Duo with Amazon Q
    GitLabとAmazonQの統合。AWS CodeCommitを閉じたのはこのためでしょうか。Githubが先んじている領域かもしれませんが、テスト・ドキュメント・レビュー等の人間がサボりがちな領域はリポジトリサービスがカバーするのが当然の世界になっていきそうです。
    GitLabが売り先を探しているという記事も見かけるので…買収か?と期待も高まるところ。

  • Amazon Q Developer transformation capabilities for .NET, mainframe, and VMware workloads
    こちらは業務には全く関与しませんが, あらゆるレガシーシステムを潰しにかかる血の気の多さは聞いていて楽しいですね。

Day 3: The modern CI/CD toolbox: Strategies for consistency and reliability

一番興味のあるCI/CD関連のセッション。CI/CDの構築にあたっての戦略を体系的に解説するセッションでした。

drift
開発でよくつまづく課題。インフラのDrift。

今まで知らなかった"Drift"という用語を知れたのが一つの収穫でした。インフラをコード管理する中で緊急対応等でコード管理外の変更が生じ, 結果としてコードの状態と実態が乖離することをこう呼ぶそうです。
対策としてDrift検出ツール(AWS CloudTrail, Terraform State, etc...)の紹介や, 緊急時用の抜け道(break-glass Pipeline)を設けるなどが挙げられていました。
ただし前置きとしてDriftの検出は"You can't be 100% sure.", 突き詰めるべきではないとも述べられており, やはり運用面でのカバーも必須ですね。

Day 4: Dr. Werner Vogels Keynote

AWSのCTO, Dr. Werner VolgelsによるKeyNote。ほぼ2時間喋り倒しのBreakoutSessionに近い形式。

bicycle
一輪車はSimpleだがそれなりの習熟が必要, 三輪車はComplexすぎて柔軟性がない。いい塩梅を狙おう。

今年の議題はシステム開発におけるSimplicity(単純さ)とComplexity(複雑さ), 設計を行うものとして肝に銘じておきたい内容でした。
かなり聞き取りやすいトークではあったので, しばらく何度か聞き返しながら内容を咀嚼して飲み込みたいです。

まとめ

今回初参加でしたが, セッションの参加者やExpoの展示ブースの熱意, 技術に精通した人々しかいないという環境, そしてラスベガスの煌びやかさと, 普段の生活では決して触れられないものばかりで大変に刺激を受けました。
また自身の知識と, なにより積極性のなさを痛感いたしました。会場の人すごい社交的。ありきたりですが, この経験を仕事のみならず今後の人生の糧にしていきたいと思う次第です。

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