Backlogでプロジェクトのスケジュール管理をためす
はじめに
JINSでサプライチェーン周りの業務システムを担当しています。
主にプロジェクト推進なお仕事をするようになり、開発行為をやる機会がめっきり減ったので、日々の運用やプロジェクト推進周りの話を書くのが良いのかなと思ったりしています。
今回は複数ベンダー様(以下敬称略)が参画しているプロジェクトでスケジュール、進捗管理にBacklogを使用してみた話です。ちなみに、弊社でもまわりはアジャイル記事が多数の昨今ですが、今回対象としているプロジェクトはウォーターフォールです。
またBacklogですが、初めて利用する方にもとっつきやすく、IT以外の部署と一緒に使っていてもあまり抵抗がない、使いやすいツールだなと感じています。弊社ではBacklogを標準ツールとして使用しているのですが、通常時はタスク・課題管理やWikiに使用していることが多く、プロジェクトのスケジュール、進捗管理に使用している例は少ない印象です。
背景
繰り返しですが、現在進めているプロジェクトでは複数のベンダーにご協力いただいています。初期フェーズの開発では8社ほどでそれぞれの領域の開発を進めていました。
その中で開発のスケジュール作成を自由に行うと各社様々なフォーマットが出てきます。それぞれバラバラに管理するのはつらいです。これを統一してメンテナンスしていくのもまた大変です。
折角タスク・課題管理にBacklogを使用しているのだから、スケジュールもBacklogで一元管理してみたいなと思いました。
Backlogの機能制約内では、規模感があって複数ベンダー環境での取り組むプロジェクトのスケジュール管理には向いていないのでは、という意見もあったのですが、ルール決めすればなんとなくいけるのではないかと考えました。高機能なプロジェクト管理ソフトは他にもありますが、まずはあるものを使い倒すのも大事ですよね。
課題
具体的には進捗確認にBacklogのガントチャートの機能を使用するのですが、各社で自由にチケットを登録していってしまうとスケジュールがごちゃまぜになり、チャートがものすごく見づらくなります。どうすれば各ベンダーの開発スケジュールが同じプロジェクト内で見やすくなるだろうがというのがポイントです。そのためのルール決めとその周知をがんばってみました。
ルール決め
なるべくシンプルに、種別、カテゴリ、親子課題を使用してルール化し、ベンダー各社に周知、対応依頼を徹底しました。
種別について
まずチケットの種別に開発機能
というものを設けました。開発機能
の定義は以下です。
- スケジュール管理するためのベースとなるチケット
- 主にガントチャートでの進捗表示を見やすくする目的で使用する
- 開発の各工程以外には使用しない
開発機能チケットの作成について
- チケットは機能単位に作成する(推奨)
- 機能単位で管理が難しい場合は、粒度をシステムやベンダー別で決めてよい
- 必ず開始、終了日付を入力する(ガントチャート表示のため)
- 期間は1週間~2週間程度を推奨(長い期間で管理したい場合、子課題を適切に設定する)
- チケット内の詳細には実施内容、成果物、完了条件を記載する
- 具体的な作業は開発機能チケットに子課題として追加する
子課題について
- 開発機能チケットに対する子課題は、必要に応じて任意作成する
- 子課題では、種別は
開発機能
以外の種別を設定する
カテゴリについて
- 必須入力とする
- カテゴリは複数入力を可とする。最低限以下どちらかを入力する
- [ベンダー名](例:JINS)※ベンダー単位に区分するために使用
- [ベンダー名]_[システム名] (例:JINS_在庫管理システム)※システム単位に区分するために使用
- 上記によりガントチャート画面でベンダー別、システム別のグルーピング、絞り込みができる
その他
マイルストーンはよくある感じに開発工程(設計・開発・テスト等)を設定しました。
その他のステータスもルールは作りましたが、スケジュールの見え感には関係ないので割愛します。
そしてこれらのルールをプロジェクト全体に説明し、進捗確認時にも随時ルールの振り返りをしながら進めました。
つくってみたイメージ
こんな感じです
グルーピングでベンダーや機能別に表示したり
開発機能
のチケットだけに絞って表示をシンプルにしたり
ができるようになりました。
やってみてまとめ
ベンダー別、機能別で絞り込みやグルーピングすることでチャート内で見たい部分だけを適切に表示することができ、想定以上に管理がしやすかったです。絞り込みの条件などによって、ベンダー同士のスケジュールの依存関係も確認しやすかったと思います。一方で入力のしやすさという面ではまだ課題があるのかな、と思いました。
最初からルール通りの入力と想定通りのチャート表示ができたわけではなかったのですが、進捗確認の場でもガントチャート画面を使うので、繰り返すうちに徐々に浸透させていくことができたのかな、と思っています。
Backlogでの管理も結構いけるね、と感じたので今後のプロジェクトでも積極的に使っていきたいです。
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