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AI開発ツールで変わる開発者の働き方:現場で見えたリアルな変化と可能性

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こんにちは!jinjerプロダクト開発本部の玄です。

最近、「AI」という言葉を聞かない日はなくなりました。特にChatGPTの登場以降、AIツールの進化と普及は急速に進んでいます。

「どのAIを選べばいいのか?」
「業務で本当に使えるのか?」

そのような疑問を感じたことはありませんか?
特に、開発チームやエンジニアの方々にとっては、「どこから手をつければいいのか」と悩む場面も増えてきました。

本記事では、開発部で実践したAI活用の取り組みをもとに、効果のあったAI開発ツールの選定ポイント、そしてこれからの開発とAIの関係性についてわかりやすくご紹介します。

※なお、AIモデル(LLM)やAIツールは日々進化します。本記事は2025年7月時点の情報に基づいています。


💡 AIを取り巻くいま:モデルとツール、その活用

🔺 主なAIモデルの特徴と比較

※以下の表にある「モデル名」は、一般的に知られているプロダクト名です。各プロダクトには複数のLLMモデル(例:GPT-4、Claude Opusなど)が搭載されていることがあります。

モデル名(開発元) 主な特徴 向いている用途 主な出資者
ChatGPT(OpenAI) 高い汎用性と業務親和性。応答の質と安定性に優れる 質問応答、文章生成、要約 Microsoft、SoftBank、Khoslaなど
Gemini(Google) マルチモーダル対応(画像・音声・動画)。大規模情報処理に強い 分析、資料作成、長文処理 Google(Alphabet)
Claude(Anthropic) 高い文脈理解力と安全性設計。設計支援やコード補助に強み コードレビュー、設計支援 Amazon、Lightspeedなど
Grok(xAI) X(旧Twitter)と連携。Elon Musk主導でSNS連携特化 SNS連携、リアルタイム対話型 Elon Musk/X/Tesla系出資者

📌 ポイント

  • 用途に合わせて最適なモデルを選ぶことで、AI活用の効果を大きく高められる
  • Claudeはコード生成性能が高く、開発支援に適しているとされており、特にClaude Codeと組み合わせることで、より効率的な開発ワークフローを実現できる可能性があります
  • 今後も、巨額投資を背景にChatGPT、Gemini、ClaudeがAIモデル開発の中心となる見込み

🧰 現場で使っている・検討しているAI開発ツール

ツール名 特徴 主な活用シーン
GitHub Copilot 自然なコード補完。ほぼすべてのIDEで利用可。導入しやすい 実装支援、コード補完
Cline VS Code拡張型AIエージェント。生成・修正・実行・ドキュメント連携まで一貫支援 IDE、エージェント型ツール
Claude Code CLIベースで動作。Claudeとの相性抜群。自然言語でコード生成や設計支援 ターミナル操作、エージェント型ツール
Amazon Q Developer(導入検討中) AWS特化AI。インフラ構成やIaC対応に優れ、DevOpsに有効 クラウド開発、運用管理、DevOps

📌 選定のポイント

  • GitHub Copilot:安定したコード補完性能に加え、既存コードの部分修正にも強く、大規模な開発にも対応しやすい
  • Cline / Claude Code:自然言語での操作や柔軟なワークフロー対応が特長で、小〜中規模の開発に向いている
  • エージェント型ツール:想定通りの出力にならないこともあるため、コンテキスト設計が成果を大きく左右します

🔄 「プロンプト」から「コンテキスト」の時代へ

従来のAI活用では「良いプロンプトを書くこと」が成果のカギとされてきました。
しかし現在では、**「どんな文脈(コンテキスト)をAIに与えるか」**が、より重要になっています。

なぜなら、高性能なAIモデルやツールでも、適切な前提・目的・制約を共有しなければ、望む出力は得られないからです。

🧠 コンテキストエンジニアリングとは?

AIに適切な背景情報や業務目的を与え、性能を最大限に引き出すための設計技術です。

LLM(大規模言語モデル)は万能ではありません。指示が曖昧だったり、文脈が不足していたりすると、出力は“それっぽく”ても中身がズレてしまうことがあります。
正確で再現性のある出力を得るには、プロンプトだけでなくコンテキスト全体を設計する視点が不可欠です。


+----------------+     +----------------+     +--------------------+
|     LLM        | <-- |    AIツール     | <-- |   コンテキスト       |
|  (頭脳・生成器)  |     |  (操作・実行部)  |     |(前提や目的、制約 など) |
+----------------+     +----------------+     +--------------------+

🧠 コンテキストを強化する技術群

技術名 概要 活用例
RAG(検索拡張生成) 外部知識をAIが検索・要約して回答精度を高める 社内ナレッジ×コード生成
MCP(Model Context Protocol) AIとDB/API/ドキュメントを動的に接続する文脈共有プロトコル ナレッジ連携、業務オペレーション
メモリ機能 AIが会話履歴や業務ルールを保持し、継続的な対話や判断を支援 長期プロジェクト、パーソナルAI

⚠️ 情報の与えすぎも逆効果。「必要な情報を、必要なかたちで」与えることが成果を分けます。

⚠️ コンテキスト設計がうまくいかないと…

課題 具体的な問題
❌ 意図を誤解される 曖昧な出力、的外れな回答、誤った推論が発生
❌ 再現性が低くなる 同じ入力でも毎回異なる結果になり、業務に組み込みづらくなる
❌ ハルシネーション(事実誤認)が出やすくなる AIが「それっぽいけど間違った内容」を生成してしまう
❌ 情報が混在・漏洩する可能性 文脈の分離・アクセス制御が不十分な場合に誤出力・誤共有が起こる

✅ コンテキスト設計がうまくいけば…

  • 出力の精度一貫性が大きく向上する
  • AIの業務定着や自動化が進みやすくなる
  • LLMの**ROI(投資対効果)**が明確になる
  • 「AIが“理解して動く”」状態が実現する

✅ コンテキスト設計は人間の工夫が問われる領域ですが、その支援にもAIを活用することで、より効果的に進めることができます。


💼 AI開発ツール、どう始める?まずはこの4ステップから!

  1. ✨ まずは試す!

     GitHub Copilotなど利用したいAIツールを少人数チームで試験導入。使い勝手を実感しましょう。

  2. 📚 ナレッジを整える

     NotionやConfluenceをAIにやさしい構造に。後のRAG活用にもつながります。

  3. 🧠 コンテキストを意識した設計書に

     AIが理解しやすいように、設計書や仕様書もリライト。

  4. 📏 評価とルールをセットで導入

     「何をもって良い出力とするか?」を明確にして、チームで共有!

🔁 少しずつ取り入れて、PDCAで改善していくのがコツ!


🧭 まとめ:AI時代の開発者に必要な力とは?

AIツールは、「あると便利」から「開発者の標準装備」へ。
これからの開発者には、LLM × ツール × 文脈の「三位一体の活用力」が問われます。

+----------------+     +----------------+     +-------------------+
|     LLM        | <-- |    AIツール     | <-- |   コンテキスト      |
|(頭脳・エンジン) |     |(道具・操作部)   |     |(文脈・燃料)       |
+----------------+     +----------------+     +-------------------+

💡「どのAIを使うか」より、「どう使いこなすか」

🔮 未来はもう始まっている

“次のAI活用”は、すでにさまざまな現場やプロジェクトで動き始めています。

  • 🤖 Agentic AI:複数のAIが役割を分担し、自律的に開発やタスクを推進
  • 🤝 A2A(AI-to-AI)通信:AI同士が対話・連携し、プロジェクトを進行
  • 🧠 AGI(汎用人工知能):人のように複雑な業務を理解・実行
     ※ 現在は研究・開発段階ですが、特定領域では「限定的AGI」の兆しも見られています

これらはもはや未来の話ではなく、「数年以内の実用化」が現実味を帯びてきたテーマです。

👋 AI時代の開発に挑戦しませんか?

jinjer開発部では、AIを前提とした新しい開発スタイルに日々取り組んでいます。

「AI技術を実務で使ってみたい」
「開発の質やスピードをAIで変えていきたい」

そのような想いのある方、ぜひお気軽にご連絡ください!
一緒に、AI時代の開発を創っていきましょう。


📖 参考リンク


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