新米PdMの大型機能リリースまでのみちのり
はじめまして。
jinjer株式会社でプロダクトマネージャーをしている藤武です。
IT業界未経験という状態で入社して1年弱。
NARUTOで言うとまだまだ螺旋丸を水風船で練習しているような自分ですが、
要望が多かった新機能「アラート機能」のリリースを担当させてもらった中で得られた学びを以下の3つから振り返りたいと思います。
- リリースまでの進め方
- 良かった点
- 反省点
アラート機能って何ができる?
ジンジャーの従業員情報に登録されている年月日データに対しx日前あるいはx日後などユーザーが設定したタイミングに通知メールを送ることができる機能です。
自動車運転免許証をはじめクレーンの操縦士や宅建士など業務上必要な資格が存在する中で、ジンジャーには資格の有効期限を入力する項目を設けているのですが、人事部や上司が更新漏れがないように管理するのにかなり労力がかかってるという課題がありました。
アラート機能でできることを簡単にまとめると、こうなります。
競合他社の類似機能だと、特定の項目にしかアラートを飛ばせない、メール通知を任意の日付や文章で送信できないという制限がありましたが、ジンジャーではとにかくお客様の業務フローに合わせられるよう柔軟性を担保したことがポイントになっています。
どのような工程で進めたのか
大型機能をリリースするにあたってこんな工程を踏みました。
詳細は割愛しますが、デザイナーやUXライターの方が行う工程も含まれています。
- スケジュールとマイルストーンの設定
- 機能の目的や背景の整理
- 必要な機能の洗い出し
- 大まかな要件定義
- プランニングポーカーの実施
- ワイヤー作成
- ユーザーインタビューの実施
- 細かい要件定義
- SP見積もり
- リリース日の設定
- デザイン作成
- UXライティングレビュー
- 実装開始
機能の大きさのイメージとしては、チームの平均ベロシティの約2倍に相当するボリュームで、
先輩方のご指導と他部署の方やベンダーさんの多大なご協力をいただきながら進めることができました。
改めて感謝申し上げます🙇♀️
やってよかったこと
上記の工程から、やってよかったなと思うことを紹介します。
スケジュールとマイルストーンの設定(No.1)
リリースに対し期日は無かったのですが道筋が見えてないと気が済まない気質だったので、最初にどんな工程が必要なのか確認しながら大まかな計画を立てました。
結果、初めての工程などで見積が甘くスケジュール通りには進まなかったものの、遅滞しているとめちゃめちゃヤキモキしてたので自分への良いお尻叩きとなりました。
機能の目的や要望の背景の整理(No.2)
よく言われていることではありますが、ユーザーの要望をそのまま鵜呑みにしていると目的を果たすのに最適なルートとはならないツールが出来上がってしまいます。
最初に要望の背景を捉え、何のために何ができる機能を作るのか明文化することで、複雑な仕様を検討する中で迷ったり立ち止まったりするときこの"軸"に立ち返ると何が必要なのかが自ずと見えてくる感覚がありました。
あと、気づいたら「あれもこれも入れたい」とすぐ盛り盛りになりがちなので複雑な要件を考える時ほどシンプルに考えました。
ユーザーインタビューの実施(No.7)
ユーザーインタビューを要件が整う前に実施し「何のために何ができるか」をすり合わせることをメインとしました。
仮に作っていた要件(肌感覚として核となる部分は9割、細かい部分は1割くらい作り込んだ状態)とワイヤーを装備して打ち合わせに臨み、外せない要件・不要要件を複数社とすり合わせしました。
先輩に「最初に業務フローを聞くといいよ」とアドバイスもらったおかげで自分が持っていった仕様がユーザーの課題が解決できそうか否かのすり合わせができたと思います。

新機能リリース後の想定業務フロー
もっとこうすればよかった…なこと
振り返ってみて、反省点と今後に活かしたい点を紹介します。
開発ベンダーへ仕様の相談
ジンジャーではデザインシステムや全プロダクトの共通仕様が整ってきているものの、リデザイン前の画面においては決まっていない細かい挙動(例えばプルダウンの振る舞い・権限の及ぶ範囲など)が多く、各PdMが挙動を定義することも多いです。
ここで自分があれこれ検証しながら考えてしまったため、スピード感をもって進められていなかったと反省しています。
当時、私はほぼ関わりがなく関係構築できていなかったとはいえ、既存の仕様に詳しいベンダーさんにもっと当初から頼っていればスピードの向上は当然ながらより良い仕様のご提案をいただけたのではと思います。
AI活用
今でこそPdM内でプロダクトのソースコードや仕様書をAIエージェントに読ませて新規featureを作成したりレビューする動きがありますが、私の場合は人力で要件を詰めていました。
事前リサーチの段階でもDeepResearchを活用していればユーザーの業務フローの理解度は段違いだったかと思います。
現在、ジンジャー人事労務のオプション「年調収集」の仕様変更を検討している最中ですが、そもそもの制度やルールなどのキャッチアップはほぼAIにまとめてもらい、AIによる仕様レビューで考慮漏れを減らせていると感じます。
まとめ
振り返りは以上になります。
初歩的な内容も多かったと思いますが、今回は大型機能のリリースにおける学びについて振り返りができてとても良い機会となりました。
機能リリースはPdMの仕事としてほんの一部だと思いますが、これを読んだ皆さんにジンジャーの新米PdMがこんな感じで修行しているんだな〜ということが少しでも伝われば幸いです。
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