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CSからPdMへの挑戦

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はじめに

こんにちは。
jinjerのPdMのOHARAです。

私は入社以来数年間、カスタマーサクセスチームに所属していました。
当時からもともとプロダクト作りに興味があり、実際にお客さまと接した経験を活かして
プロダクトでお客さまをラクにしたい、ということも考えていました。
そして社内制度を利用して現在の部署へ異動し、念願叶ってPdMに転身しました。

CSとPdMは当たり前ですが、それぞれ違う視点を持っています。
異動してから約2年、まだまだ新米のPdMですがCSとの違いについて
改めて強く感じていることがあるので、それについて書いていこうと思います。

CSの経験が壁に

CSの経験はPdMの業務において非常に大きなアドバンテージとなっています。
特に、実際にジンジャーが利用されている姿が鮮明にイメージできることは
CSを経験して良かったと思える点です。
業務に活かせるのはもちろんですが、設計をしているときは
勝手に顧客に喜んでいただけるイメージをして楽しくなったり、
実際に喜びの声を聞いたときは達成感をおぼえたりして、
私が最もやりがいを感じる瞬間の一つです。
これは課題を抱えている顧客の姿を数多く見てきたからこそだと思います。

しかし、逆にCSの経験が壁として感じられることもあります。
CSは特定の顧客に対して寄り添い成功を支援します。
よく伴走するなどという表現が使われますが、
特定の顧客のみに焦点を当てて深く入り込んでいくことが必要です。

一方でPdMは特定の顧客に固執することなく、顧客全体のことを考えなければなりません。
何かしらの意思決定の際にも、全体への最適解を選択することが求められます。
この意思決定がまさに壁を感じる瞬間なのですが、顧客の姿が目に浮かぶことによって
全体を考えることが難しくなることがよくあります。

例えば、「この選択をすると、あのお客さまの課題は解決できないのではないか」とか
「このロードマップでは、あのお客さまの課題解決は先延ばしになってしまうのではないか」、
など。。。
意思決定をしようとするたびに一部の顧客のみで発生しうる懸念が次々と湧いてきて、
鮮明にイメージできるだけにバイアスがかかって迷ってしまうことが多々あります。

そこで偏った意思決定とならないよう、以下の2点は特に意識しています。

  • データを見て判断する
    当たり前ですが、データがある、または取れそうであれば必ず判断材料とします。
    ドライに判断ができるため、顧客の姿に腕を引っ張られることがなくなります。
  • ほかの方に意見を求める
    迷ったときにはPdMやCSの方などに意見を求めます。

迷った結果、全体最適になりうる意思決定ができていればそれは逆に良かったと言えると思います。
意図してスコープから外しているのと、意図せずスコープから外れてしまっているのでは大きな差です。
懸念点を出し尽くしたうえで最適解を選択できているのであれば、
私のCS経験が大いに活きていると言えると思います。

狭くなっていく視野

もう一つ、CSとPdMで異なる視点を感じたことがあります。
それぞれのミッションが異なることによる違いです。

CSのミッションは「顧客の成功」です。
顧客が望む成果を挙げることが第一であり、プロダクトは一つの手段でしかありません。
顧客の現状を知り、課題を知り、そしてその解決のために
プロダクトの使い方を最適化することに重点を置きます。
時にはプロダクトに依存しない解決方法を選択するかもしれません。

一方、PdMのミッションは「プロダクト価値の最大化」です。
顧客の課題を解決するためのプロダクトを作ります。
ここで重要なのは、PdMは"プロダクトを通じて"課題解決をするということです。

最終的に顧客の課題解決に辿り着くのは同じですが、
顧客とプロダクト、この似て非なる視点の違いに私はギャップを感じました。
本来であればPdMも、"あくまで業務の一部としてプロダクトが存在していること"を
念頭に置いて設計すべきです。

ただ、プロダクトを通じて解決しようとすればするほど、
プロダクトや機能に囚われて視野が狭くなってしまうことを感じました。
プロダクトの理想を追い求めるあまり、
本来価値提供をする対象である顧客の姿が見えなくなってしまう。。。
本末転倒な話ではありますが、
特に異動当初の私は「良いプロダクトを作ってやる」と意気込んでいたため、
その傾向が強くありました。

その結果、いろいろ詰め込みすぎて分かりにくい機能となったり、
複雑化して使いづらくなってしまったりしたことがありました。
幸いにもリリースする前に見直すことで気づけたため良かったのですが。。。
CS時代は確かに持っていたはずの観点ですが、
改めて「業務の一部にプロダクトを当てはめる」という視点を持ち続けることは
重要だと強く感じています。

さいごに

以上、CSからPdMに異動して感じた違いについて書いてみましたが、いかがでしたか。
今回は違いについて書きましたがもちろん共通することも多くありますし、
何より「どのような経験でも活かせる」のがPdMであると、
jinjerのPdMチームの皆さんは口を揃えて言っています。
特にPdMへの転身を考えている方に、少しでも有益な情報となっていましたら幸いです。

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