スキルの「見える化」で成長を加速!ジンジャーのデザイナー育成の取り組み
はじめまして。ジンジャーのデザインマネージャー、近藤クリストファーです。
本記事では、ジンジャーにおけるプロダクトデザイナーのスキルマップ策定と育成の取り組みについてご紹介します。
プロダクトデザイナーとしてのスキル標準化
プロダクトの成長において、デザインの一貫性と品質向上は不可欠です。そのため、プロダクトデザイナーのスキルを可視化し、育成と品質向上を目的としたスキルマップを策定しました。
1.スキルマップ策定の背景
ジンジャーでは、プロダクトデザインに関する知識・スキルを体系化し、デザイナーの成長を支援する仕組みが必要でした。
課題
・デザイナーごとにスキルのバラつきがあり、標準化が困難だった。
・デザインの品質担保に向けた明確な評価基準がなかった。
・キャリアパスの明確化が不十分で、個々の成長支援が難しかった。
目的
・デザイナーのスキルレベルを可視化し、成長のロードマップを明確にする。
・プロダクト全体のデザイン品質を向上させ、一貫性を保つ。
・個々の得意分野や課題を把握し、適切なサポートを提供する。
2.スキルマップの構成
ジンジャーのプロダクトデザイナーのスキルマップは、ギャレットの5段階モデルに基づいて整理されています。
1.戦略・顧客理解(Strategy)
・プロダクト理解
・競合調査
・市場調査
・エキスパートレビュー
・定量分析
・定性分析
2.要件整理・スコープ定義(Scope)
・ペルソナ作成
・カスタマージャーニー作成
・ユーザー価値定義
・ユースケースの洗い出し
・インタビュー設計・実施
3.情報設計・構造化(Structure)
・情報設計(IA)
・ユーザーストーリー作成
・ユーザーフロー作成
・ワイヤーフレーム作成
・デザインシステム理解・設計
・アクセシビリティ理解・設計
4.プロトタイプ設計(Skeleton)
・アイディエーション
・プロトタイプ作成
・ユーザーテスト計画・実施
5.表層デザイン(Surface)
・グランドデザインの策定
・UIデザイン
・UIディレクション
・UXデザイン
・UXディレクション
・インタラクションデザイン
6.基礎スキル
・ファシリテーション
・ネゴシエーション
・プレゼンテーション
・ドキュメンテーション
3.スキルレベルの定義
スキルマップでは、各スキルを「入門」「基礎」「応用」「上級」「専門」の5段階で分類し、デザイナーの成長レベルを明確にしています。
Lv.01 入門(Novice)
・基本的な概念や用語を学び始めた段階で、知識として断片的に理解している。
・業務の全体像やスキルの目的はまだ十分に把握できておらず、実践経験はほとんどない。
Lv.02 基礎(Beginner)
・基礎的な知識を理解し、支援や手順があれば実務に適用できる状態にある。
・自身の作業がプロセスの中で果たす役割を少しずつ理解し始めている。
Lv.03 応用(Intermediate)
・理解した知識を業務の中で自律的に応用できる。
・状況に応じて手法を使い分けることができ、なぜその手段を選ぶのかを説明できるレベルにある。
Lv.04 上級(Advanced)
・高度な専門知識を持ち、複雑な条件下でも適切な判断を行い実行できる。
・プロジェクトやチーム全体の目的を理解し、スキルを成果につなげる力がある。
Lv.05 専門・戦略(Expert)
・スキルを体系的に理解しており、他者に伝える・仕組みに落とし込むことができる。
・戦略的な視点から活用し、組織や事業に広いインパクトを与えられるレベルにある。
4.スキルマップの活用方法
4-1.育成への活用
・スキルギャップを特定し、個々に最適な成長プランを作成。
・研修やワークショップを企画し、継続的にスキルアップを促進。
・ペアデザインによる実践的なフォローで、スキルの向上と継続的なサポートを実現。
4-2.品質向上への活用
・スキルマップを活用して、デザインプロセスの標準化を推進。
・デザインレビューを体系化し、品質チェックのフローを確立。
・チーム全体で判断基準を統一することで、成果物のばらつきを抑え、デザインの一貫性を確保。
5.今後の展望
今後は、以下の施策を進める予定です。
・スキルマップの定期更新:技術トレンドに合わせてスキル要件を見直し、適応力を高める。
・育成プログラムの強化:ハンズオン研修や社内勉強会を充実させ、学習機会を増やす。
・評価制度との連携:スキルマップを評価基準の一部に組み込み、成長支援を強化する。
スキルマップを活用することで、デザイナーの成長とプロダクトの品質向上を両立し、ジンジャーのデザイン組織をさらに強化していきます。
ジンジャーでは、プロダクトデザイナーのスキルアップやデザインの品質向上に向けて、引き続き取り組んでいきます。デザイナーの育成に興味のある方は、ぜひご意見やフィードバックをお寄せください!
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