アウトプットとは?
まずこの本で扱う「アウトプット」についての定義をします。
「アウトプット」とは、
- 人が発する言葉
- 人によって作成されるモノ
その全てを指します。
普段の挨拶から日常会話、プレゼンテーションや講演で紡ぐ言葉、手紙の文面、インターネットメールの文面、SNSへの投稿、打ち合わせで使用する資料、報告書、提案書、プログラム、設計書、要件定義書、など人によって生産される全てのモノです。
作詞・作曲のプロがいて、その音を演奏するプロがいて、歌うプロがいて、楽曲を商品としてまとめるプロがいて、そしてそれを聴く我々がいて、
この曲いいよ
って人に伝えたりするわけですが、作詞をする、から始まって、最後に誰かに伝える所まですべてアウトプットです。
アウトプットにおいて商業的か非商業的か(仕事かプライベートか)の区別は基本的にありません。が、アウトプットを説明していく中で仕事とプライベートと分けた方がいいポイントについては可能な限り、分かりやすいように記載していこうと思います。
ただし、著者はIT業界に従事するエンジニアですので、仕事に関わる説明についてはIT業界特有の現場の色が強めに出てしまいがちである旨ご承知おきください。
さて一般的に「指南」、つまり人に何かを説明するというシーンにおいては
ターゲットがより具体的であればあるほど説得力が高い
というのは紛れもない真理だと著者は考えていますがその逆も然り、
主語が大きくなるほど内容は薄っぺらくなりやすい
というのもまた真理だと考えています。
今回は「アウトプット」=「人によって生産される全てのモノ」という前提ですので、図らずもとても主語が大きくなってしまいました。
これからこのアウトプットという偉大な主語を軸として説明をさせて頂くわけですが、アウトプットの違いによっては、実際のアウトプット毎の細かいスコープにおいて内容の齟齬や例外が生まれてしまうかもしれませんし、チャプターの内容によっては抽象的すぎてイメージが伝わらない事もあるかもしれません。
結果として、薄っぺらく感じてしまうかもしれません。
それでも「アウトプットとは何ぞや?」と思う人向けへの汎用的なアプローチとして、私が実際にアウトプットに対して心掛け、かつ実践している術の1つとしてご紹介させて頂ければと思い、筆を執った次第でございます。
なんか世間でアウトプット、アウトプットってすごいもてはやされているけど何なの?
やりたい奴だけやればいいんじゃないの?
俺には関係のない話だし
現実、そんな風に思っている人が著者の周りに結構多かったと感じるという背景もあります。
ただ、著者の周りの全員が全員、
アウトプットってモノを知らないだけで、他は全部満ち足りて十分幸せです!
という事であれば何も言わないのですが、アウトプットの定義すら知らないが故にアウトプットに苦しめられている人が意外に多かったという事です。
アウトプットは万人が行うべきものでありまた、避けては通れないものです。
いや、それでもやりたい奴がやればいい!
と仰るようであればそれはそれで貴方の人生だし何も口出しはできませんが、アウトプットというもののおぼろげな定義を知ってからでも「アウトプットを自分の人生から除外する」判断は遅くないと思います。
この本はそんな内容ですから、そこまで難しい事は書いていないつもりです。フライパンを握った事のない人向けのレシピのように。
わかりやすく、簡潔に。
しつこいようですが、内容に肉が足りない、塩気が足りないのは何卒ご容赦ください。
願わくは、貴方が「アウトプット」という悪魔に見える何かにこれ以上惑わされることのないように。