スペシャリストになりたかったエンジニアがマネージャーへの転向を決めた話
レバウェル開発部アドベントカレンダー8日目です。
こんにちは!
レバウェル開発部の國井です。
レバレジーズ株式会社に中途社員として入社したのが2024年の7月末で、入社時から自社プロダクトのディレクターとして働いております。
私自身はWebエンジニアとして働き始めて今年で7年目になります。
その中で、レバレジーズ株式会社への転職は、自分のキャリアをマネジメント方面に決定付けるITエンジニア人生として大きな選択をする物となりました。
その経緯や、どのような思いでこの決断に至ったのかを書いていきたいと思います!
ITエンジニアのキャリアパスとは
キャリアパスの説明をするのは本記事の主題ではないのですが、議論をどの粒度で行うか定めるために、以下の定義としたいと思います。
1.技術スペシャリスト
特定の技術分野に特化し、深い専門知識を追求するキャリア
2.マネージャー
プロジェクトやチームを管理する方向に進むキャリア
他にも、並列で言えばコンサルタント、アーキテクト、フリーランスへの転身や起業だったり、1つを深掘りするならスペシャリストの中でもアプリケーションエンジニアやインフラエンジニアなどあるかと思いますが、本記事では、スペシャリスト or マネージャーという簡単な2択の話にしたいと思います。
なぜならば、会社員ITエンジニアは20代後半あたりで、この2択を会社から突きつけられがちだからです・・・
私はスペシャリストになりたかった
新卒でWebエンジニアとして働き始めて間もない頃に、「君は将来スペシャリストになりたいのか、マネージャーになりたいのか。今結論を出す必要はないけど、イメージを持っておいて欲しい」と言われました。その時、私はスペシャリストになりたいと思いました。理由は:
- 技術を極めるってなんかカッコいいから
- そもそも技術が好きでエンジニアになったから
アホっぽいですね・・・
逆に、「マネージャーになりたくなかった」という消極的理由もありました:
- 人と関わりたくない
- 人と関わらず技術と付き合えると思って工学部に行った
- マネジメントなんて出来る気がしない
- プロジェクトのマネジメントならまだ分かるが、人のマネジメントは無理(他人の感情はわからないので)
- 責任が大きくて辛そう
- 心労が多くて辛そう
消極的理由の方が多いですね・・・
自分で書きながら恥ずかしいです。しかし、同じような意識を持っているITエンジニアは案外多いのかなと思っています。
「エンジニア マネージャー」Googleのサジェストでも一番上が「やりたくない」でした!(執筆当時)やっぱりみんなやりたくないですよね!
なぜ意識が変化したのか
人と関わらないのは無理
IT業で1人で仕事が完結することはほぼ無いです。ITエンジニアとして働いていたら、職種の差はあれど「人と関わりたくない」という願いは到底叶えられないことがわかると思います。自分もこれにはすぐ気付き、意識改善の方向で努力をしました。
マネジメントも体系的に学べる(活かすのは難しいが)
元々なぜエンジニアになりたかったのかを深掘りしていくと、1つの組織の中だけでしか通用しない人物にはなりたくなかったからでした。例えばプログラミング言語やフレームワークは世の中で広く使われている物で、その技術をつけることで会社の外にもコミュニティを作ることが出来ますし、技術力の高さがあれば組織の中でも外でも活躍できると思っていたからです。
しかし、マネジメントも一つのスキルセットであり、組織の中に閉じたものではありません。多くの書籍が出版され、体系的に学べます。ただ、実際にはマネジメントを行う時にはどうしても組織の色が出やすくなり、世の中の体系的知識を適用するのは難しいかもしれませんが、同じことは技術面でも言えます(例えば世の中でアンチパターンと言われることが組織内でまかり通っていて、変えようにも様々な要因で変えられずモヤモヤする・・・といった悩みはよく聞きます)
技術でもマネジメントでも共通して言えるのは、体系的に学んだものを組織内でどう活かすかは結局試行錯誤をするしかない、と言った所だと思います。
人は分かり合える
自分以外の人の感情なんて分かる訳ないと思っていましたが、これも学習の余地がないかと言えばそうではなく、組織管理という文脈の中で人の感情をどのように扱うべきかという問題はそれだけでも学び切ることは難しいくらい議論されています。あるシチュエーションに対して100%の正解という物は無いかもしれませんが、より正解に近づくための学習は可能です。
そして何より、人の感情と向き合う事は、仕事だけでなくプライベートでの人間関係を円滑に進める上でも役に立ちますね!
マネジメントから逃げることは難しい
会社員だと聞かれるスペシャリスト or マネジメントの二択問題、これも自分の経験なのですが、スペシャリストになりたいと言って良い顔をされた覚えがないです。 真に通用するスペシャリストなら良いと思いますが、生半可では「マネジメントをやりたくない人」という受け取り方をされます。マネジメントには責任が伴うのが辛いんですよね・・・。しかし、責任の大きさとは給与の高さであり、責任を負う覚悟がない限り給料は上がりません。
また、開発ツールの進歩・・・例えばGitHub Copilotに代表されるAIコーディングツールの普及などで、少しずつ下流工程の仕事が消滅していく風潮が見られます。本来スペシャリストと呼ばれるような高い技術を持つ人たちはすぐAIに取って代わられることは無いと思いますが、下流工程の需要が低くなると、本来そのレイヤーに居た人が要件定義などの上流工程に関わることになり、その上のプロジェクトマネジメントをやる(やらされる😢)人も増えてくるのではと思います。マネジメントに関わるのが避けられない業種になってきそうです。
マネージャーの市場価値の高さ
誰でも数字で分かりやすい月単価の話をするならば、検索すればマネージャーの金額の高さはよく分かると思います。自分の経験に則った話をするならば、年齢が30に近くになってマネジメント経験が乏しかった自分は転職活動での厳しさを感じました。 マネージャーの市場価値が高いというよりも、マネージャーではない人の価値が相対的に低いんですね・・・。レバレジーズに入社を決めた時にも色々な会社を受けましたが、マネジメント経験は必ず聞かれました。もちろん、経験が乏しいことで落ちた・応募資格すら無かった企業があります。
単純に、自分の市場価値を上げたかったらマネジメントに舵を切るのが安定の選択だと思います。
よし、マネージャーになろう!
以上の理由が、ITエンジニア1年目にはスペシャリストになりたかった私の意識を少しずつ変えていき、6年目くらいになると完全にマネジメント方面を志望するようになりました。この頃私生活に変化があり、キャリアチェンジとは特に関係なく転職の必要が発生しまして転職活動をスタートさせていたのですが、面接では必ずマネジメント方面へ進みたい事を話していました。
マネジメントの道を歩み出してから
現在、レバレジーズ株式会社でディレクターというプロジェクトマネージャー寄りの仕事をさせてもらっています。転職活動当時はマネジメント志望とは言いつつマネージャーの業務実績は殆ど無い中で、転職していきなりマネジメントの経験を積める仕事に就かせて頂いて感謝しています。慣れない業務の中で失敗することも多いですが、周りの方にもサポート頂き日々成長を実感しています。
終わりに
本記事では私のITエンジニアキャリアに対する意識の変化と、その変化がどのような気づきの中で発生したのかについて書かせて頂きました。今回は「スペシャリスト or マネージャー」という二択に絞って話をさせて頂きましたが、実際はそんな単純ではなく、兼任されていたり、より細分化した特定領域に就いたりする方もいらっしゃるかと思います。また、私はマネージャー方面へ進みたいという意志を固めましたが、スペシャリストを否定したい訳ではないという事だけは念を押したいと思います。実際、社内にも特定技術を極め、誰にも代替できない価値を発揮しているエンジニアが沢山います。
キャリアの選択肢は、最終的には「自分がどんな働き方をしたいか」という意志に基づくものです。様々な意見を取り入れつつも最後には自分で考え、納得できるのならば、誰に何を言われようとそれが本人にとっての正解だと思います。
この記事が、キャリアの分岐点に立っている方の参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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