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「State of JavaScript 2024」で各分野ごとのトップに輝いた技術やツールをまとめてみた

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「State of JavaScript 2024」で各分野ごとのトップに輝いた技術やツールをまとめてみた

JavaScriptエコシステムの動向を毎年調査している「State of JavaScript」。2024年版では、各分野で開発者に最も支持された技術やツールが発表されました。本記事では、それらを具体例や使いどころを交えてご紹介します。


構文機能: Null合体演算子 (??)

特徴

デフォルト値を簡潔に設定できる構文です。null または undefined の場合にのみ右辺の値を返すため、意図しない挙動を避けられます。

:

const value = null ?? 'デフォルト値'; // 'デフォルト値' を返す
const value2 = 0 ?? 'デフォルト値'; // 0 を返す (null/undefinedでないため)

活用例:
ユーザー設定が未定義の場合にデフォルト値を設定するケース。

function getUserConfig(config) {
  return {
    theme: config.theme ?? 'light',
    language: config.language ?? 'ja',
  };
}

console.log(getUserConfig({})); // { theme: 'light', language: 'ja' }

文字列機能: string.replaceAll()

特徴

文字列内のすべての一致部分を一括で置き換えるメソッドです。従来のstring.replace()と異なり、正規表現を使わなくても全置換が可能。

:

const str = 'aabbcc';
console.log(str.replaceAll('b', 'x')); // 'aaxxcc'

活用例:
テンプレートやログメッセージ内の特定文字列を動的に置換するシーンで便利です。

const template = 'Hello, {{name}}!';
const personalized = template.replaceAll('{{name}}', 'John');
console.log(personalized); // 'Hello, John!'

配列機能: array.toSorted()

特徴

元の配列を変更せずにソート済みの新しい配列を返します。非破壊的な動作が保証されているため、安全に利用可能。

:

const numbers = [3, 1, 4];
const sortedNumbers = numbers.toSorted(); // [1, 3, 4]
console.log(numbers); // [3, 1, 4] (元の配列は変更されない)

活用例:
以下のような状況で特に有用です。

const scores = [85, 92, 78];
const topScores = scores.toSorted().slice(-2); // 上位2つを取得
console.log(topScores); // [85, 92]

静的型付け: TypeScript

特徴

JavaScriptに型安全性を導入することで、予測可能なコードとバグ削減を実現します。2024年の調査では67%の開発者が使用しており、もはやデファクトスタンダードに。

実例:
以下のように型情報を用いることで、バグの早期発見が可能です。

function add(a: number, b: number): number {
  return a + b;
}

// エラー: 型 'string' を引数 'number' に割り当てることはできません。
add(1, '2');

ビルドツール: Vite

特徴

高速な開発環境を提供するモジュールバンドラー。HMR (Hot Module Replacement) による即時更新や、最新のESモジュールを活用した軽量な設計が特徴です。

実例:
Reactプロジェクトの初期化も瞬時に完了。

npm create vite@latest my-app --template react
cd my-app
npm install
npm run dev

使用感:
従来のWebpackに比べてセットアップがシンプルで、特に小規模~中規模プロジェクトで導入が進んでいます。


フロントエンドフレームワーク: React

特徴

Facebook製のUIライブラリで、コンポーネントベースの設計が直感的。2024年もトップフレームワークの座を維持。

注目ポイント:

  • React Server Components: サーバーサイドレンダリングの新機能
  • Concurrent Rendering: 高速化技術

メタフレームワーク: Next.js

特徴

Reactベースのフルスタックフレームワークで、SSRやSSGのサポートが強力。

:
動的ルーティングとSSRのサンプル:

export async function getServerSideProps(context) {
  return { props: { data: 'サーバーサイドから取得したデータ' } };
}

export default function Page({ data }) {
  return <div>{data}</div>;
}

モバイル&デスクトップツール: Tauri

特徴

Electronの代替として注目される軽量なフレームワーク。Rustをバックエンドに利用し、リソース効率に優れています。

注目シーン:
Tauriを使用してメモリ消費を削減したデスクトップアプリの事例が増加。

cargo tauri build

モノレポツール: pnpm

特徴

効率的なパッケージマネージャー。モノレポ構成での高いパフォーマンスが評価されています。

:
モノレポでの使用例:

pnpm init
pnpm install -r

各技術は2024年のJavaScriptエコシステムを象徴するものばかり。プロジェクトで採用する際の参考になれば幸いです!
コメントやフィードバックお待ちしています 🙌

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