DroidKaigi 2025に参加してみた感想
今回初めてDroidKaigi 2025に、社内のAndroidエンジニア4名で参加してきましたので、その感想をレポートしようと思います。
全体を通しての感想
今年のDroidKaigiは全体的にAI関連の内容が多い印象でした。
AIに関するセッションやスポンサー企業のブースでの出し物もAIに関するものが多かったです。
また、技術的な内容に留まらず、各社の開発フローやチームビルディング、問題解決の取り組みなど、明日から実践できる内容をたくさん聴くことができ、大変学びの多い機会となりました!
AI関連について
AI関連のセッションをいくつか拝聴した感想としては、Android開発におけるAI活用はとても盛んに行われてる、と感じました。
KotlinでのAI活用による開発
JetBrains社がAI活用に力を入れていて、本セッションでは以下の内容についてのプレゼンを聴くとことができました。
- JetBrains社のIDEでAI開発を促進するための具体的な使い方
- Koogという、KotlinでAIエージェントを構築することが可能なフレームワーク
kotlinを使用した開発となると、InteliJやAndroid Studioがやっぱり使いやすいため、これらのIDEにAIの拡張機能が追加されるのはすごく助かります。
今後もどんどんアップデートしていきそうなので楽しみです。
Compose Multiplatform × AI で作る、次世代アプリ開発支援ツールの設計と実装
本セッションでは、Compose MultiplatformとAIエージェントを構築するフレームワークを利用したプロダクト開発についてのプレゼンでした。
プロダクト自体は、ユーザーが自然言語で作りたいアプリについてのプロンプトを入力すると、AIがアプリを作成してくれて、UIコンポーネントをユーザーがドラッグ&ドロップで、UIを組み立てることができるというものでした。
AIエージェントのAPI設計や、LLMのアウトプットをハンドリングしてComposeにパースするフローについてなど、AIを利用したプロダクト開発の実装事例を知ることができ、とても面白かったです。
品質改善とチーム開発について
チーム開発における品質改善の取り組みや、新メンバのオンボーディングなど、エンジニアとしてのコミュニケーションの重要性を学ぶことができました。
Flutterからネイティブへの挑戦と学び - 評価1.6から4.0への道のり
chocoZAPアプリをFlutterで開発後にAndroidネイティブで作り直したことで発生した問題や、その後どう問題を解決していったかという内容のセッションでした。
チーム開発をする上での、チーム内外でのコミュニケーションの重要性について考え直すいい機会となりました。
特に事業会社では、タスクを個人で閉じずに、全員で作っていくというマインドが重要だと再認識することができました。
「どこから読む?」コードとカルチャーに最速で馴染むための実践ガイド〜新メンバーを活躍に導くオンボーディング戦略〜
本セッションは、新メンバーがプロジェクトに参加した際に発生する以下の問題に対しての解決策をスピーカーの実体験を元に分かりやすくプレゼンされていました。
- ソースコードのどこを確認するべきなのか分からず迷子になって時間がなくなってしまう
- 既存チームメンバによるOJTで、受け入れの負担が重くなる
特に印象的だったのは、技術だけでなく、人と文化 を伝えるドキュメント作成を重要視していることでした。
最低限これだけは作成した方が良いドキュメントで、社内メンバについての自己紹介を取り上げており、
とりあえず技術についてのドキュメントを作成してしまいがちですが、新メンバがチームに馴染んていくためには、既存メンバとの関係性構築が重要なので、この施策は共感しました。
Androidエンジニアのキャリアについて
Android開発のみに留まらずに、様々なキャリア形成を実践している取り組みを聴くことができ、選択肢が広がっている実感を得ることができました。
デザイナーがAndroidエンジニアに挑戦してみた
Figmaを活用するデザイン作成を専門にしていたデザイナーがAndroidエンジニアに転向したストーリーをプレゼンされていました。
デザイナー視点でのAndroid開発の捉え方が新鮮な感覚でとても面白かったです。
Figmaを利用したUI作成手順が、Jetpack Composeを利用したUI構築と似ているというのが印象的でした。
- Figmaで設定したパラメタは、Jetpack ComposeのModifierやComposable関数の引数として、ほとんど同じように設定できる
- 宣言的UIなので、コード上でのUIコンポーネントの構成が実際のUIレイアウトと同じ構成をしているので、直感的にイメージしやすい
OOUIの思想とKotlinのデータクラスの組み合わせがしっくりきたという内容も印象的でした。
デザイナーとしてユーザー行動視点でのオブジェクト設計と、エンジニアとしてシステムのデータ視点でのオブジェクト設計が似ていて、デザイナー視点でUI構築がしやすいというのは、面白かったです。
デザイナーがUIコンポーネントを整理する際の情報を、Kotlinのデータクラスでそのまま表現することができるのがやりやすいポイントだったようです。
Be a Business-Driven Android Engineer
Oisixという食品ECプロダクトを開発するモバイルエンジニアの方による、ビジネスを伸ばすエンジニアになるための試行錯誤をプレゼンされていました。
Kotlin Multiplatformを活用して、プロダクトのビジネスロジックをプラットフォームに依らず共有できるようになったことで、Androidエンジニアがビジネスに貢献しやすい環境ができていると話されており、Androidエンジニアが専門領域を越境して、Web開発をリードした事例などを聴くことができました。
Androidエンジニアとしてのキャリア
Androidエンジニアとして、どういうキャリアパスを歩めば良いのかについて、再現性や計画性が無い中で、前向きな行動を促してくれるような内容でした。
個人的に面白かったセッション
衛星元年 スマホ圏外からLEO衛星🛰で安否情報を届けるAndroid DTC (Direct to Cell)完全攻略
本セッションは、Android端末から直接、通信衛星と通信することを可能にするDTC(Direct To Cell)という技術を利用して、スマホが圏外の地域でも、位置情報を共有することができるアプリケーションを開発するという内容をプレゼンされたものです。
全然知らなかったのですが、最近になって、衛星電話ではなく、普通のスマホが衛星と通信することが可能になっているらしく、すごくタイムリーな内容ということでした。
正直、専門的な内容は全然分からなかったのですが、プレゼンターの仮説検証の取り組みがすごく見応えがあり、とても面白かったです。
動作確認する際には、毎回車で圏外まで片道4時間かけて行く話や、圏外なので、そもそもビルド時のパッケージダウンロードできずに困ったという話が実体験にもとづいていて楽しかったです。
Cache Me If You Can
本セッションはAndroid開発する際のビルドシステムとしてよく利用されているGradleについての基本的な構成やTipsをプレゼンされていました。
僕もGradleやAndroid Gradle Pluginに関しては苦手意識があったのですが、とても情報が整理されていて、大変勉強になりました。
Gradleのライフサイクルについて、全体像のフローを話された後に、具体的なTipsについて言及していいく構成が分かりやすく、聴いていて快適でした。
最後に
今回初めてDroidKaigiに参加して、実践的な学びや、自身の興味関心を刺激する体験など、大変収穫の多い機会となりました!
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