移動中でもコーディング!CodeXで変わる個人開発のスタイル
最近Claude Codeがリリースされ、SNSや技術ブログで連日取り上げられるなど大きな注目を集めています。そんな中、私はCodeXもおすすめしたいです。
CodeXとは
CodeXは、OpenAIが開発したコード生成に特化したAIモデルです。Codex発表時の記事で紹介された通り、自然言語での指示からコードを生成したり、既存コードの理解・修正・リファクタリングを行ったりできます。
主な特徴
- 自然言語での簡潔な指示でコード生成
- プログラミング言語を問わず対応(Python、JavaScript、Kotlin、Swiftなど)
- IDEプラグイン、CLI、スマホアプリなど複数の利用方法
- GitHub Copilotからも利用可能
他のAIコーディングツールとの違い
| ツール | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| Claude Code | 長文の説明が得意、文脈理解に優れる | 複雑なリファクタリング、アーキテクチャ設計 |
| GitHub Copilot | エディタ統合、リアルタイム補完 | 日常的なコーディング支援 |
| CodeX | 簡潔な指示で実装、モバイル対応 | スキマ時間の活用、外出先での開発 |
以前の Vibe Coding を2週間くらい続けてみた ではAIと一緒に開発する楽しさを紹介しましたが、CodeXが登場してからはさらに手軽に感じています。
CodeXの始め方
ChatGPT Plus契約(スマホアプリから使う場合)
CodeXをスマホから使うには、ChatGPT Plusの契約が必要です。
- ChatGPT公式サイトから Plus プランに登録(月額$20、日本円で約3,000円)
- iOSまたはAndroidアプリをダウンロード
- アプリ内でCodeXモデルを選択
実際のコスト感
私の場合、ChatGPT Plus(月額$20)で以下のように利用しています:
- 平日の通勤時間に毎日2〜3回の指示
- 週末に10〜15回のコード生成
- 月間で約100回のコード生成
個人開発の効率化を考えると十分にコスパが良いと感じています。特に「思いついた時にすぐ試せる」という体験は、料金以上の価値があります。
GitHub Copilotから使う場合
GitHub Copilot(月額$10または$19)を契約している場合も利用可能です。
- VS Code または JetBrains IDE に GitHub Copilot をインストール
- Copilot Chat でモデルを「CodeX」に切り替え
- コードベースに対する質問や指示を送信
CLI・API経由で使う場合
OpenAI APIキーを取得すれば、ターミナルからも利用できます(詳細は省略しますが、開発者向けの選択肢として紹介)。
忙しいときも指示だけで実装
忙しいときも簡単に指示を送るだけで、ある程度の実装をやってくれます。わざわざ「あなたは経験豊富なエンジニアです」と前置きしなくても意図を汲み取ってくれる点が便利です。まるで人間のエンジニアに依頼するような感覚で使えるのも魅力です。
実際に使っているプロンプト例
パターン1: UI改善
「Compose の LazyColumn に検索フィルターを追加して。入力した文字列で item.name を部分一致フィルタリングしたい」
パターン2: リファクタリング
「この ViewModel のコードを Kotlin Coroutines + Flow に書き換えて」
パターン3: バグ修正
「カメラプレビューが回転したとき画面が真っ白になるバグを修正して」
パターン4: ドキュメント更新
「Readme.mdの更新情報を change logファイルを元に修正して」
プロンプトのコツ
- 具体的な技術スタックを明記する(Compose、Kotlin、CameraXなど)
- 実現したい結果を明確に伝える
- コードを添付する場合は前後の文脈も含める
スマホアプリからも操作可能
スマホアプリからも操作できるので、移動中でも使いやすいです。たとえば電車の中で「README.mdの更新情報の項目を最新の情報に更新して」といった簡単な指示を送っておくだけで、候補コードが生成されます。後からPCで続きを確認し、そのまま適用すれば開発が進むので「思いついたときに残すメモ」としても機能します。実際に私は通勤中に試したUI改善案を、帰宅後そのまま実装に繋げられました。

実際の開発フロー
このフローで、移動中のスキマ時間が「実装時間」に変わります。
プルリクエストの作成もワンタップ
プルリクエストの作成もアプリのボタンひとつでできるため、リポジトリの更新がとても手軽になりました。変更内容の修正はプルリクエストを作成する前に済ませておくのがおすすめです。

CodeXを使う上での注意点と失敗談
失敗例1: スマホでの指示が曖昧すぎた
❌ 悪い例: 「カメラアプリを改善して」
→ CodeXが何を改善すればいいか分からず、的外れな提案をしてきた
✅ 良い例: 「CameraX の PreviewView にズームコントロールを追加して。ScaleGestureDetector を使って」
失敗例2: 生成コードをそのままコピペして動かなかった
❌ 失敗: 生成されたコードをそのまま貼り付けたら、既存のコードと依存関係が合わずビルドエラー連発
✅ 対策: 生成コードを「参考」として使い、実際のプロジェクト構成に合わせて調整する
失敗例3: スマホで長時間作業してバッテリーがかなり減る
❌ 失敗: 外出先で2時間もCodeXとやり取りして、帰りの電車でスマホのバッテリーが20%台になってかなりギリギリな状態で帰宅
✅ 対策: スマホはアイデア出しと簡単な指示に留め、本格的な実装はPCで行う
CodeXを使う上での心構え
- CodeXはアシスタントであって完全自動化ツールではない
- 生成されたコードは必ず自分で理解してから使う
- スマホでの作業は「メモ代わり」と割り切る
- 最終的なコードレビューは人間(自分)が責任を持つ
ちなみに連携すればコードレビューも行ってくれます。

GitHubアプリでマージまで完結
GitHub公式のモバイルアプリをインストールしておけば、マージまでスマホで完結できます。READMEの更新やTypo修正といった軽い変更であれば、PCを立ち上げる必要がありません。実際に私は週末の外出先でリリースノートの追記を行い、そのままスマホからマージして公開まで完了しました。こうした小さなタスクを素早く処理できることで、開発のリズムが途切れにくくなっています。
外出先でもアイデアをすぐ実装
外出先で思いついたアイデアをすぐ実装できるのは大きなメリットです。私は「画像一覧にフィルター機能を追加したい」と思ったときに、CodeXにComposeでのサンプル実装を依頼しました。その場で生成されたコードを後でリファクタして本番に組み込み、実際にアプリの新機能としてリリースできました。アイデアが「メモ」で終わらず「実装」まで進むのは、CodeXを日常に取り込んでこそ得られる体験だと感じています。
CodeX導入後の開発スタイルの変化
| タスク | 導入前 | 導入後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 軽微なバグ修正 | 帰宅後にPCで対応 | 移動中にCodeXで指示、後でPCで適用 | スキマ時間を活用 |
| プルリクエスト作成 | PCの前でまとめて作業 | 移動中にGitHub Mobileで作成、本格的な実装は家のPCで | 作業を分散化 |
| UI改善アイデアの実装 | 週末にまとめて2時間 | 通勤中30分+帰宅後30分 | 開発リズムが途切れない |
他のツールとの組み合わせ
CodeXはスマホでのアイデア出しに優れていますが、本格的な実装には他のツールと組み合わせるとさらに効果的です。
CodeX + Cursor
私が実際に使っている組み合わせです:
- CodeX(スマホ): 移動中にアイデアを指示、簡単なコード生成
- Cursor(PC): 帰宅後の本格的な実装、ファイル編集、リファクタリング
この組み合わせにより、「移動中にアイデアを形にして、帰宅後すぐに実装に取り掛かる」という流れが確立できました。
他にもこのような連携も可能です。
CodeX + GitHub Copilot
- CodeX: スマホから大まかな実装方針を指示
- GitHub Copilot: PCのエディタで細かいコード補完
CodeX + Claude
- CodeX: 実装コードの生成
- Claude: アーキテクチャ設計やリファクタリング計画
GPT5でさらに性能アップ
最近はGPT5が出てきてさらに性能が上がりました。従来モデルに比べて扱えるコンテキストが大幅に増え、複雑なリポジトリでもより正確な提案が得られるようになっています。
CodeXが向いている人・向いていない人
向いている人 ✅
-
個人開発をしていてスキマ時間を活用したい人
通勤時間や外出先でもアイデアを形にできます -
通勤・移動が多くPCを開く時間が限られている人
スマホから操作できるため、場所を選びません -
思いついたアイデアをすぐコードに落とし込みたい人
アイデアが「メモ」で終わらず「実装」まで進められます -
ある程度のプログラミング知識があり、生成コードを評価できる人
生成されたコードの良し悪しを判断し、適切に修正できることが重要です
向いていない人 ❌
-
プログラミング初心者
生成コードの良し悪しが判断できないと、問題のあるコードをそのまま使ってしまうリスクがあります -
チームで厳格なコードレビューを行っている現場
AIが生成したコードの扱いについて、チーム内でルールを決める必要があります -
セキュリティ要件が厳しいプロジェクト
機密情報をAIに送信できない場合は利用が制限されます -
完全自動化を期待している人
CodeXはあくまでアシスタントであり、最終的な責任は開発者にあります
まとめ
忙しいときも指示だけで実装でき、スマホから操作できるCodeXは外出先でもアイデアをすぐ形にできる便利なツールです。プルリクエストもワンタップで作成でき、GitHubアプリを使えばマージまでスマホで完結できます。
実際に私自身、通勤や外出中のちょっとした時間にCodeXを活用することで、アイデアを「メモ」で終わらせず「実装」までつなげられるようになりました。軽微なバグ修正やプルリクエストの作成を移動中に行い、本格的な実装は家のPCでCursorを使うという流れが確立できました。気づけば、開発を進める上で日常的に欠かせない存在になっています。
もし「アイデアをすぐ試したい」「開発をもっと気軽にしたい」と感じているなら、ぜひCodeXを使ってみてください。きっと開発がもっと楽しくなるはずです。
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