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「地面師たち」の話題になった時にモノマネできるかどうか

2024/11/28に公開

Netflixの大ヒットドラマ「地面師たち」は今だに雑談や飲みの場で話題に上がる。趣味や休日の話題から転じてドラマやアニメの話になり「地面師見た?めっちゃ好きなんだよね」といった具合で。
この時、地面師たちの名シーンをモノマネできるかどうかは会話の盛り上がりにおいて非常に重要な要素だ。「もうええでしょう!」と我慢ならない顔で叫ぶことで笑いが生まれ、さらにこんなセリフもあったよねと会話が盛り上がる。
一方、モノマネができないとどうなるか。「あれって実話らしいよ」と雑学を言ったり、「ちょっとグロいよね」と感想を述べることはできるが、どう面白かったのかの共有で盛り上がらない。名言をうろ覚えの場合もイマイチだ。「最もフェティッシュでってやつだよね?」と言われても、うーん、最初はフィジカルね、と思ってしまうが、正しいセリフを教えてあげてもそんなに面白くはない。
要するに、一番面白かったあの演技は、言語化して伝えられるものではないのだ。Youtubeで地面師たちを話題にしている動画を見て欲しい。誰もどこがどのように面白かったかなんて話していない。皆、モノマネを擦っている。
このように、面白かったことの共有において、モノマネ・演技が最も効果的だというシーンは意外と多いと思う。学生時代の思い出、旅行であった出来事、自己紹介の特技などもそう。映像として面白いものは、言葉だけでなく映像として表現した方が面白いに決まっている。

ところで、地面師たちのモノマネができる人にもしばしば会う。めちゃくちゃ面白い。彼らは天才なのだろうか?
そうではないと思う。ドラマを一回見ただけで、セリフや表現を覚えて、それを会話の場にいきなり投入して上手くいくなんて、綾野剛でもない限り難しいはずだ。
思うに、ネットの切り抜きやYoutubeで何度かコンテンツに触れていたり、感想共有の現場を経験することで、モノマネの精度が上がっているのだ。中には自主練をしている人もいるかもしれない。
何にせよ、「地面師たち」の話題になった時にモノマネできるかは、単なる才能ではなく、コミュニケーションに対する努力や経験、心構えを表しているのではなかろうか。

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