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CCNP-ENARSI_IP SLA
IP SLA
- IP SLA(Service Level Agreement)
- パケットを生成してネットワークのパフォーマンスを監視・測定する機能
IP SLAレスポンダ
IP SLAレスポンダを設定することにより下記の機能が可能になる
- UDPを使ったVoIPの遅延の測定
- ジッタの測定
- 応答時間をタイムスタンプに記録
IP SLAオペレーション設定の流れ①
STEP1:IP SLAオペレーションの作成とオペレーション番号の割り当て
(config)# ip sla {オペレーション番号}
STEP2:オペレーションの種類とパラメータの指定
(config-ip-sla)# 種類 パラメータ
- 種類
主な種類 | 監視に使用するプロトコル | 説明 |
---|---|---|
icmp-echo | ICMP | RTTを測定可能 |
path-echo | ICMP | ホップごとのRTTを測定可能 |
udp-jitter | UDP | ジッターを測定可能 パラメータにVoIP測定用のコーデックを指定可能 |
tcp-connect | TCP | TCP接続するまでに掛かった時間を測定 |
http | HTTP | Web接続するまでに掛かった時間を測定 |
- パラメータ:宛先や送信元
補足
- RTT:パケットの往復遅延時間
- コーデック:エンコードとデコードするためのソフトウェア
- ジッタ:パケット通信の遅延(通信の揺らぎなどを表現される)
IP SLAオペレーション設定の流れ②
STEP2-A(任意):オペレーションの実行間隔の指定
(config-ip-sla-echo)# frequency {間隔(秒)}
※デフォルトでは60秒
STEP2-B(任意):しきい値の指定
(config-ip-sla-echo)# threshold {上限のしきい値(ミリ秒)}
RTTがしきい値を超過すると戻り値を「Over threshold」にする
STEP2-C(任意):タイムアウトの指定
(config-ip-sla-echo)# timeout {応答パケットを待つ時間(ミリ秒)}
RTTが応答パケットを待つ時間を超過すると戻り値を「timeout」にする
IP SLAオペレーション設定の流れ③
STEP3:SLAオペレーションを実行するスケジュールの指定
(config)# ip sla schedule {オペレーション番号} [スケジュール]
スケジュールの設定方法は下記
終了タイミング
life {forever | 終了までの秒数(0-2147483647)}
開始タイミング
start-time {now|after hh:mm:ss|hh:mm[:ss] [月 日|日 月]}
月は数字ではなく、英語表記(12月ならDec)
設定例
- IP SLAのオペレーション番号1を、8月1日 午前6:15から2時間実行する場合
ip sla schedule 1 life 7200 start-time Aug 1 6:15
- IP SLAのオペレーション番号1をコマンド投入時から30分後に実行開始し、自動的に終了させない場合
ip sla schedule 1 start-time after 00:30:00 life forever
IP SLAの設定例
Router(config)# ip sla 1
Router(config-ip-sla)# icmp-echo 172.16.20.1 source-ip 172.16.1.2
Router(config)# exit
Router(config)# ip sla schedule 1 start-time now life 4200
オペレーション番号は「1」
宛先は「172.16.20.1」
送信元は「172.16.1.2」
開始のタイミングは「即時」
狩猟のタイミングは「4200秒 = 70分」
IP SLAレスポンダの設定
設定方法は2種類
全てのオペレーションに対してIP SLAレスポンダを有効化する方法
(config)#ip sla responder
特定のオペレーションに対してIP SLAレスポンダを有効化する方法
(config)#ip sla responder udp-echo ipaddress {IPアドレス} port {ポート番号}
※IPアドレスとポート番号はIP SLAオペレーション側の設定と一致させる
※IP SLAオペレーション側でcontrol disable
を設定した場合も上記のコマンドで設定する必要がある
IP SLAのオブジェクトトラッキングによる経路の自動切り替え
オブジェクトトラッキングとは、ルータが認識できる様々な状態を監視する機能
例えば、到達性のなくなったパスを無効化し、バックアップパスに切り替えるといったことが可能
設定コマンド:IP SLAによるオブジェクトトラッキング
(config)# track {トラッキング番号} ip sla {IP SLAオペレーション番号} [state|reachability]
-
トラッキング番号:オブジェクトトラッキングで使用する任意の番号を指定
-
IP SLAオペレーション番号:オブジェクトトラッキングに用いるIP SLAのオペレーション番号を指定
-
state|reachability :IP SLAの戻り値からのトラッキング状態の判定方法を指定
※詳細は「オブジェクトトラッキングで指定するreachabilityとstateの違い」参照
オブジェクトトラッキングで指定するreachabilityとstateの違い
reachabilityとstateでは「OverThreshold」の扱い方に違いがある。
監視指定 | IP SLAの戻り値 | トラッキング状態 |
---|---|---|
state | OK | Up |
OK以外 | Down | |
reachability | OK OverThreshold |
Up |
上記以外 | Down |
上記のテーブルよりIP SLAの戻り値が「OverThreshold」の場合
- reachabilityを設定しているならトラッキング状態を「Up」と判断する
- stateを設定しているならトラッキング状態を「Down」と判断する
設定コマンド:トラッキング状態の遷移における遅延時間の設定
(config)#track {トラッキング番号} ip sla {IP SLAオペレーション番号} [state|reachability]
(config-track)#delay down {Downするまでの秒数} up {Upするまでの秒数}
- Downするまでの秒数:IP SLAの条件を満たさなくなってから、トラッキング状態をDownにするまでの秒数
- Upするまでの秒数:IP SLAの条件を満たすようになってから、トラッキング状態をUpにするまでの秒数
設定コマンド:オブジェクトトラッキングとPBRを組み合わせた経路の切り替え
オブジェクトトラッキングによって到達性が確認できた場合のみネクストホップを変更するPBRの設定
(config)#route-map {マップ名}
(config-route-map)#match ip address {ACL}
(config-route-map)#set ip next-hop verify-availability {ネクストホップアドレス} {シーケンス番号} track {トラッキング番号}
(config-route-map)#set ip default next-hop {バックアップとなるネクストホップアドレス}
確認コマンド:オブジェクトトラッキングの確認
#show track [トラッキング番号]
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