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CCNP-ENARSI_再配送

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再配送

あるルーティングプロトコルから受け取った経路情報を別のルーティングプロトコルへ伝達すること
(例:OSPF→EIGRPなど)

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コマンド:OSPFへの再配送

Router(config)#router ospf {プロセスID}
Router(config-router)#redistribute {プロトコル} [metric {値}] [metric-type {タイプ}] [tag {タグ}] [route-map {マップ名}] [subnets]
  • プロトコル ・・・再配送元になる「RIP」や「EIGRP{AS番号}」や「static」や「connected」などを指定

  • metric ・・・シードメトリックを指定(デフォルトは20。ただしBGPからの再配送については1)

  • metric-type ・・・OSPFの外部メトリックタイプ1またはタイプ2を指定(デフォルトは2)

  • tag ・・・0~4294967295のタグ値を付加

  • route-map ・・・ルートマップを使用

  • subnets ・・・サブネット化されたルートも再配送(省略した場合はサブネット化されていないルートのみ再配送)

    ※subnetsオプションについては機種やIOSのバージョンで動作が異なる(明示しなくてもよいケースもある)

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コマンド:EIGRPへの再配送

Router(config)#router eigrp {AS番号}
Router(config-router)#redistribute {プロトコル} [match {条件}] [metric {値}] [route-map {マップ名}]
  • プロトコル ・・・再配送元になる「RIP」や「OSPF {プロセスID}」や「static」や「connected」などを指定
  • match ・・・再配送する経路を選択(プロトコルにOSPFを指定した場合に使用可能なオプション)
    • {internal}OSPFの内部ルートのみを再配送する
    • {external 1}OSPFのASが持つ、外部メトリックタイプ1のルートのみを再配送する
    • {external 2}OSPFのASが持つ、外部メトリックタイプ2のルートのみを再配送する
  • metric ・・・シードメトリックを指定(帯域幅、遅延、信頼性、負荷、MTU)省略した場合デフォルトが無限大のため到達不能とされそのルートは使用できない(staticとconnectedの場合は不要)
  • route-map ・・・ルートマップを使用
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コマンド:RIPへの再配送

Router(config)#router rip
Router(config-router)#redistribute {プロトコル} [match {条件}] [metric {値}] [route-map {マップ名}]
  • プロトコル ・・・再配送元になる「EIGRP {AS番号}」や「OSPF {プロセスID}」などのプロトコルを指定
  • match ・・・再配送する経路を選択(プロトコルにOSPFを指定した場合に使用可能なオプション)
    • {internal}OSPFの内部ルートのみを再配送する
    • {external 1}OSPFのASが持つ、外部メトリックタイプ1のルートのみを再配送する
    • {external 2}OSPFのASが持つ、外部メトリックタイプ2のルートのみを再配送する
  • metric ・・・シードメトリックを指定。省略した場合デフォルトが無限大のため到達不能とされそのルートは使用できない(staticとconnectedの場合は不要)
  • route-map ・・・ルートマップを使用
  • Router(config-router)#input-queue {キューサイズ}
  • キューサイズ・・・ルータがルーティングテーブルに情報を登録するまでに保持できるルーティングアップデートの情報量。0~1024の間で指定可能。(再配送が行われるルータ間で処理能力に違いがある場合に設定する)
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コマンド:BGPへの再配送

Router(config)#router bgp {AS番号}
Router(config-router)#redistribute {プロトコル} [match {条件}] [metric {値}] [route-map {マップ名}]
  • プロトコル ・・・再配送元になる「EIGRP {AS番号}」や「OSPF {プロセスID}」や「static」や「connected」などを指定
  • match ・・・再配送する経路を選択(プロトコルにOSPFを指定した場合に使用可能なオプション)
    • {internal}OSPFの内部ルートのみを再配送する
    • {external 1}OSPFのASが持つ、外部メトリックタイプ1のルートのみを再配送する
    • {external 2}OSPFのASが持つ、外部メトリックタイプ2のルートのみを再配送する
  • metric ・・・シードメトリックを指定(IGPのメトリックをそのままMEDにする)
  • route-map ・・・ルートマップを使用
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コマンド:すべての再配送元で共通のメトリックを使用する設定

Router(config)#router {プロトコル}
Router(config-router)#default-metric {値}
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コマンド:再配送用のルートマップの設定

(config)#route-map {マップ名} [permit | deny] [シーケンス番号]
(config-router-map)#match {条件}
(config-router-map)#set {動作}
  • マップ名 ・・・任意の名前を入力
  • permit ・・・経路情報の再配送を行う
  • deny ・・・経路情報の再配送を行わない
  • シーケンス番号 ・・・ルートマップの処理を行う順番(若い番号から順に処理される)
  • match ip address {ACL}・・・一致条件にACL番号またはACL名を使用する
  • match ip address prefix-list {リスト名}・・・一致条件にプレフィックスリストを使用する
  • match length {最小値} {最大値} ・・・一致条件にL3のパケット長を使用する
  • match route-type {internal | external}・・・一致条件にルートタイプを使用する
  • match tag ・・・一致条件にタグを使用する
  • set metric ・・・「match」に一致した経路情報のメトリックを変更する
  • set metric-type {internal | external | type-1 | type-2} ・・・「match」に一致した経路情報のルートタイプを変更する
  • set tag ・・・「match」に一致した経路情報にタグを付ける
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ルーティングテーブルに表示される主なコード

Codes 説明
C 直接接続しているネットワーク
S スタティックルーティングで設定した経路
R RIPで学習した経路
G BGPで学習した経路
D EIGRPで学習した経路
D EX EIGRPで再配送された経路
O OSPFで学習したエリア内の経路(LSA1・2)
O IA OSPFで学習したエリア間の経路(LSA3・4)
O E1 OSPFにメトリックタイプ1で再配送された経路(LSA5)
O E2 OSPFにメトリックタイプ2で再配送された経路(LSA5)
O N1 OSPFにメトリックタイプ1で再配送された経路(LSA7)
O N2 OSPFにメトリックタイプ2で再配送された経路(LSA7)
* デフォルトルートとなる経路
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デフォルトシードメトリック

ルーティングプロトコル デフォルトシードメトリック
RIP 無限大
IGRP/EIGRP 無限大
OSPF 20(BGPからの再配送の場合は1)
BGP IGPのメトリックをそのままMEDにする
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コマンド:特定の経路のAD値変更

(config)#router {ルーティングプロトコル}
(config-router)#distance {AD値} [IPアドレス {ワイルドカードマスク}] [ACL]
  • AD値・・・経路に設定するAD値(1~255)
  • 送信元IPアドレス・・・経路の情報元のIPアドレスを指定。一致した場合、指定したAD値に変更する
  • ACL・・・ACL番号またはACL名を指定。permitに一致した場合、指定したAD値に変更する
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コマンド:EIGRPのAD値変更

(config-router)#distance eigrp {内部EIGRP AD値} {外部EIGRP AD値}
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コマンド:OSPFのAD値変更

(config-router)#distance ospf {external 外部ルート AD値 | inter-area エリア間ルート AD値 | intra-area エリア内ルート AD値 }
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再配送の主な注意点

  • ルーティングループが発生しないように注意が必要
  • RIPやEIGRPに再配送するにはシードメトリックの設定が必要
  • OSPFに再配送されるのはデフォルトでサブネット化されていないルートだけ
  • OSPFからBGPに再配送されるのはデフォルトでエリア内ルートとエリア間ルートだけ
このスクラップは2024/03/11にクローズされました