2024 AWS All Certifications Engineersへの道
Contents
- AWS All Certifications Engineers って?
- 申し込みについて
- AWS All Certifications Engineers に挑戦したきっかけ
- 12冠までの道のり
- 認定試験の難易度
- Specialty 認定への感想
- これから取得する人へのおすすめの学習リソース
- さいごに
AWS All Certifications Engineers って?
これは、2020 年に開始した日本独自の表彰プログラムです。APN に所属する社員に対して、指定された AWS 認定資格をすべて取得している場合に表彰されます。
認定者数は、2020 年は 14 名、2021 年は 91 名、2022 年は 340 名、2023 年は 579 名、2024 年は 1,222 名です。
年々増加しておりますので、2025 年は 2,000 人を超えてしまうのではないでしょうか。
申し込みについて
まず、クライテリアのお知らせがあり、その後に申し込み受付開始が告知されます。
申し込みサイトのお知らせの前に、Credlyのデジタルバッジのシェア設定ができているか確認しておくと、申し込みがスムーズに実施できます。
2024 Japan AWS All Certifications Engineers クライテリアのお知らせ
2024 Japan AWS All Certifications Engineers 申し込みサイトのお知らせ
AWS All Certifications Engineers に挑戦したきっかけ
2023 年 12 月に所属する会社が APN の認定を受けたことがきっかけです。
Japan AWS All Certifications Engineers になるには、AWS Partner Network (APN) に参加している会社に所属している必要があります。そのため、それまではこの認定の存在すら把握していませんでした。
APN 認定を知ったときには、Specialty を1つも保持していない状態でしたが、なんか かっこよさそう! ということで間に合ったらいいな、程度の軽い気持ちで認定を目指しました。
それに、APN 認定直後の今なら、社内で All Certifications Engineers 認定第一号が狙える!
12冠までの道のり
AWS 認定資格を取ろうと思ったきっかけ
All Certifications Engineers に関係なく、AWS 認定資格を取ろうと思い始めたのは 2022 年です。それまでいくつかの AWS 案件をこなしていてある程度のノウハウがありました。
組織の課題として AWS 技術者を増やしていかなければならないというものがありました。何よりも、私1人ではいつか限界がきます。育成していかなければなりません。これを解決するための施策として、勉強会を企画しました。勉強会をするにあたって、私自身の知識証明という意味で資格を目指しました。
資格を取る価値についてはいろいろな意見がありますが、無冠よりは説得力がありますし、最終的に12冠ともなれば注目度は高いはず、と考えました。
最終的な取得スケジュール
最後はかなり駆け足で取得しました。
① スタートダッシュ期
ちょうど Associate50%OFFキャンペーン
があったので、「AWS Certified Solutions Architect - Associate」から受けました。
- AWS Certified Solutions Architect - Associate
- AWS Certified Solutions Architect - Professional
- AWS Certified Cloud Practitioner
② 停滞期
「AWS Certified Solutions Architect - Professional」を取得して、かなり満足感が出た時期です。再開するまでに、2か月くらい間があきます。さらにそれぞれが1~2か月の間隔で取得していきます。3つすべて取得した時点で 2023 年 5 月末でした。
- AWS Certified Developer - Associate
- AWS Certified SysOps Administrator - Associate
- AWS Certified DevOps Engineer - Professional
そして、Associate と Professional を取ったことで、2回目の満足感が出てしまい、何もしない期間が始まります(計画的にやっていればあとで苦労しなかった!)。このまま12月まで時間が過ぎてしまいます。
③ やる気 MAX 期
2023 年 12 月の中旬頃、所属する会社が APN 認定を受けたということを知ったところから怒涛の取得ラッシュです。
APN 認定を受けた企業に所属していると「AWS All Certifications Engineers(→2024 年はこちら)」に応募できます。
というわけで、再び頑張ろうと思いました。
- MLS: AWS Certified Machine Learning – Specialty
- DBS: AWS Certified Database - Specialty
- DAS: AWS Certified Data Analytics - Specialty
- ANS: AWS Certified Advanced Networking – Specialty
- SCS: AWS Certified Security - Specialty
- PAS: AWS Certified SAP on AWS – Specialty
残り3か月という追い詰められた緊張感がよかったのか、すべて一発合格でなんとか間に合いました。前半の SCS、DBS、DAS までが調子よく合格できたことで、あと3つならいける!!という思い込みによってモチベーションの爆上がりが良い結果につながりました。
しかし、以下の注意点があります。
3月は試験会場の受験予約枠の空きが想像よりも少ないので、前もって受験することをおすすめします。
ギリギリのスケジュールはおすすめできません。
再受験は14日空けないといけないので、予約できずに最悪間に合わなくなります。
認定試験の難易度
それぞれの難易度分析のような記事は検索すればいくらでも出てきますので、私の点数を高得点順に並べると次のとおりでした。
試験実施時間と勉強時間も目安で載せておきます。基本的にゆっくり見直ししていたので、「🔥 ギリギリ」以外は時間的に余裕がありました。
順位 | 略称 | 認定資格名 | 試験実施時間 | 勉強時間 |
---|---|---|---|---|
1 | PAS | AWS Certified SAP on AWS – Specialty | 1時間程度 | 20 時間 |
2 | CLF | AWS Certified Cloud Practitioner | 1時間程度 | 1 時間 |
3 | SAA | AWS Certified Solutions Architect - Associate | 2時間以内 | 20 時間 |
4 | DVA | AWS Certified Developer - Associate | 2時間以内 | 20 時間 |
5 | MLS | AWS Certified Machine Learning – Specialty | 2時間以内 | 20 時間 |
6 | DBS | AWS Certified Database - Specialty | 2時間以内 | 20 時間 |
7 | SAP | AWS Certified Solutions Architect - Professional | 🔥 ギリギリ | 🔥50 時間 |
8 | DAS | AWS Certified Data Analytics - Specialty | 2時間以内 | 20 時間 |
9 | SOA | AWS Certified SysOps Administrator - Associate | 2時間以内 | 30 時間 |
10 | ANS | AWS Certified Advanced Networking – Specialty | 🔥 ギリギリ | 30 時間 |
11 | DOP | AWS Certified DevOps Engineer - Professional | 2時間以内 | 30 時間 |
12 | SCS | AWS Certified Security - Specialty | 2時間以内 | 🔥40 時間 |
取得した順番は、
SAA-C02 > SAP-C01 > CLF-C01 > DVA-C01 > SOA-C02 > DOP-C02
SCS-C02 > DBS-C01 > DAS-C01 > ANS-C01 > MLS-C01 > PAS-C01
Specialty 認定への感想
SCS: Security - Specialty
Specialty のなかでは実務でかなり有用な内容です。ステップアップするためにも最初か、DBS の次に取得しておくことをおすすめします。内容の難易度もそれほど高くないと感じました。セキュリティは奥が深いので深堀りしすぎると勉強が発散してしまうので、まずは試験範囲と割り切って、そのあとに深堀りしていけばよいです。
12資格のうち点数が一番低かった理由は、実務での経験がほかに比べると少ないことが理解度に表れていると考えます。
DBS: Database - Specialty
データベースサービスはシステム開発では必須なので、1番目か2番目に取得することをおすすめします。試験内容としては、データベースサービスが多数出てきますが、それぞれの違いを理解していれば問題ないです。
実務で関連するサービスを使用していれば理解しやすい試験と言えます。
DAS: Data Analytics - Specialty
データ分析基盤で使われるサービス、特に kinesis を理解していなければなりません。
kinesis は連携できる AWS サービスが多いため次のような点を理解する必要があります。
- Data Streams でできることと、Firehose でできることの違い
- データのフォーマット
- リアルタイムなら何を選択するか
- 準リアルタイムなら何を選択するか
DBS と同様、実務で関連するサービスを使用していれば理解しやすい試験と言えます。
2024 年 3 月 12 日から開始された「AWS Certified Data Engineer – Associate (DEA)」が後継に近いと考えます。
ANS: Advanced Networking について
SAP(Solutions Architect - Professional)と同等かそれ以上に難関だと言われています。
SAP に比べると問われている範囲がネットワークに限定されていて狭いですが、問題文と解答の選択肢が SAP と同じくらい長く、日本語を理解するのが SAP より難しいってことが難易度を底上げしていると思っています。構成図で書けば一発で理解できそうなものがあるのに、全部文章で書いてあるから「何言っているの?」状態になります。勉強中は理解していても、長文で書かれると迷います。長文の理解を拒否する自分の頭との闘いです。
実務経験がある場合はそこまで警戒する難易度ではないでしょう。
実務経験に不安がある場合は、Direct Connect 以外は自力でハンズオンできますので、なるべくコンソールで構築してみるのがよいでしょう。Direct Connect、Site-to-Site VPN、Transit Gateway に対して、実際の操作や接続経路をイメージできていない状態では合格は厳ししくなります。
おすすめは、AWS Cloud Questの Network ロールをクリアすることです。ハンズオンのお題が大量に出るので、理解しやすいです。ただし、サブスクリプションで月額課金が必要です。最初の7日は無料なのでそこですべてを終えてしまうことも可能です。無料期間が過ぎた場合はキャンセルするまで自動的に月末までの日割りになります。
私は1週間で以下の6個のロールをクリアして Badge を取得できました。
MLS: Machine Learning
初級~中級者向け本程度の知識はありましたが、最適なアルゴリズムを選択する、ハイパーパラメータを調整する、過学習に対する対応方法などの詳しい知識がない状態で勉強を開始しました。AWS DeepRacerはやったことがあるので、学習させるイメージはありました。勉強期間1週間のうち、最初の3日の9時間くらいは意味がわからなくて苦痛でした。アルゴリズムの種類は覚えられても最適なものがどれかわからない状態です。そういう状態が解消された4日目以降は比較的スムーズに理解が進みました。さらに、AWS Cloud Questで Machine Learning ロールをやっていたのもよかったです。SageMaker の操作がすぐにイメージできました。
試験も、Specialty のなかでは日本語が一番わかりやすく、終わった瞬間合格を確信するほどでした。
PAS: SAP on AWS – Specialty
これは、Specialty のなかで一番簡単だと感じました。SAP の用語とサーバーの構成さえ理解してしまえば、SAA と SAP の知識で基本的には回答できます。
問題点といえば、「SAP Note 2327159」という番号がついた「SAP Note」というものが存在します。これらにはサポートを受ける条件だったり、推奨するインスタンスやサポートするデータベースなどのさまざまな情報が載っています。これを参照するには、SAP の ID が必要になります。これは業務利用でもしていない限り取得できません。一般的に公表されていないため、問題集などで「SAP Note 2327159」に書いてあるという解説を読んで覚えるしかありません。
これから取得する人へのおすすめの学習リソース
- 王道学習リソース
- AWS Black Belt Online Seminar
- AWS Skill Builder
- AWS ハンズオン資料
- 個人的オススメ
- AWS Cloud Quest
- 知識問題のほかに課題解決型のハンズオンも多数あるのでおすすめ!
- 個人の AWS 環境を汚さずに試せる
- 要サブスクリプション($29/月)、7日間の無料期間あり
- AWS Cloud Quest
そのほか、イベントには常に参加しておくことで、知識がどんどん溜まっていきます。はじめはわからなくても参加しておけば、実際に勉強するときに「あ、これは聞いたことあるな」となって理解が早まります。
さいごに
試験会場でもらえるホワイトボードは使いどころがわからず、いつも未使用で返却しています。
みなさんはどのような使い方をしているのでしょうか。
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