Claude Desktopで開発環境の構築を自動化する

2025/03/05に公開

新しいライブラリを試すための環境構築の自動化

新しいライブラリやフレームワークを試したい時に、READMEを勝手に見に行って必要な環境を自動で作ってくれるAIエージェントを作った。

背景

  • サンプルプロジェクトで新しいライブラリを試しに触る場合、Windsurfなどのエディタを起動する前に先に環境を作っておく必要がある
  • 環境を作るためにディレクトリを作成し、READMEを読んで初期化コマンドを実行する作業は意外とめんどくさい。この心理的コストが新しいツールを試す障壁になっている

Claude Desktop + MCPで自動化する

以下の2つの機能を組み合わせてサクッと作る。

  1. プロジェクト機能(Claude Proプラン):特定のワークフローに特化したチャットができるように、ドキュメントや指示を事前設定
  2. MCPサーバー連携:Claudeからターミナルコマンド実行やWeb検索を実行できるようにする

プロジェクト機能の活用

Claude Proプランでは、特定目的に特化したコンテキストを与えられる。

今回のケースでは以下のような指示をプロジェクトに設定する。(スコープが明示されているので、質問が多少雑でもゴールに向かって突き進んでくれる)

# プロトタイプスターター

## スコープ
- プロトタイプを行うための必要最低限の環境を作り、Windsurfで開くことがゴール
- READMEが渡された際、初期化コマンドがあれば実行
- コード自体は書かなくてOK

## 環境の作り方 
- TypeScriptの場合:pnpm、Viteを使用
- Pythonの場合:uvを使用

## ディレクトリ作成ルール
1. プロジェクト初期化コマンドでディレクトリ指定が必要な場合:対象ディレクトリに移動してコマンド実行
2. それ以外の場合:mkdirでプロジェクトディレクトリを作成

MCPサーバー連携

以下の二つのMCPサーバーを登録:

  • Fetch:Web検索
  • iTerm MCP:iTerm経由でコマンドを実行

この二つがあればREADMEを見てコマンドを把握しそれを実行するというフローが組める。

設定ファイルはこんな感じ。(uvxとnpxは絶対パスを指定する必要があるので注意)

{
  "mcpServers": {
    "fetch": {
      "command": "uvx",
      "args": ["mcp-server-fetch"]
    },
    "iterm": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "-y",
        "iterm-mcp"
      ]
    }
  }
}

実際の動作例

mastraのGitHubリンクを投げると:

  1. Fetchで情報収集
  2. ターミナルで適切なコマンドを実行(npx create-mastra@latest
  3. 対話的な質問にも自動で回答
  4. 完了するとWindsurfが立ち上がる

mastra
windsurf

リンクを投げてからWindsurfが立ち上がるまでに5~10分くらいはかかった印象。ただのんびりシュークリームを食べながら眺めていたら終わったのでありがたい。

まとめ

Claude 3.7、MCP、プロジェクト機能を組み合わせるだけで、自分専用の簡単なエージェントはサクッと作れた。

プロダクトレベルのAIエージェント開発には多くの作り込みが必要だが、個人用途なら数分で十分実用的なエージェントが作れそう。

ispec inc.

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