2024 Japan AWS Top Engineersになるためにやったことの全記録
2024 Japan AWS Top Engineers が発表されました。ありがたいことに受賞させていただくことができましたので、ここにその記録を残しておきます。ひとつの指標として、目指してる人の参考になればと思います。
選考基準
私がやったことを知っていただく前に選考基準(クライテリア) を正確に把握しておいたほうが、より理解が深まるので前述しておきます。
クライテリア
毎年 12 月頃にクライテリアが発表されます。必ずチェックしましょう。
下記の記事は 2023 年のものですが、クライテリアをできるだけ紐解いて何が必要かを明示しているので、参考にしてみてください。
近年では競争力も高まっているようなので、高度な AWS 案件に関われてる場合でも別途アウトプットをしておくほうがベターです。
審査講評
昨年度の審査講評を把握しておくことも大事です。クライテリアの中で何が重要視されてるのかというのが把握できます。
下記にて重要な箇所を引用しておきます。
パブリックコントリビューション
パブリックコントリビューションは引き続き重要な位置づけであることは変わりません。実際に多くの方がパブリックコントリビューションについての記載を含めており、高度かつオリジナリティのある内容が高く評価されました。
技術リードとしての活動
中級・上級レベルの育成が高く評価され、勉強会の企画のみならず、ご自身が登壇される場合も高く評価させて頂きました。また、社内コミュニティなどで技術的な情報の共有、質問への回答、支援を行っている場合にも高評価の対象となりました。
案件対応力(案件対応・ソリューション公開・AWS Well-Architected レビュー)
どのような役割・立場で関わっておられるのか、技術的な複雑性があるのかを中心に評価致しました。案件の概要と実施内容のみが記載されている場合や、単純なリフト案件としての記載では、高評価につながりませんでした。一方で、課題とそれに対する高度な技術的解決方法が記載されている場合は、高評価となりました。
その他、 AWS ビジネスに貢献した技術的な活動
AWS プログラム (コンピテンシー取得等) に対する貢献や、社内外でのコミュニティーにおけるリーダシップの発揮、社内の技術的な支援活動など、直接的または間接的に AWS ビジネスへの貢献につながる活動を高く評価致しました。
やったこと(書いたこと)
パブリックコントリビューション
書籍
Zenn Books に 2 冊かいて、そのうち 1 冊は技術書典に出しました。Zenn Books はそこまでですが、技術書典では予想以上に購入いただけました。
外部登壇:6 本
まずは jaws 系(AWS コミュニティ) からはじめて、手当たり次第外部で出させてもらえる場所を探して、登壇させていただきました。時間は 1 本 10 ~ 20 分程度です。(登壇資料は必ず Speaker Deck などにアップしておきましょう)
ブログ:7 件
本を作る過程での検証記事を Qiita で書きました。View 数も評価基準になっているという噂もあるので、 単純に View 数を求めるなら Qiita で書くのが現状ベストです。
技術リード
グループ会社向けの登壇(IaC)
案件で構築した環境の標準化と勉強会(CICD と Terraform)
社内での新 LT 会発足
案件対応
マイグレーション案件:半年
よくあるオンプレからの移行をやりました。AWS を Terraform で構築、アプリもインフラも全部 Code シリーズを使った CICD を導入しました。アカウントは開発/商用の 2 つで、AWS リソースは 700 程度ありました。
セキュリティ診断:3 か月
データレイク環境の運用にて、3 つの AWS アカウントで Tenable 診断の対処しました。
OSアップグレード:1 年
同じくデータレイク環境の運用で、 OS アップグレードの PM を担当しました。構築開始まではメインで担当して、構築後はサポート的な感じでした。
ビジネス貢献
ワークショップ
参加者と技術を高め合うという名目で記述しました。記録としてブログにするほどでもないものは Zenn の Scraps に記録しておきました。
- Well-Arch-Minibootcamp:2 回
- GameDay:2 回
サーバレス ハンズオン記事まとめ
コミュニティや SNS での AWS 活動促進
イベントや SNS での活動。技術記事にならないものは Zenn に書いていたので、ここに記載しました。
補足
スケジュール
上記の活動をわかりやすく、年間のスケジュールにしてみました。色はアウトプットのネタとアウトプット自体が関連していること表しています。大枠としてはネタを作ってアウトプットを繰り返すという感じでよいかと思います。私はこの繰り返しを年間で大きく 2 回やりましたが、これはネタがたまるなら、数は大きくても小さくてもよいです。
応募時の文章
案件対応以外は GitHub に公開しておきます。参考にしてください。
2025 年はどうなるか
過去3年の傾向を読み解くと、2025 年も変わらず応募の増加と内容の高度化が予想できそうです。つまり、2024 年よりもハードルが上がるだろうということになります。
さいごに
挑戦してみないことには始まらないので、気になる人はぜひ挑戦してみましょう。結果はどうあれ、その挑戦の過程が楽しかったりします。
会社でおかれてる状況によっては案件が高度でなかったり、登壇の機会が与えられないというパターンはよくあると思います。これは自主的なアウトプット用のネタ作りと Connpass を中心とした情報収集からの行動やアウトプットで、選考の土俵に上がることができるはずです。Top Engineer は目指してみたいけど、処遇的にチャンスがないから...という思考にはならずに、やれることはやってみましょう。私自身、とにかくできることは全部やりました。
そしてもし選ばれることができたら、ふさわしい活動を継続しましょう。Top Engineer 専用のイベントもあったりするので、積極的に参加すればこの称号を楽しむことができるはずです。
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