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MAMORIOアプリにGPT-4のAIチャットを導入したら問い合わせの34%を置き換えることに成功した

2024/05/22に公開

はじめに

MAMORIOは紛失防止タグを提供する企業として多くのユーザーから問い合わせを受けています。
その中で、より迅速かつ効率的なサポートを24時間提供するために、OpenAIの大規模言語モデル(LLM)であるgpt-4を用いたAI応答機能をチャットサポートを2024年4月に導入しました。
その結果、月額数千円程度のコストで問い合わせの34.4%をAIに置き換えることに成功しました。

AI応答機能導入の背景

https://zenn.dev/iototaku/articles/50c3921d941f79

これまでMAMORIOの問い合わせ対応はすべて人間のスタッフが行っていたのですが、業務時間外の問い合わせ対応が困難であり、ユーザーの待ち時間が発生するという課題がありました。そこで、24時間対応を実現し、ユーザー満足度を向上させるためにAI応答機能を導入することを決定しました。

MAMORIOのAIサポートシステムは、ユーザーから質問されるたびにAIが質問を抽象化して検索ワードに変換しカスタマーサポートチームが作成したFAQとユーザーのデータを検索して応答する仕組みにすることにしました。

AIはどのように応答しているか?

AIチャットサポートの導入前にはAIの誤った回答に対する悪感情を懸念していましたが、「誤回答のリスクはあるが24時間即答できる」というAIチャットのメリットとデメリットを明記したところ、AI導入以後もユーザーの満足度は低下しませんでした。

また、内容や問い合わせが行われた時間を比較した結果、AIには業務時間外に機能に関する質問が多く寄せられる一方でハードウェアの初期不良に関する問い合わせはほぼ人間のオペレーターに集中するという棲み分けがなされていることが明らかになりました。

このことからサービスに慣れていなかったり購入資金が無駄になってしまうリスクが大きい時には人間が求められ、ある程度使い慣れてから抱いた疑問や応用的な操作については即応性に優れるAIが求めらるという一般則が存在する可能性が示されました。

応対者 時間帯 多い内容
オペレーター 業務時間内(平日10〜19時) ハードウェアの初期不良
AI 業務時間外 機能や仕様に関する質問、精度やプライバシーに関して不安なこと

AI応答機能の導入効果と今後の展望

MAMORIOがAI応答機能を導入した結果、以下のような効果が得られました。

  • 24時間365日のサポート体制が実現し、ユーザーの問い合わせに平均30分以内に初回応答ができるようになりました。
  • AIによる自動応答率が34.4%に達し、サポートの効率化と人的コストの削減を実現しました。
  • ユーザー満足度調査の結果、AI応答機能の導入後も満足度は95%以上を維持しています。

AIは人間の対応に比べ、40分の1以下のコストで24時間レファレンスを参照し知的な応答をすることができるという大きな強みがあります。また、今回の導入後の計測により、ユーザーからも好意的に受け入れられ、既存のサポートタスクの一部をAIが担うことで効率化できるポテンシャルが明らかになりました。

これらの結果を受け、MAMORIOでは以下の2つの観点から、AI応答機能のさらなる改善に取り組んでいきます。

  1. 応答品質の向上
    AIの応答内容を定期的に分析し、適切な回答ができていなかったケースやコストの無駄遣いがあったケースについては、プロンプトの改良やナレッジベースの充実を図ります。

  1. AIヒット率の向上
    既存のKPIである初動対応時間とユーザー満足度に加え、AIが応答を行った割合(AIヒット率)も新たなKPIとして設定することを検討しています。AIにはまだ改善の余地がありますが、低コストと即応性という大きなメリットがあります。品質を維持しつつAIヒット率を上げることで、さらなる効率化と満足度の向上を目指します。

MAMORIOは、AI応答機能の導入により、ユーザーサポートの効率化と品質向上を両立できる可能性を見出しました。今後も、AI技術の活用とカスタマーサポートチームの知見を融合させ、ユーザーにとってより良いサポート体験を提供していきます。

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