1NCEの月額固定費ゼロのIoT向けSIMと1万2000円の中国製車載IoTゲートウェイでできることを検証してみた
1NCEが提供しているSIMカードは初期費用2000円で500MBの通信容量が与えられ以後10年間一切の月額固定費を支払う必要がないという料金体系になっています。
つまり、通信量を減らせば減らすほど1ヶ月あたりの通信コストが限りなくゼロに近づきます。
1NCEの追加費用は500MBごとに2000円ですので一般的なIoT向けの容量無制限SIMを契約した方がお得ですが、100MBの損益分岐点を下回るとコストパフォーマンスが逆転するのは大変魅力的です。
では、月額50円を下回る10MB以下の通信でどのようなことができるのでしょうか?
実験
中国製の車載IoTゲートウェイで1秒に1回MQTTサーバーに位置情報とBluetoothスキャンの結果を送り続け、何日程度で500MBの枠を使い切るかを確かめてみます。
周囲には常に10〜20個のBluetooth製品(PC、スマートフォン、イヤホン、落とし物防止タグ、スマートウォッチ...etc)がある状態です。
1秒に1回の頻度で位置情報を送信することで移動経路をかなり細かく取得することができます。
1NCEは管理コンソールから通信量や稼働状況を確認することができ、通信量を使い切った際にチャージを行うこともできます。
結果
約15日で500MBの通信量を使いきりました。
考察
今回は1秒に1回の頻度で位置情報と周囲のすべてのBluetoothアドバタイズをサーバーに送信し続けるという極端なケースで実験を行いましたが、keepaliveで月に1MBの通信量が発生する仮定しても頻度を10分の1にすることで容量無制限のSIMのコストパフォーマンスを上回ることができます。
もちろん用途をGPSのみや特定のBluetooth端末の監視に絞ることで同様のコストパフォーマンスを維持しつつ頻度を上げることも可能です。
精密機器の制御やスポーツなどのリアルタイムのデータ送信には使用すべきではありませんが、死活監視や地図上でのモノの位置の把握、必要な時にだけ遠隔から端末の操作を行うなどの用途ではほぼ月額0円でのインターネット通信を実現できそうです。
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