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[SAA-C03対策講座]AWS認定資格の種類
はじめに
AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03)の対策をするまえに、2024年8月時点でAWSが提供している試験について解説します。
(あくまでも個人的な見解・意見なので、その点はご了承ください)
入門(Foundational)
AWS Certified Cloud Practitioner
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
クラウドの基礎知識を持ち、AWS クラウドの概念を理解している方 - 試験概要
AWS クラウドの基礎知識、主要なサービス、セキュリティ、料金、サポートなどを問う - 個人的意見
非エンジニア・もしくはエンジニアを目指す方向けの資格。
入門とは表記しているが、この試験範囲を覚えたところでエンジニアが実務で構築や設計が
できるか、と言われれば、疑問が残る。
あまりにも内容が浅いため、一部では、『取得しても履歴書に書かないほうが良い』とさえ
言われている。
AWS Certified AI Practitioner(ベータ版)
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AI、機械学習、ディープラーニングの基礎知識があり、AWSのAIサービスを理解している方 - 試験概要
AI、機械学習、ディープラーニングの基本概念、AWSのAIサービス
(Rekognition, Comprehend, Lexなど)、ユースケースなどを問う - 個人的意見
AIの基礎知識とAWSのAIサービスに関する理解度を証明できる資格。
AIの専門家でなくても取得できるため、AI活用に関わる様々な職種の方にオススメ。
ただし、AIに関する基礎知識は必要となるため、G検定やAIパスポートなどで基礎固めの
あとに取得すると良い。
アソシエイト(Associate)
AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03)
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWSでスケーラブルなシステムを設計およびデプロイするための知識を持つ方 - 試験概要
AWSサービスの選択、コスト効率の良いアーキテクチャ設計、セキュリティ、
パフォーマンス、耐障害性などを問う - 個人的意見
なんとなくエンジニア同士の会話が理解できるレベル。
単語の意味・構成の大枠など。履歴書には書いてよいが、決してドヤ顔はできない。
AWS Certified Developer – Associate
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWS でアプリケーションを開発および保守するための知識を持つ開発者 - 試験概要
AWS SDK を使用したアプリケーション開発、デプロイ、セキュリティ、最適化などを問う - 個人的意見
個人的には非常に勉強になった試験。
SAAの知識は前提として持っておかないと内容把握は難しい。
SAA持っていれば不要という意見もあるが、デプロイやCI/CDについて改めて学ぶ
良い機会になると考える。
AWS Certified SysOps Administrator – Associate
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWSでシステム運用および保守するための知識を持つシステム管理者 - 試験概要
AWS でのデプロイ、モニタリング、セキュリティ、トラブルシューティングなどを問う - 個人的意見
個人的には非常に勉強になった試験。
SAAの知識は前提として持っておかないと内容把握は難しい。
監視運用などの会社を目指しているのであればSAA+SysOpeのセットは
加算ポイントとなる(かも)。
AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate(ベータ版)
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
機械学習の経験が1年以上あり、AWS上で機械学習ソリューションを設計、
構築、デプロイできる方 - 試験概要
機械学習の基礎知識、AWSの機械学習サービス(SageMakerなど)、データ処理、モデルの
トレーニングと評価、デプロイと運用などを問う - 個人的意見
機械学習エンジニアとしてのスキルを証明できる資格。
合格すれば、AWS上で機械学習ソリューションを構築できる実力をアピールできる。
ただし、機械学習とAWSの両方の知識が必要なため、難易度が高い。
AWS Certified Data Engineer - Associate
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
データウェアハウスやデータレイクなどの設計、構築、運用経験が1年以上ある方 - 試験概要
データ収集、格納、処理、分析のためのAWSサービス(Redshift, EMR, Kinesisなど)、
データモデリング、セキュリティなどを問う - 個人的意見
データエンジニアとしてのスキルを証明できる資格。
合格すれば、AWS上で大規模なデータ基盤を構築・運用できる実力をアピールできる。
ただし、データ処理に関する幅広い知識が必要なため、難易度が高い。
プロフェッショナル
AWS Certified Solutions Architect – Professional
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
複雑な分散システムをAWSで設計、デプロイ、管理するための高度な知識と経験を持つ方 - 試験概要
可用性、パフォーマンス、セキュリティ、コスト効率などを考慮した高度なアーキテクチャ
設計能力を問う - 個人的意見
範囲が広いし難しい。上流工程の設計を数年こなしているテックリードでも準備しないと
不合格になるレベル。
問題文と選択肢が長いため、2時間〜3時間集中できるだけの体力・精神力も必要。
AWS Certified DevOps Engineer – Professional
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWS 環境での継続的デリバリー、自動化、モニタリング、ロギング、セキュリティなどを
管理するための高度な知識と経験を持つDevOpsエンジニア - 試験概要
AWS での DevOps 手法、ツール、ベストプラクティスなどを問う - 個人的意見
開発をメインで対応し、テックリードを目指すのであれば持っておいて損は無い資格。
SAP所有が前提となる範囲なので、SAPを先に取得するのが良い。
専門(エキスパート)
AWS Certified Advanced Networking – Specialty
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWS で複雑なネットワーキングソリューションを設計、実装、および
トラブルシューティングするための高度な知識と経験を持つネットワークスペシャリスト - 試験概要
VPC、ハイブリッド接続、ルーティング、セキュリティ、ネットワーク最適化などを問う。 - 個人的意見
エンタープライズレベルのシステムを構築するために必要とされる知識が試験範囲となる。
もともとネットワークに対しての知見があればその延長で回答できる問題が多いと
感じる。
エンタープライズレベルのwebシステムを設計構築する大手SIerやコンサルファームがこの
資格を評価しがち。
中小の開発会社はそもそもエンタープライズレベルのwebシステム開発の受注数が少ないため
この資格で得れる知識を十分に活かす場面に出会いづらいという側面がある。
AWS Certified Security – Specialty
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWSで安全な環境を設計、実装、および管理するための高度な知識と経験を持つ
セキュリティスペシャリスト - 試験概要
IAM、データ保護、インフラストラクチャセキュリティ、インシデント対応などを問う - 個人的意見
システムの規模を問わずセキュリティについては必ず考慮すべき必要がある。
そのため、この資格は中小零細企業から大手SIerまで一定の評価が得れる傾向あり。
一般的なセキュリティリテラシーの延長で回答できる質問もあるため、エキスパート
試験のなかではとっかかりやすい部類に入る。
AWS Certified Machine Learning – Specialty
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWSで機械学習ソリューションを設計、実装、および保守するための高度な知識と経験を
持つ機械学習スペシャリスト - 試験概要
データエンジニアリング、探索的データ分析、モデリング、機械学習実装、運用などを問う - 個人的意見
昨今注目をあつめる資格。
AWSで機械学習を実装するために必要なサービスの組み合わせや、設定についての知識を
問われる試験。
Pythonなどで機械学習の経験がある方であれば、そこまでストレスなく学習を進めることが
可能だが、機械学習などに一切触れてこなかった方には相当ハードルが高い。
廃止になった資格
AWS Certified Database – Specialty
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWSで最適なデータベースソリューションを選択、設計、および管理するための高度な知識と
経験を持つデータベーススペシャリスト - 試験概要
RDS、DynamoDB、Redshift、Aurora、データベース設計、移行、セキュリティなどを問う - 個人的意見
ネットワーク同様にエンタープライズクラスのシステムにも対応できるようなDB設計を行う
範囲の知識が問われる。
『そこまで大きな規模のシステムは扱わない』ということであれば、無理に取得せずOracleや
MicrosoftのDB系資格を取得するのが良い。
AWS Certified Data Analytics – Specialty
- 日本語受験
可能 - 受験対象者
AWSでデータ分析ソリューションを設計、構築、保護、および管理するための高度な
知識と経験を持つデータ分析スペシャリスト - 試験概要
データ収集、ストレージ、処理、分析、可視化などを問う - 個人的意見
AWS上で、データアナリティクスを行うために必要な設計や設定、ITサービスの組み合わせ
などを問われる試験。
数学的なセンスも求められる試験範囲となるため、高校レベルの数学が理解できていない方
にはハードルが高い。
個人的にはAWS試験のなかで一番難しいのではないのか?と捉えている。
まとめ
ベンダーが提供している資格については、賛否あります。
資格不要論をとなえるベテランエンジニアがいる一方で、資格取得を強く推奨する経営者がいたり、両者の意見はそれなりに納得できるものです。
資格の目的は、『一定レベルの知識を理解していることの証明』であるため、全く不要というわけではないと思いますが、資格を持っているだけでドヤ顔をするのもいかがなものかと思います。
また、資格コレクターのように、『XXX系資格をコンプリートして市場価値を高めよう』というのも本末転倒です。(労力にたいして、そこまで市場価値は上がりません、、、、)
資格取得を目指すうえでは、『自分のストーリーの中で、その資格がどのような役割をもつのか?』ということを自分の言葉で説明できることが重要になります。
資格勉強はそれなりの労力と時間を消費しますので、せっかくの苦労が無駄にならぬよう、自分なりの価値を認識したうえで、適切な資格を選択してみてください。
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