[SAA-C03対策講座]SAAに出てくるITサービス・オプション名称(監視と分析/開発者ツール/コスト管理/アプリケーション統合)
はじめに
AWS Certified Solutions Architect – Associate(以後、SAA)の範囲で出題されるITサービスについて、ざっくり網羅的に説明する試みです。
当記事では、数あるSAA出題範囲のなかから、セキュリティ/アイデンティティ/管理とガバナンスに絞って、解説をしていきます。
セキュリティ/アイデンティティ/管理とガバナンス以外のサービスについては、末尾の関連記事を参考にしてください。
※この記事では、概要レベルでの簡易的な解説になりますので、各項目については個別に理解を深めてください。
監視と分析(監視)
Amazon CloudWatch
サービス概要
Amazon CloudWatchは、AWSリソースとAWS上で実行されるアプリケーションを監視、収集、可視化するためのマネージドサービスです。メトリクス、ログ、イベントなど、さまざまなデータを収集し、分析することで、システム全体の健全性を把握し、パフォーマンスの問題や異常を検知することができます。
関連キーワード
メトリクス
AWSリソースから収集されるデータポイント。CPU使用率、ディスク使用量、ネットワークトラフィックなど、さまざまな種類のメトリクスがあります。CloudWatchでは、これらのメトリクスをグラフ化したり、アラームを設定したりできます。
ログ
アプリケーションやオペレーティングシステムから出力されるテキストデータ。CloudWatch Logsでは、これらのログを収集、保存、検索、分析できます。
イベント
AWSリソースの状態変化を表す通知。CloudWatch Eventsでは、これらのイベントをトリガーとして、他のAWSサービスのアクションを実行できます。
アラーム
メトリクスが特定のしきい値を超えた場合に通知を送信する機能。CloudWatch Alarmsでは、電子メール、SMS、またはAmazon SNSトピックへの通知を設定できます。
ダッシュボード
メトリクスやログを視覚的に表示するカスタマイズ可能なインターフェース。CloudWatch Dashboardsでは、複数のメトリクスやログをまとめて表示し、システム全体の状況を把握できます。
一緒に利用されるサービス
Amazon EC2:仮想サーバーを提供するサービス。CloudWatchは、EC2インスタンスのCPU使用率、ディスク使用量、ネットワークトラフィックなどのメトリクスを収集し、監視できます。
Amazon RDS:リレーショナルデータベースを提供するサービス。CloudWatchは、RDSインスタンスのCPU使用率、ディスク使用量、接続数などのメトリクスを収集し、監視できます。
AWS Lambda:サーバーレスコンピューティングサービス。CloudWatchは、Lambda関数の呼び出し回数、実行時間、エラー率などのメトリクスを収集し、監視できます。
補足
Amazon CloudWatchは、AWS環境の監視と運用に不可欠なサービスであり、その多機能性から、上記以外にもさまざまなAWSサービスと連携して利用されます。例えば、Amazon S3、Amazon DynamoDB、Amazon ElastiCacheなども、CloudWatchと連携してメトリクスを収集し、監視することができます。
開発者ツール(インターフェースとSDK)
AWS CLI (AWS Command Line Interface)
サービス概要
AWS CLIは、AWS の各種サービスをコマンドラインから操作・管理するための強力なツールです。オープンソースであり、Windows、macOS、Linux といった主要なOSに対応しています。AWS CLIを使用することで、AWS マネジメントコンソール上で行うような操作を、コマンドラインから直接実行できます。これにより、スクリプトによる自動化や、より効率的な操作が可能となります。
関連キーワード
コマンド
AWS CLIでは、各AWSサービスに対応したコマンドが用意されています。例えば、EC2インスタンスの作成は aws ec2 run-instances、S3バケットの作成は aws s3 mb のようなコマンドで行います。
オプション
コマンドには、動作を細かく制御するためのオプションを指定できます。例えば、EC2インスタンスを作成する際にインスタンスタイプを指定したり、S3バケットを作成する際にリージョンを指定したりできます。
サブコマンド
一部のコマンドには、さらに詳細な操作を行うためのサブコマンドがあります。例えば、EC2インスタンスの状態を確認する aws ec2 describe-instances コマンドには、特定のインスタンスのみを表示する --instance-ids オプションや、フィルタリングを行う --filters オプションなどがあります。
IAM
AWS CLIを使用するには、IAMユーザーを作成し、適切な権限を付与する必要があります。これにより、各ユーザーがアクセスできるAWSリソースを制御できます。
アクセスキー
AWS CLIを使用するには、アクセスキーIDとシークレットアクセスキーが必要です。これらは、IAMユーザーを作成する際に生成されます。セキュリティのため、シークレットアクセスキーは安全に保管し、他人と共有しないように注意が必要です。
設定ファイル
AWS CLIの設定は、設定ファイル(~/.aws/config と ~/.aws/credentials)に保存されます。デフォルトのリージョン、出力形式、プロファイルなどを設定できます。
シェルスクリプト
AWS CLIのコマンドをシェルスクリプトに組み込むことで、AWSリソースの操作を自動化できます。これにより、繰り返し作業を効率化したり、複雑な操作を簡素化したりできます。
一緒に利用されるサービス
AWS Identity and Access Management (IAM): AWS CLIを使用する際には、IAMユーザーを作成し、適切な権限を割り当てる必要があります。これにより、AWSリソースへのアクセスを制御し、セキュリティを確保できます。
AWS CloudFormation: AWS CLIは、CloudFormationテンプレートを使用してAWSリソースをプロビジョニングする際にも利用されます。これにより、インフラストラクチャのコード化を実現し、再現性と管理性を向上させることができます。
AWS CodePipeline: AWS CLIは、CodePipelineと連携して、CI/CDパイプラインの一部としてAWSリソースのデプロイや設定変更などを自動化するためにも利用されます。
コスト管理(コスト分析)
AWS Cost Explorer
サービス概要
AWS Cost Explorerは、AWSの利用料金を分析し、視覚的に表示するための無料のツールです。AWSの請求情報を基に、様々な切り口でコストの内訳を把握し、コストの傾向を分析することができます。これにより、コストの最適化や予算管理に役立てることができます。
関連キーワード
コスト配分タグ
AWSリソースに割り当てることができるキーと値のペア。コスト配分タグを使用することで、コストをサービス別、プロジェクト別、部門別などに分類し、コストの内訳を詳細に分析することができます。
予約インスタンス (RI)
EC2インスタンスを一定期間(1年または3年)予約することで、大幅な割引を受けることができる料金モデル。Cost Explorerでは、RIの利用状況や節約効果を確認できます。
Savings Plans
EC2、Fargate、Lambdaのコンピューティングサービスを継続的に利用する場合に、利用料金を割引する料金モデル。Cost Explorerでは、Savings Plansの利用状況や節約効果を確認できます。
コスト異常検知
過去の利用パターンに基づいて、異常なコストの増加を検知する機能。コストの急増にいち早く気付き、対応することができます。
予算
毎月のAWS利用料金の上限を設定し、予算超過を通知する機能。予算を設定することで、コスト管理を強化できます。
レポート
コストに関する様々なレポートを作成する機能。レポートを定期的に作成することで、コストの傾向を把握し、分析することができます。
一緒に利用されるサービス
AWS Budgets: AWSの利用料金の上限を設定し、予算超過を通知するサービス。Cost Explorerと連携して、予算の作成や管理を行うことができます。
AWS Cost and Usage Report: AWSの利用料金の詳細な内訳を記録したレポート。Cost Explorerは、このレポートのデータを基にコスト分析を行います。
AWS Organizations: 複数のAWSアカウントを統合管理するサービス。Cost Explorerは、Organizationsと連携して、複数のAWSアカウントのコストを一元的に分析することができます。
AWS Budgets
サービス概要
AWS Budgetsは、AWSの利用料金を計画、監視、管理するためのサービスです。予算を作成し、実際の利用料金と比較することで、コストの管理を容易にし、予算超過を防ぐことができます。予算の作成、アラートの発生、レポートの作成などの機能を提供し、コスト最適化を支援します。
関連キーワード
予算
AWS Budgetsの中核となる概念で、特定の期間におけるAWS利用料金の上限を設定します。予算は、コスト、使用量、またはRI、Savings Plansの利用率に基づいて作成できます。
アラート
実際の利用料金が予算のしきい値に達した場合、または超過した場合に通知を送信します。アラートは、電子メール、SNS通知、またはCloudWatchイベントとして設定できます。これにより、予算超過の可能性を早期に把握し、適切なアクションを取ることができます。
アクション
予算のアラートが発生した場合に自動的に実行されるアクションを設定できます。例えば、EC2インスタンスを停止したり、特定のタグを持つリソースの使用を制限したりすることができます。これにより、予算超過を未然に防ぐことができます。
レポート
予算と実際の利用料金を比較したレポートを作成できます。レポートは、CSV、PDF、またはCost Explorerで表示できます。これにより、コストの傾向を分析し、コスト最適化の機会を特定することができます。
予算タイプ
- コスト予算 → 特定の期間におけるAWS利用料金の上限を設定します。
- 使用量予算 → 特定の期間におけるAWSサービスの使用量の上限を設定します。
- RI利用率予算 → 予約インスタンス(RI)の利用率目標を設定します。
- Savings Plans利用率予算 → Savings Plansの利用率目標を設定します。
一緒に利用されるサービス
AWS Cost Explorer: AWSの利用料金を分析し、視覚的に表示するためのツール。AWS Budgetsと連携して、予算の作成や管理、レポートの確認を行うことができます。
Amazon CloudWatch: AWSリソースとアプリケーションを監視するためのサービス。AWS BudgetsのアラートをCloudWatchイベントとして送信し、他のAWSサービスと連携させることができます。
AWS Lambda: サーバーレスコンピューティングサービス。AWS BudgetsのアラートをトリガーとしてLambda関数を実行し、自動的にアクションを実行することができます。
補足
AWS Budgetsは、AWSのコスト管理において非常に重要なサービスです。予算を作成し、アラートを設定することで、コストの可視化と制御を強化し、予算超過を防ぐことができます。また、レポート機能を活用することで、コストの傾向を分析し、コスト最適化の機会を特定することができます。
アプリケーション統合(メッセージング)
Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS)
サービス概要
Amazon SNSは、スケーラブルで可用性の高いメッセージングサービスです。多種多様なエンドポイント(Eメール、SMS、モバイルプッシュ通知、HTTP/Sエンドポイント、AWS Lambda関数など)に対して、メッセージをプッシュ配信したり、キューやトピックにメッセージをファンアウトしたりすることができます。これにより、アプリケーションやシステム間での疎結合な通信を実現し、イベント駆動型アーキテクチャを構築することができます。
関連キーワード
トピック
メッセージを配信するための論理的なアクセス ポイントです。複数のサブスクライバーが同じトピックにサブスクライブし、メッセージを受信することができます。
サブスクリプション
トピックとエンドポイント間の関係を定義します。サブスクリプションを作成することで、特定のトピックにメッセージがパブリッシュされたときに、そのメッセージが特定のエンドポイントに配信されるように設定できます。
パブリッシャー
トピックにメッセージを発行するエンティティです。AWSサービス、アプリケーション、またはユーザーがパブリッシャーになることができます。
サブスクライバー
トピックにサブスクライブし、メッセージを受信するエンドポイントです。Eメールアドレス、SMS番号、モバイルデバイス、HTTP/Sエンドポイント、AWS Lambda関数などがサブスクライバーになることができます。
メッセージフィルタリング
特定の属性に基づいて、サブスクライバーに配信されるメッセージをフィルタリングすることができます。これにより、サブスクライバーは必要なメッセージのみを受信できます。
メッセージ配信再試行: エンドポイントへのメッセージ配信が失敗した場合、Amazon SNSは自動的に再試行します。これにより、メッセージ配信の信頼性を高めることができます。
FIFOトピック
メッセージの順序を保証する必要がある場合に使用します。FIFOトピックでは、メッセージは発行された順序でサブスクライバーに配信されます。ただし、FIFOトピックには、標準トピックよりもスループットの制限があります。
一緒に利用されるサービス
Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS): メッセージキューイングサービス。Amazon SNSと連携して、メッセージをキューに保存し、後で処理することができます。これにより、システムの負荷を分散し、可用性を高めることができます。
AWS Lambda: サーバーレスコンピューティングサービス。Amazon SNSと連携して、特定のトピックにメッセージがパブリッシュされたときにLambda関数を実行することができます。これにより、イベント駆動型のアプリケーションを構築することができます。
Amazon CloudWatch: AWSリソースとアプリケーションを監視するためのサービス。Amazon SNSと連携して、CloudWatchアラームが発生したときに通知を送信することができます。これにより、システムの問題を早期に検知し、対応することができます。
補足
Amazon SNSは、多種多様なアプリケーションで利用できる汎用的なメッセージングサービスです。システム間の疎結合な通信、イベント駆動型アーキテクチャの構築、通知の配信など、さまざまなユースケースに対応できます。
アプリケーション統合(キュー)
Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS)
サービス概要
Amazon SQSは、フルマネージドなメッセージキューイングサービスです。アプリケーションのコンポーネント間でのメッセージの送受信を可能にし、疎結合なシステムの構築を支援します。これにより、システム全体の信頼性、スケーラビリティ、パフォーマンスを向上させることができます。
関連キーワード
キュー
メッセージを一時的に保存する場所です。SQSには、標準キューとFIFOキューの2つのタイプがあります。
メッセージ
キューに保存されるデータの単位です。メッセージには、最大256KBのテキストデータを含めることができます。
プロデューサー
キューにメッセージを送信するアプリケーションまたはコンポーネントです。
コンシューマー
キューからメッセージを受信して処理するアプリケーションまたはコンポーネントです。
可視性タイムアウト
メッセージがコンシューマーに配信された後、他のコンシューマーから見えないようにする期間です。この期間内にコンシューマーがメッセージを処理できなかった場合、メッセージは再びキューに戻り、他のコンシューマーに配信される可能性があります。
遅延キュー
メッセージがコンシューマーに配信されるまでに遅延させる期間を設定できます。これにより、特定の時間にメッセージを処理したい場合や、再試行メカニズムを実装する場合に便利です。
デッドレターキュー
コンシューマーがメッセージを処理できなかった場合に、メッセージを移動させることができるキューです。これにより、処理に失敗したメッセージを別途管理し、分析することができます。
標準キュー: 最大限のスループットを提供し、少なくとも1回のメッセージ配信を保証します。ただし、メッセージの順序は保証されません。
FIFOキュー: メッセージの順序を厳密に保証し、1回のみのメッセージ配信を保証します。ただし、標準キューよりもスループットが低くなります。
一緒に利用されるサービス
Amazon EC2: 仮想サーバーを提供するサービス。EC2インスタンス上で実行されるアプリケーションが、SQSを使用してメッセージを送受信することがあります。
AWS Lambda: サーバーレスコンピューティングサービス。Lambda関数をトリガーとしてSQSのメッセージを処理することができます。これにより、イベント駆動型のアプリケーションを構築できます。
Amazon SNS: プッシュ型の通知サービス。SNSとSQSを組み合わせることで、様々なエンドポイント(Eメール、SMS、モバイルプッシュ通知など)にメッセージを配信することができます。
補足
Amazon SQSは、分散システムやマイクロサービスアーキテクチャにおいて、コンポーネント間の疎結合な通信を実現するための重要なサービスです。SQSを使用することで、システムの信頼性、スケーラビリティ、パフォーマンスを向上させることができます。また、標準キューとFIFOキューを使い分けることで、ユースケースに応じた最適なメッセージキューイングを実現できます。
アプリケーション統合(キュー)
Amazon Simple Email Service (Amazon SES)
サービス概要
Amazon SESは、スケーラブルで費用対効果の高いEメール送信サービスです。トランザクションメール(パスワードリセット、注文確認など)やマーケティングメール、大量のEメール送信など、様々な用途に対応しています。高い配信到達率、Eメール認証、バウンス処理、開封・クリックトラッキングなどの機能を提供し、信頼性の高いEメールコミュニケーションを実現します。
関連キーワード
送信
Eメールを送信する機能です。SESでは、SMTPインターフェースまたはSES APIを使用してEメールを送信できます。
受信
Eメールを受信する機能です。SESでは、受信したEメールをS3バケットに保存したり、Lambda関数で処理したりできます。
Eメール認証
送信ドメインまたはEメールアドレスを認証することで、なりすましを防ぎ、Eメールの信頼性を高めることができます。DKIM、SPF、DMARCなどの認証方式をサポートしています。
バウンス処理
配信不能となったEメール(バウンスメール)を処理する機能です。バウンスメールをSNSトピックまたはS3バケットに通知し、分析することができます。
開封・クリックトラッキング: Eメールが開封されたか、Eメール内のリンクがクリックされたかを追跡する機能です。これにより、Eメールキャンペーンの効果を測定することができます。
テンプレート
繰り返し使用するEメールのコンテンツをテンプレートとして保存し、再利用することができます。これにより、Eメール作成の効率を高めることができます。
サンドボックス
SESの機能を試したり、Eメール送信の設定をテストしたりするための環境です。サンドボックスでは、認証済みEメールアドレスにのみEメールを送信できます。
専用IPアドレス
独自のIPアドレスを使用してEメールを送信するオプションです。これにより、Eメールの評判を管理し、配信到達率を向上させることができます。
一緒に利用されるサービス
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3): 受信したEメールやバウンスメール、開封・クリックトラッキングのログなどを保存するために使用されます。
AWS Lambda: 受信したEメールを処理したり、開封・クリックトラッキングのイベントに基づいてアクションを実行したりするために使用されます。
Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS): バウンスメールや苦情(コンプレイント)の通知を受信するために使用されます。
補足
Amazon SESは、コスト効率の高いEメール送信サービスであり、様々な機能を提供することで、Eメールコミュニケーションの信頼性と効果を高めることができます。初心者でも簡単に利用できる一方で、高度なEメールマーケティングにも対応できる柔軟性を備えています。
アプリケーション統合(API管理)
API Gateway Lambda オーソライザー
サービス概要
API Gateway Lambda オーソライザーは、Amazon API Gateway で API へのアクセスを制御するための機能の一つです。具体的には、Lambda 関数を使用して、API リクエストの認証と認可を処理します。API Gateway がリクエストを受け取ると、Lambda オーソライザーを呼び出し、リクエストヘッダー、クエリパラメータ、またはリクエスト本文などの情報に基づいて、リクエストが許可されるべきかどうかを判断します。
関連キーワード
認証 (Authentication)
リクエストを送信したユーザーまたはアプリケーションが誰であるかを検証するプロセスです。Lambda オーソライザーは、ID トークン、API キー、またはその他の認証情報を使用して認証を実行できます。
認可 (Authorization)
認証されたユーザーまたはアプリケーションが、特定のリソースまたはアクションを実行する権限を持っているかどうかを検証するプロセスです。Lambda オーソライザーは、ユーザーのロール、グループ、またはアクセス許可に基づいて認可を実行できます。
ポリシー
アクセス許可を定義するためのルールです。Lambda オーソライザーは、IAM ポリシーまたはカスタムポリシーを使用して、アクセス許可を評価できます。
トークン
ユーザーまたはアプリケーションを識別するための情報を含む文字列です。Lambda オーソライザーは、トークンを検証し、トークンに含まれる情報に基づいて認証と認可を実行できます。
コンテキスト変数
Lambda オーソライザーが API Gateway に返すことができる追加情報です。これらの変数は、バックエンドの統合処理で利用できます。
一緒に利用されるサービス
Amazon API Gateway: フルマネージドな API 作成サービス。API Gateway Lambda オーソライザーは、API Gateway で API へのアクセスを制御するために使用されます。
AWS Lambda: サーバーレスコンピューティングサービス。Lambda 関数は、API Gateway Lambda オーソライザーとして使用され、認証と認可のロジックを実行します。
Amazon Cognito: Web およびモバイルアプリのユーザー認証を管理するサービス。Cognito ユーザープールまたはIDプールと統合して、Lambda オーソライザーで認証を実行できます。
AWS Identity and Access Management (IAM): AWS リソースへのアクセス許可を管理するサービス。IAM ポリシーを使用して、Lambda オーソライザーのアクセス許可を制御できます。
補足
API Gateway Lambda オーソライザーを使用することで、API へのアクセスをきめ細かく制御し、セキュリティを強化できます。認証と認可のロジックを Lambda 関数で実装できるため、柔軟性が高く、様々なユースケースに対応できます。
アプリケーション統合(GraphQL)
AWS AppSync パイプラインリゾルバー
サービス概要
AWS AppSync パイプラインリゾルバーは、複数のデータソースやAWS Lambda関数を連携させて、複雑なGraphQLリクエストを処理するための機能です。それぞれのデータソースやLambda関数は、パイプライン内の関数として定義され、順番に実行されます。これにより、複数のデータソースからのデータ取得、データの変換、ビジネスロジックの実行などを、1つのGraphQLリクエストで効率的に処理できます。
関連キーワード
関数
パイプラインリゾルバーを構成する個々の処理単位です。データソースへのアクセス、データの変換、Lambda関数の実行など、様々な処理を関数として定義できます。
データソース
パイプラインリゾルバーからアクセス可能なデータの取得元です。Amazon DynamoDB、Amazon Aurora Serverless、AWS Lambda、HTTPエンドポイントなどがデータソースとして利用できます。
リクエストマッピングテンプレート
GraphQLリクエストをデータソースまたはLambda関数へのリクエストに変換するためのテンプレートです。Apache Velocity Template Language (VTL) を使用して記述します。
レスポンスマッピングテンプレート
データソースまたはLambda関数からのレスポンスをGraphQLレスポンスに変換するためのテンプレートです。こちらもVTLを使用して記述します。
型
GraphQLスキーマで定義されたデータ型です。パイプラインリゾルバーでは、関数間で受け渡されるデータの型を定義することで、型安全性を確保できます。
エラー処理
パイプラインリゾルバーでは、関数の実行中にエラーが発生した場合の処理を定義できます。エラーが発生した関数以降の関数は実行されず、エラー情報を含むGraphQLレスポンスが返されます。
一緒に利用されるサービス
AWS AppSync: GraphQL APIを構築・実行するためのマネージドサービス。パイプラインリゾルバーは、AppSyncのGraphQL API内で使用されます。
Amazon DynamoDB: NoSQLデータベースサービス。DynamoDBテーブルをデータソースとして、パイプラインリゾルバーからデータを取得・更新できます。
Amazon Aurora Serverless: MySQLおよびPostgreSQL互換のリレーショナルデータベースサービス。Aurora Serverlessをデータソースとして、パイプラインリゾルバーからデータを取得・更新できます。
AWS Lambda: サーバーレスコンピューティングサービス。Lambda関数をパイプラインリゾルバーの関数として使用し、複雑なビジネスロジックを実行できます。
補足
AWS AppSync パイプラインリゾルバーは、GraphQL APIの柔軟性と表現力をさらに高める強力な機能です。複数のデータソースやLambda関数を連携させることで、複雑なデータ取得や処理を効率的に実現し、クライアントアプリケーションの開発を簡素化できます。
アプリケーション統合(エッジコンピューティング)
AWS Outposts
サービス概要
AWS Outpostsは、AWSのインフラストラクチャ、サービス、API、およびツールをオンプレミス環境に拡張するフルマネージドサービスです。これにより、低レイテンシーアクセスが必要なアプリケーションや、データの保存場所に関する規制要件がある場合など、クラウドのメリットを享受しつつ、オンプレミス環境の利点を活かすことができます。
関連キーワード
Outpostsラック
42Uの業界標準ラックで、AWSのコンピューティング、ストレージ、データベース、およびその他のサービスをオンプレミス環境で実行できます。大規模なワークロードや、複数のAWSサービスを組み合わせて利用するケースに適しています。
Outpostsサーバー
1Uと2Uの小型サーバーで、小売店、支店、医療施設、工場など、スペースが限られている環境や、エッジコンピューティングのユースケースに適しています。
ローカルゲートウェイ
OutpostsラックまたはOutpostsサーバーと、オンプレミスネットワークを接続するためのコンポーネントです。これにより、Outposts上のリソースとオンプレミス環境のリソース間の通信を可能にします。
AWSマネジメントコンソール
OutpostsラックとOutpostsサーバーは、使い慣れたAWSマネジメントコンソールから管理できます。これにより、クラウドとオンプレミス環境のリソースを一元的に管理できます。
ハイブリッドアーキテクチャ
Outpostsは、AWSクラウドとオンプレミス環境をシームレスに統合するハイブリッドアーキテクチャを実現します。これにより、アプリケーションのモダナイゼーション、データのローカル処理、低レイテンシーアクセスなどの要件に対応できます。
一緒に利用されるサービス
Amazon EC2: OutpostsラックとOutpostsサーバー上で、仮想マシンを実行できます。
Amazon EBS: Outpostsラック上で、ブロックストレージを提供します。
Amazon S3: Outpostsラック上で、オブジェクトストレージを提供します (S3 on Outposts)。
Amazon RDS: Outpostsラック上で、リレーショナルデータベースサービスを提供します。
Amazon EMR: Outpostsラック上で、マネージドHadoopフレームワークを提供します。
AWS Direct Connect: OutpostsラックとAWSリージョン間の専用線接続を提供します。これにより、セキュアかつ低レイテンシーな接続を実現できます。
補足
AWS Outpostsは、クラウドとオンプレミス環境のギャップを埋める革新的なサービスです。AWSの柔軟性とスケーラビリティをオンプレミス環境で活用することで、様々なビジネス要件に対応できます。特に、低レイテンシー、データレジデンシー、ローカルデータ処理などの要件がある場合に有効です。
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