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ノートを「知識」ではなく「思考」として扱う ── Zettelkastenという考え方

に公開

はじめに

本や動画、記事からたくさんインプットする
でも情報が積み上がるだけで、繋がらない
そして数日後、こう思う
「あれ…これ前にも学んだ気がするけど、どこに書いたっけ?」

この状況を何度も繰り返す中で、
どうすれば、インプットした内容を
思考として積み上げられるのかを考えるようになりました。

その中で「Zettelkasten(ツェッテルカステン)」という手法に出会いました。

これは単なるノート術ではなく、
「思考そのものを育てるための仕組み」だと知り、
自分なりに理解を整理してみることにしました。

Zettelkasten(ツェッテルカステン)とは?

思考のネットワークを育てていくための仕組み」として説明されています。

つまり、Zettelkastenは
「あとで見返すためのノート管理」ではなく、
「考え続けるための仕組み」です。

その中で扱われる、1つの「思考」を表す最小単位のノートを
Zettel(ゼッテル)」と呼びます。

ノートは「知識」ではなく「思考」

Zettelkastenにおいて、以下の3つの特徴が挙げられています。

  1. It’s hyper-textual.
  2. It adheres to the Principle of Atomicity.
  3. It is personal.

出典:
https://zettelkasten.de/introduction/#a-zettelkasten-is-a-personal-tool-for-thinking-and-writing

ただ、これだけだと少し抽象的でイメージしづらかったので、
「ノートを書くときの行動」に落とすと、次のようになると解釈しました。

  • 他のノートと接続されることを前提とする
  • 一つのノートには一つのアイデアのみを書く
  • 単体で完結させる必要はなく、他のノートと組み合わさって意味を持てばよい

重要なのは、「ノート同士の関係性」が思考を生むということです。

この考え方を前提にすると、
Zettelkasten では「1枚のノートをどう書くか」が重要になってきます。

Zettelkasten の構成

Zettelkasten では、1枚の Zettel が持つべき最小構成(Anatomy)として、
次の3つの要素が挙げられています。

  • 固有ID:A unique identifier
  • 本文:The body of the Zettel
  • 参照:References

https://zettelkasten.de/introduction/#the-anatomy-of-a-zettel

固有ID:A unique identifier

Zettelkastenでは、各 Zettel に一意で不変なIDを付与することが重要だとされています。
これは、Zettel同士を長期的に接続し続けるための前提条件です。

IDの付け方には、例えば次のような方法があります。

  • 作成時刻を用いたID
  • 任意のユニークな文字列
  • タイトルをIDとして扱う方法

本文:The body of the Zettel

本文は、Zettelの中で最も重要な要素です。
多くの説明や例が挙げられていますが、
共通して強調されているのは 「必ず自分の言葉で書くこと」 です。

まずは、この原則を最優先で意識すれば十分だと思います。

自分の言葉で書く

コピペでは理解が深まりにくく、
一度自分の言葉に変換することで、

  • 理解が進む
  • 記憶として定着しやすくなる

といった効果があるとされています。

この点は、心理学における「Levels of Processing Model」とも関連しています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Levels_of_processing_model

参照:References

参照は、Zettel の下部(フッター)などに、
書籍・論文・Web記事・関連するZettelを残しておくための領域です。

必須ではありませんが、
後から思考の背景をたどれるようにするために、
必要に応じて記載しておくと役立ちます。

Zettel の具体例

文章だけだと少し抽象的なので、
実際の Zettel の例を見てみます。

以下の例では、

  • 固有ID
  • 本文
  • 他の Zettel へのリンク
  • 参照(References)

が、1枚の Zettel の中でどのように共存しているかが分かります。

接続

ここまでで、一枚の Zettel の書き方について整理してきました。

ただし、Zettelkasten は
1枚の Zettel をきれいに書くことではありません。

改めて強調されているのは、
「思考のネットワークを育てていくための仕組み」 であるという点。

そのため、Zettelkasten では、
新しく作った Zettel を既存の Zettel と接続していきます。

複数の Zettel をどうつなぐか

接続は1対1に限定する必要はなく、文脈に応じて自由に行ってよいとされています。

ただし重要なのは、単にリンクを張ることではなく、
「なぜこの2つが関係しているのか」 という意味です。

その理由を言葉として残すことで、
リンクそのものが新しい知識を生むとされています。

まとめ

Zettelkasten は、情報を集めて整理するための手法ではなく、
「思考を Zettel として分解し、それらを接続して育てていくための仕組み」です。

重要なのは、

  • 自分の言葉で Zettel を書くこと
  • Zettel 同士を「意味」をもってつなぐこと

まずは完璧を目指さず、
1枚の Zettel を書き、既存の Zettel とつないでみる。
そこから、Zettelkasten は動き始めます。

最後に

ここまで、Zettelkasten の考え方や
Zettel 一枚の書き方、接続の重要性について整理してきました。

この考え方を実践するためのツールはいくつもありますが、
自分はその中で Obsidian を使ってみることにしました。

Zettelkasten の思想を踏まえたうえで、Obsidian を使ってどう実践しているかも記事にしてみようと思います✍

参考文献

https://zettelkasten.de/introduction/

株式会社イノベーション Tech Blog

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