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Webシステムの作成を他のサービスと比較してみた

2024/03/07に公開

普段はユーザー企業に対しAWSの構築・保守運用をなりばいとしてますが、少し毛色を変えてWebシステムを実装するだけなら、ほかの観点もあってよいかなぁという整理もあります。

また、昨今いろんな有意義な情報が出回っていますが、世の中で未だに「え?!マジ!!」という方も生息してます。それでも仕事の企画しないといけないよなぁという側面の一助になればという思い今回の執筆に至りました。

前振り

以前仕事していた会社で、SaaSシステムのHTTP5xxエラーを進展をさせる打合せ時に、こんなやりとりありました。
(セリフの省略右のようにします。関係者:関A私と同部門の一応...、関B業務部門の担当者、私)

関A:「SaaSシステムの設計書がないから調査ができません。」
私:「設計書があればというより、何のための設計書ですか?設計書の内容を理解できるのは、この場のメンバーなら私だけしかいないんですが、誰が内容を判断できるのですか?」(そもそもWebシステムの概要すら認識できてないリテラシーの低さと単なる他社のナレッジという財産をとるだけと、意味を分かっておらず会社として発言しているため、モラルが低くかなり強めに)
関A:「...」(自身の主張を全否定されてだんまり)
関B:「SaaSシステムの会社から受領した資料を共有とかどうでしょうか」
私:「はい。状況把握として有用なので、可能であれば共有ください」

こういった正直恥ずかしい発言をするような方が関係者でした。(かなり遠い目で...。)
また、前月に会社のコーポレートサイトのPvP移行で、システムに関わっていたらやらかさないだろうというインシデントを3回も実施してました。

  • DNSの仕組みを理解してなくかつ関係者に説明してないのが、2回
  • 業務への影響確認せずパッチを適用し、1回

自己弁護となりますが、私が関わってないので、「な~にやってんだかぁ」という状態でした。

そもそもインターネット上にWebシステムを作るには?

前振りが少し長くなりましたが、いろいろな情報が出回っている中で、改めてインターネット上にWebシステムを作るにはという初心に戻っての整理になります。

HPなどのコンテンツをインターネット上にWebシステムを作成するには、「Webシステム動作できる環境」になる「サーバー」と「インターネット上でお店や家の住所指定するもの」になる「ドメイン」の2つがざっくりと必要になります。
イメージ図としては以下のような図になります。

図で書いてある単語を少し補足します。

  • OS:オペレーションシステム略でパソコンやサーバーなどを動作する土台:Linux、Windowsなど
  • ソフトウェア:OS上で動作する特定の機能(ミドルウェアとも表現されます)
    • ソフトウェアでよくあるもの
      • Webサーバーの機能を持たせる:Apache、Nginxなど
      • DBサーバーの機能を持たせる:MySQL、PostgreSQLなど
      • アプリケーションの動作を持たせる:PHP、Pythonなど
  • リクエスト:Webサイトに何かを頼むときの合図みたなもの。例えば、お店で「お水をください」というのと同じでWebサイトでも「このページを見せてください」とか「新しいメッセージを送ってください」といったお願いみたいなもの
  • レスポンス:リクエストに対するお店やウェブサイトからの返事や反応のこと。

簡単にWebシステムを作るには?

前振りとかで少しふれましたが、情報が出回りすぎているから、そもそも論で極力覚える量が多くなり正常な理解ができず、適切な判断ができないという考えがあります。
そのため、Webシステムを作るために極力抑えるところを削りつつ実現する方法として以下のようなものが選択としてあるかと思います。

  • レンタルサーバーとドメインを調達
  • AWSの場合、マネージドサービスを活用

レンタルサーバーとAWSのマネージドサービスの比較(サーバーの費用)

仕事となると法人向けになるため、良くあるレンタルサービスとAWSのマネージドサービスの料金比較となります。まずは、Webシステムをこさえるためサーバーの費用になります。

サービス名 プラン 初期費用 (円) 月額費用 (円) 初期費用と1年の費用(円) ストレージ 最低利用期間 備考
WebARENA SuiteX スタンダード400GB 81,000 3,700 125,400 SSD 400GB 1年 証明書はデジサート社のセキュア・サーバーIDをオプションに加えてます
エックスサーバービジネス スタンダード 86,900 4,180 137,060 SSD 300GB 1年 証明書はデジサート社のセキュア・サーバーIDをオプションに加えてます
Amazon Lightsail オンデマンド 0 14,700 176,400 SSD 320GB なし 1ドル150円で計算し、ALBオプション付きで試算してます。
AWS Elastic Beanstalk オンデマンド 0 133,737 401,211 SSD 300GB なし 1ドル150円で計算し、EC2(m6g.xlarge)とAmazon RDS for MariaDB(db.m5.xlarge)で試算してます。

レンタルサーバー業者の2社を参考として選定してますが、WebARENAはオプション対応がHP上よさそうだったため、エックスサーバーは、巷でよく性能面で評価されているからというのが理由です。他社もよいサービスがあると考えてますが、上記2社を選定しました。
AWSのマネージドサービスの2つについては「できるだけ覚えることを少なくする」というのがテーマになるためです。

為替相場もありますが、ぱっと見でAWSの費用がかなり高いのが印象になるかと思います。
Amazon Lightsailが他のレンタルサーバーの費用と比較し、最初に触ってみようというには適していと整理しております。
AWS Elastic Beanstalk自身は費用は発生しませんが、裏で動作するリソース分でそれ相応の費用になります。(AP用のサーバーとDB用のRDSの2つリソースを作るため)

AWSのメリットしては、きちんと運用ができるならば、マシンスペックを下げて即時にコストも下げることも可能です。また、レンタルサーバーを調達するための手続きなどで時間を要すため、スピードを求めるならば有用にはなると思います。

以下は試算する際に利用した参考リンク集になります。

ドメインの費用

法人ベースなので、ドメイン名は.comと.co.jpの2種をベースにしております。

サービス名 .com取得 .com更新 co.jp取得 co.jp更新 備考
Xserverドメイン 1 1,428 2,068 4,136
お名前.com 0 1,287 1,980 4,125
Route53 1,950 1,950 13,500 13,500 1ドル150円で計算

ドメイン提供業者は2社を参考して選定してますが、Xドメインはエックスサーバーと親和性があるためで、お名前.comは中小企業とかだとよく利用されている業者になるため、選定しております。
費用だけでみるとAWSでドメインを作る際はちょっとお高い印象になりますが、調達するための手続きで時間を要すため、スピードを求めるならば有用にはなると思います。

以下は試算する際に利用した参考リンク集になります。

あとがき

普段利用しないものを改めて情報を整理してみると、AWSのメリットに挙がられる作るスピード感があるかなぁと執筆しながら思い返す内容になります。
ただ、システムがよくわからない!でも作らなきゃいけない!費用を抑えたい!自分でできない!とかなりわがままな状態で、調達手続きなどだけで済ませたいなら、レンタルサーバーも一考に挙げられると考えてます。

参考記事:
ドメイン取得購入料金,更新価格(年間維持費用)比較一覧:おすすめサービス8社
レンタルサーバーおすすめ比較表:人気ランキング/初期無料/料金/WordPress

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