Docker 20.10のリリースノートを眺める
これはなんの記事?
Docker 20.10のBetaが大してアナウンスされることなくしれっとREADMEに追加されていて何がどうなってるかよくわからなかったので、リリースノート眺めながら気になったところをコメントしていく記事です。
参考: Docker 20.10.0 beta release note
リリースノートの気になったところ抜粋
aufs
storage driver
Deprecate Docker初期からCoWのできる階層型ファイルシステムとして活躍していたaufs
ですが、overlay/overlay2
の採用を経てついに非推奨になったようです。
ENV name=value
instead
Deprecate Dockerfile legacy 'ENV name value' syntax, use これは、Dockerfileの中で環境変数を定義するためのオプションに対するお作法の話です。
FROM ubuntu
ENV name value # 非推奨
ENV name=value # 今後はこっちを使いましょう
CMD ["echo", "$name"]
ssh://
for remote context URLs
Allow Remote Docker(ネットワーク経由でDockerを操作する場合)、これまではHTTP/HTTPSしか選択肢がなかったのですが、SSHがサポートされたことで脆弱なエンドポイントを直接公開する必要がなくなったというのは便利だと思います。
こちらはランタイムの話ではなくてBuilderでした。docker build
するときに指定するRemote Dockerを、SSH経由で繋げるようにしたものみたいです。いずれにせよCIなどで脆弱なエンドポイントを用意しなくても良くなるので便利ですね!
docker push --quiet
Add support for docker push
するときのシェルの表示をきれいにしてくれるオプションかな?体験良さそう。
cgroup2
Support 合わせて「cgroup2: use "systemd" cgroup driver by default when available」
ホストのリソースをDockerに隔離して割り当てるために使われているLinuxの機能、cgroupのv2に対応した話です。Fedoraがv1をオフにしたためにFedoraでDockerが動かなくなってしまっていたのですが、このリリースによって修正されました。また、今後他のLinux distroでもcgroup2が使えるようになります。
host.docker.internal
in dockerd on Linux
Support え、これ便利では??これまでDocker Desktop for Mac/Windowsでしか使えなかった、「コンテナからホストに接続したい」場合にMac/Windowsのみで使えていたhost.docker.internal
がLinuxでも使えるようになったという話。
rootless: graduate from experimental
これまで実験的機能だったrootless dockerがGAになりました。rootless dockerについては他に試してみた系の記事がネットに転がってるので割愛しますが、要するにLinuxのroot権限がなくてもDockerが動くというスゴイやつです
Appendix: ACI/ECS integration with Docker
参照. https://www.docker.com/blog/open-source-cloud-compose/
Azure Container Instances及びAmazon ECS上にアプリケーションをデプロイするための仕組みがDockerに追加されたという話です。@toriclsのAWSDevDayの資料にも言及がありましたね。
Docker社における売却やらなんやらでいろいろざわざわしていた去年でしたが、リリース内容を見ると継続的な改善が行われているようで安心しました。
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