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パン屋さん向けのWebアプリを個人開発してみた話

2023/07/02に公開

はじめに

こちらの記事は私が割と真面目にマネタイズまでを意識して個人開発に取り組んでみて、どういうことをやったのか、どのような反省点や学びがあるのかを共有させてください。

作ったアプリ

panzukiというパン屋さん向けのwebアプリになります。パン屋さんに行くお客様に焼き上がり時間が伝えたり、アプリ上に店舗の商品を登録できたりするものになります。

https://panzuki.com/stores

アプリではどんな機能があるの?

細かい機能は色々とあるのですが、大きな機能だと下記があります。

  • 商品の一覧・詳細
  • 日毎のメニュー登録(テンプレート登録あり)
  • 焼き上がり順にパンを確認できる
  • カレンダー機能(営業日登録、イベント登録)

最初に技術的な話

ちなみにどんな技術を使ったの?

下記を採用しました。

前提で技術選定の部分では下記を考えて決めました。

  • 開発工数を少なくする。
  • あまりたくさんの技術をキャッチアップしなくていいようにする。

今回の目的としてはユーザーに使ってもらうことが第一の目的だったので慣れない技術を扱いたくないというのがありました。
データに関してはどこに保存するかを考えたときにfirebase(Fire store)も候補としてはあったのですが、私がNoSQLに関する知見があまりなかったのと、SupabaseがPostgresSQLを使っており、RDBであれば自分も比較的に実装がしやすいかな?と思ったからです。

今回Supabaseを選んだことが良かったのはSupabaseのエンジニアでもあるタイラーさん等々が
twitterやdiscordで自分の疑問を拾って答えてくれたりしていておかげでかなり助かりました🙇

まだ技術的にも比較的には新しい技術だと思うのでこうやってコミュニティの人が助けていただけたのは大変ありがたかったです。

例えば下記のようなことなど👇
https://twitter.com/keisei_otsuka/status/1616695370385625089

開発で大変だったことは?

基本は日中に仕事で、子供が2人(小学生、園児)のことも見ないといけなかったので開発は基本的に朝と夜だったので1日に3時間くらいできればいいかな?といったところで進めていたので体力的にはちょっとしんどかったかもです。


ここから技術以外の話

なぜ個人開発をしようと思ったのか

大きくみて2つあります。

人に使われて便利だと思われるものを自分で考えて作る経験がしたい

私も会社でエンジニアとしてお仕事をする中でソフトウェアの開発を行っていてユーザーの課題を解決するための開発を行っているのですが、ビジネス的な観点でユーザーにヒアリングをしたり、市場にどのような課題があるのかといった前提を考えて開発をスタートしたことがありませんでした。

それを最初から自分でやってみたいなと思ったのが最初です。

アプリでマネタイズをさせる、もしくはたくさんのユーザーに使ってもらう経験がしたい

これはなんというか承認欲求的なところに近いのですが、自分の作ったアプリでいわゆる成功するという経験をしてみたかった感じです。

身近にそういう人がいたので刺激を受けたというのがあるかもしれません。

なんでパン屋さん向けのアプリを作ったのか

私が近所でよく行くパン屋さんがあるんですが、毎日たくさんのお客さんがくるような人気のお店がありました。
そこのパン屋の店主とは知り合いで、その時に店主の方 「何か困っていることはありませんか?」 と聞いてみると毎日パンが何時に焼けるのか?といった電話があって大変といった話が出ました。
確かに自分がお店に行った時にも、よくその電話があったことは自分も知っていたので、これを解決できないか?といって考えて作ったのがpanzukiというアプリです。
お店の方には無料で作るから色々と検証に協力して欲しいと言って開発をスタートさせていただきました。

どんな感じで開発を進めたのか

下記のような流れで進めました。

  1. パン屋さんと全体的なアプリのイメージのすり合わせをする。
    • 商品一覧やメニュー情報などのすり合わせ。メニュー情報を登録するときに一からだと大変なのでテンプレート機能が欲しいなどなど
  2. 機能を実装する
  3. 実際に触ってもらう。
  4. 他の要望をいただく。実装コストが少なければ実装する。

といった感じです。

ユーザーに使ってもらうためのどうしたのか

このアプリを使うユーザーは店舗によくくるユーザーが対象だったので、店舗側でpanzukiアプリを通してQRコードを印刷できるようにしました。
定期的に店舗で配布、QRコードを店舗の見えるところに置いてもらうということでアプリを使ってもらおうとしました。

どうやって店舗を増やそうとしたのか?

LPを作る

デザインだけデザイナーさんにお願いをしてコーディングを自分でやる形にしました。

店舗を訪問

  • 仕事の始まる前、休憩、土日の空いた時間を活用して近隣のパン屋さんにアプリを使ってみないか依頼

SNSでDMを送る

アプリ専用のインスタアカウントを作成してDMを使ってアプリの導入を依頼してみました。

ここからが反省点

開発をもう少し省略すれば良かった

今回開発をする機関としてはおそらく2ヶ月ほどだったかと思います。そんなに時間がかかったわけではないのですが、下記の確認が不足していました。

  1. 今回作ったアプリは焼き上がり時間をわかるようにしてユーザーがアプリを使ってくれるのか?
  2. 店舗側でアプリを運用する際の負担はないのか?

一応店舗の方に確認をしてはいたのですが、1番に関しては店舗様への確認とアナリティクスを日々確認をする感じだとメニュー情報を見てはもらえているようです。

ただ、パンを買いに行くユーザーでパンの焼き上がり時間までを気にするユーザーはそこまで多くないということがわかりました。

2番に関してもメニュー情報の登録、商品情報の登録はスマホからも操作はできるようにして店舗様の負担を出来るだけ下げるようにということは考慮はしていたのですが、実際のパン屋さんがなれないアプリケーションを使って商品を登録したりすることに精神的な負担もあったようです。

パン屋さんに聞いてみたらこのあたりを詰めきれていない状況で開発を進めすぎたことはよくなかったなと反省しています。

下記は会社の人に教えてもらったのですが、こちらが勉強になるので見たことがない方は見てみることをお勧めします。

https://speakerdeck.com/tumada/mvp-falsezuo-rifang-tonikakuza-nizuo-ru-shou-zuo-ye-xing-mvp-falsesusume

https://speakerdeck.com/tumada/sukerusinaikotowosiyou

LPを作ってしまった。

開発をして使ってもらえる未来を勝手に想像をしてLPを作ってアプリのメリットなどを訴求できるようにしたのですが、タイミングが早すぎました。。

デザインを作ってもらったりすることに多少お金をかけてしまったのでもう少し検証をした後に作るでも良かったのかなと思いました。。

色々なパン屋さんやパン好きな人ともっと会話をするべきだった

今回テスト店舗様の意見をもとに実装をしてその店舗様で使われるのであれば他の店舗でも需要があるだろう?という考え方でいたのですが、今回分かったのはパン屋さんはかなり忙しくアプリを運用するコストが思った以上にあったようです。
あと、今回私が作ったアプリがどちらかというと店舗を利用するお客様に対して焼き上がり時間を伝えられるようにするというものがコアな機能だったので店舗側の課題というよりパンを買いに行くユーザーの課題を解決している部分が大きかったので店舗からすると売り上げが上がるわけでもなく、パンの売れ残りが少なくなるわけではないのでこのアプリを使ってみる動機は現状少ないのかもしれないです。

自分が店舗訪問やDM送信、SNSアカウントの投稿にそこまで時間が割けない

開発であれば朝方や夜に自分がなんとか頑張ればいいのですが、私が2人の子持ちのサラリーマンでそこまで時間が取れないことを考えきれていませんでした。
今回店舗に営業をかけたりpanzukiの存在をわかってもらうためにインスタグラムでアプリ用のアカウントを作成したのですが、私が隙間時間に行ける店舗はほぼ行き尽くしてしまいました。
アプリ用のSNSアカウントを外注しようかな?とも考えてみたのですが、アプリケーション上で収益がないのと、これからたくさんの店舗に使われる確証がない段階でそれはできませんでした。。

営業を頑張れば使ってもらえると思い込んだ

パンの業界はまだまだアナログ業界です。ホームページ持っていなかったり、SNSを使っていない店舗さんがたくさんある中で自分のアプリをちゃんと宣伝をすれば使ってもらえると思い込んでしまっていました。

店舗様と話をする中で分かったのですが、ホームページを持っていない店舗はお金がもったいなくて持っていないわけではなく、ホームページを作ったりすること自体が面倒なんだなと話をする中でヒシヒシと感じました。
確かにパンを作ることに集中をしたいのに自分でアプリを使って色々とやるのはちょっと大変なのかなと。
ここも先に店舗さんと会話を進めていれば開発自体をすることもなかったかもしれません。

現状はpanzukiアプリの状況は

今のところですが、私が作ったアプリではうまくマネタイズもできていないですが、最初に導入をした店舗さまは私のアプリを毎営業日で使っていただいている状況です。正直今のところは自分が期待をするような結果はまだ得ることができていません。
ただ、多少なりとも自分のアプリを使ってくれる店舗やユーザーがいてくれることは開発者としてとても嬉しく思っている次第です。

今後どうするか

せっかくパン業界にいる人の気持ちを多少なりとも理解できたと思っているので、もう少しパン屋さんやパンが好きな人たちがいるコミュニティで色々とお話を聞かせてもらって、新しく別のアプリを作ってみようかと思っています。

今考えているのが食べログや、Rettyのパン屋さん特化のレビューサイトにようなものを作ってみようかな?と考えています。理由としては食べログや、Rettyは店舗様が自分たちでもお店をアプリ上に登録をせずとも、そのお店にいった方が自立的に店舗を登録することができるようです。
アプリとしてのユーザーを増やすということを考えるとこのようなものを作った方が得策なのかなと考えているからです。。

最後に

ここまで見ていただきありがとうございました。個人開発を今回真面目にやってみて大変さが身に沁みました。自分の想像したことは全然達成できていないし、今のところ敗北感でちょっと凹んでいます。
ただ、開発、店舗への聞き込みなど諸々をやっていて学んだことは自分の血肉になったことは間違い無いですし、個人開発を行っている日々はとても充実感に満ちたものでした。
今回学んだことを踏まえて、次回作る個人開発(プロダクト)はもっと価値を提供できるものを作ることが出来ると思っています。
最後にこの記事が少しでも面白かったり、参考になればいいねを押してもらえると嬉しいです🙇
最後まで読んでいただきありがとうございました🤗

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