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人と AI のフレームワーク「Mapping the Prompt (MTP)」を学術論文に — 共著者/共同研究者募集

に公開

このプロジェクトは、言語学的な検証を目的とするものではなく、生成AIとの対話におけるUI改善の実証研究を行うものです。
産業界に直結する課題を扱いながらも、HCI研究として普遍的に応用可能なフレームワークを提案します。

  • 主要部分:MTP フレームワークの学術的価値と技術的課題
  • 副次部分:共同研究への参加募集

はじめに

あなたは生成 AI との対話で、「もっと抽象的で曖昧なニュアンスを伝えたいのに、どう書けばいいかわからない」と感じたことはありませんか?
テキストだけで意図を正確に伝える難しさを、私たちは日々実感しています。この課題を解決するため、プロンプトを「地図」のように扱う新しいフレームワーク Mapping the Prompt (MTP) を開発しました。


TL;DR

  • Mapping the Prompt (MTP) を国際・国内の学会誌・会議に論文化するプロジェクト
  • 国際会議(CHI・UIST)、学術ジャーナル、人工知能学会等への投稿を予定
  • 完全オープン・金銭的利害関係なし、純粋な学術貢献のための取り組み

MTP とは?

「プロンプトをテキストで工夫する」から「対話空間を座標で操作する」へ

MTP は、生成 AI(LLM)との対話を 座標空間にマッピング して可視化し、トーン・ペルソナ・推論スタイルなどを直感的に調整できるフレームワークです。テキストで指示を細かく書き込む代わりに、座標上の点を「指差し確認」するように指定することで、会話の方向性を補助します。これは曖昧さを数値で潰すのではなく、むしろ曖昧さを残しながら共有するための仕組みです。

MTP は、会話を 「地図」 のように捉えます。ユーザーと AI がどの方向に進んでいるのか、どの領域でズレが生じているのかを視覚的に把握できるため、ドリフト(意図の逸脱)を補正しやすくなります。結果として、「何をどう答えてほしいか」を正確に伝えるよりも、「この辺りのニュアンスで」と指し示す方が適切なケースに強力に機能します。

https://imkohenauser.com/mtp-ja/

特徴

  • 20 ノード構造:普遍的な色配置と東西思想を統合した座標系
  • UI 操作:プロンプト調整をクリックやドラッグといった**直接操作(direct manipulation)**に変換
  • モデル非依存:ChatGPT/Claude/Gemini/DeepSeek/Midjourney などで横断利用可能
  • 軽量実装:SVG + CSS + JS で実現できるシンプルな構成

MTP は、プロンプトを論理的に「正解へ最適化する」ための道具ではなく、曖昧さを共有することで発想や対話の可能性を広げる補助線として機能します。そのため研究分野においても、「曖昧さを数理的に扱う UI」としての価値が期待されます。

セッション状態の可視化
AI との会話の「現在地」をリアルタイムで可視化

ChatGPT のペルソナの可視化の例
ChatGPT の「性格」を座標で直感的に調整

スタイルの切り替えを直感的に
ドラッグするだけで、応答のトーンを瞬時に変更

マルチモーダルとして、インタラクティブな軽量 UI を生成
マルチモーダルとして、インタラクティブな軽量 UI を生成


MTP のコア構造と論文化の方針

MTP の中心にあるのは、色の配置を基盤とした座標構造です。
以下の図は、その比較と独自性を示しています。

MTP のコア構造
Prismatic Colors / HSL Color Wheel / Foundational Colors of MTP

配置の意義:

  1. Prismatic Colors:プリズムで分離された光のスペクトル色に基づく基本配色
  2. HSL Color Wheel:工学的に整えられた色環。東洋思想の五行配置に照らすと、HSL ではマゼンタ(右上)の補完が必要になる
  3. MTP Core Structure:自然光・工学的モデル・哲学的配置を統合した独自構造

この配置は次の特徴を備えています:

  • 東西の哲学的背景・色彩心理学・認知科学との接続
  • 普遍概念の抽象化により、複数ドメインに対応可能(例:上/火/赤下/水/青 の対応)
  • ユニバーサルデザインとして直感的に理解可能

この「配置」こそが MTP の学術的独自性であり、
論文化の際に最も重要な フレームワークの証明対象 となります。


なぜ学術論文化するのか?

学術研究の世界では、どれほど魅力的で有用に見えるアイデアであっても、再現可能な形で実証され、査読を通過しなければ「知識」として認められません。
フレームワークの独自性や有効性は、理論的根拠の提示・再現可能な方法論の記述・実証的な比較評価を通じて初めて、学術的に価値を持つものとして承認されます。

このプロセスを経ることで、MTP は「個人のアイデア」から、学術コミュニティ全体で議論され、発展可能な知識 へと昇華します。

国際的意義

HCI・認知科学の文脈に適合し、注目される可能性があります。

  • CHI (Human Factors in Computing Systems)
  • UIST (User Interface Software and Technology)
  • Computers & Human Behavior
  • IJHCS (International Journal of Human-Computer Studies)

「テキスト最適化」から「座標制御」へ ──
空間的思考 × 学習科学 × HCI をつなぐ橋渡しが可能です。

日本からの意義

条件が整えば、
人工知能学会 特集「学習科学と学習工学のフロンティア」への投稿予定。
締切 2025/12/15

  • 学習科学:人と AI の協働学習モデル
  • 学習工学:座標ベースの支援システム設計
  • 認知科学:直感的 UI による認知負荷軽減

査読で問われる焦点(本プロジェクトの前提)

  • 再現可能性:公開実装により、同一の配置と操作体験を第三者が再現できること
  • 理論的妥当性:色彩心理・認知科学・哲学的枠組みに基づき、直感性と普遍性を説明できること
  • 実証的検証:HSL 配置やテキストのみのプロンプト操作をベースラインとして、**効率(Efficiency)/認知負荷(Cognitive Load)/意図一致度(Intention Alignment)**で優位性を比較できること

論文構成イメージ

  1. Introduction & Related Work
    • プロンプト工学の課題と先行研究
  2. MTP Framework
    • 20 ノード構造と UI 設計の理論的根拠
  3. Implementation & Evaluation
    • プロトタイプ実装とユーザースタディ
  4. Applications & Future Work
    • 教育応用・学習支援システムへの展開

※ 最終構成は参加者と AI による協議で決定します。


評価デザインの一例

比較条件(ベースライン)

  • BL1:テキストのみでのプロンプト操作
  • BL2:HSL カラーホイールを用いた色環ベース操作
  • EXP:MTP(本提案)の座標操作

定量

  • 目標出力到達時間/編集回数/再試行回数/成功率
  • NASA-TLX(認知負荷)、SUS または UEQ-S(主観的使いやすさ)
  • 必要に応じて 効果量(例:Cohen’s d/Cliff’s δ)事前パワー分析 を報告

定性

  • 半構造化インタビュー:意図共有度/ドリフト気づき度/探索の満足度
  • テーマ分析(コードブックを公開)

直近スケジュールの一例

  • 10 月:共同執筆者確定・内容相談・役割分担
  • 11 月:論文構成確定・実験設計
  • 12 月:執筆・投稿準備(12/15 締切)

適合する共同執筆者

歓迎する専門領域

  • Human-Computer Interaction (HCI)
  • Natural Language Processing
  • Learning Sciences / Educational Technology
  • Cognitive Science
  • Information Visualization
  • UX/UI Design  ※私の専門分野ですが、他の経験者の参加を歓迎します

こんな方も歓迎します

  • プロトタイプ開発や翻訳など、部分的な関与が可能な方
  • データ分析や文章校正など、周辺的な役割で貢献できる方
  • 分類・ユーザースタディへの参加、または運営支援ができる方
  • 個人・団体は問いません

参加形態

  • フル参加型:共著として論文全体に関与
  • コンサル型:特定領域での助言・査読
  • 協力型:実験・翻訳・技術実装のサポート

免責

著者順・成果は保証しません。 私が主著者かどうかも未定です。
著者貢献は CRediT taxonomy(著者貢献分類) に準拠して記録します。役割(構想/方法論/実装/データ収集/分析/執筆/査読対応 等)を明示します。
研究の進捗・リソースに応じて、ミニマム化や投稿見送りの可能性があります。
すべての成果は MIT License 下で共有します。金銭的利害関係・報酬はありません。
一般的な人材募集の案内のようなサポートはできません。関係はオンラインで完結します。
必要以上の介入や催促は行いません。自己責任で、冷静に参画してください。


研究倫理とデータ管理

  • 倫理審査:ユーザースタディ実施時は所属機関の IRB/倫理審査に準拠し、必要に応じて共同審査を行います。
  • 同意:参加者には目的・手順・リスク・撤回権を説明し、インフォームドコンセントを取得します。
  • データ処理:収集データは匿名化し、再現のための最小限のメタデータのみを公開します(匿名化キーは分離保管)。
  • オープン化:コード・プロトコル・分析スクリプト等は原則 OSS として公開。

参加方法

言葉と決断に責任を持ち、正直な相談と完遂ができる方を歓迎します。
「やりたい」という意志表明だけでは判断できません。

  1. プロフィール
  2. あなたの貢献計画
  3. 可能なら「既存手法との相違点(3 点)」

上記 3 点を添えてご連絡ください。

※ 判断材料がない応募は受け付けません。ご理解ください。

募集に関する疑問は Discussion へコメントしてください。


興味を持った方へ

日本発の「プロンプト研究」を世界に広げるチャンスになるかもしれません。
過度な期待は持たず、時間をかけて積み重ねましょう。
あなたの専門性と覚悟が、MTP の学術的未来を切り開きます。

まずは私の Zenn 記事と下記資料を精読してください。


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