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【今日のIT関連ニュース】「OpenAI、ChatGPTエージェントを正式発表、タスク実行・ウェブ操作が一体化(2025年7月18日)」

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ChatGPTエージェント:調べて考えて「行動」するAIアシスタント

2025年7月17日(米国時間)、OpenAIは新たなAIアシスタント「ChatGPTエージェント」を正式に発表しました。この機能は、従来の「Operator」や「Deep Research」の機能を統合し、ユーザーの指示に基づいて複雑なタスクを自律的に実行する能力を備えています。

参考:https://codezine.jp/article/detail/21932
OpenAI公式ページ


ChatGPTエージェントとは?

「ChatGPTエージェント」は、従来の会話型AIの枠を超え、ユーザーの指示に従って専用の仮想環境(仮想コンピュータ)上で複雑なタスクを実行するAIアシスタントです。
ウェブサイトの閲覧や操作、情報収集、ドキュメントの作成、ファイル管理、メール送受信、スケジュール調整など、多様な作業を自律的に遂行します。


OpenAI公式発表のポイント

  • 自律的な行動と意思決定
    ChatGPTエージェントは、ユーザーの指示を受けてタスクを計画・実行し、状況に応じて最適な判断を行います。

  • 仮想環境による安全性の確保
    エージェントは隔離された仮想環境内で動作し、実際のユーザー環境に直接影響を与えることなく動作を行います。

  • ユーザーの透明な管理とコントロール
    重要な操作を行う前にはユーザーの許可を求め、いつでも介入・中断が可能な設計となっています。

  • 豊富なツールとの連携
    ブラウザ、ターミナル、ファイルシステムなど、多様なツールを活用して複雑なタスクに対応します。

  • AI同士の連携(将来的な展望)
    将来的には複数のエージェントが協調してタスクを遂行することも視野に入れています。


主な機能と特徴

  • 仮想コンピュータの活用
    専用の仮想環境で、ブラウザ操作やコード実行、ファイル管理を安全に実施。

  • ブラウザおよびターミナル操作
    グラフィカルブラウザでのサイト閲覧・操作や、テキストブラウザでの情報収集、コマンド実行が可能。

  • 外部サービスとの連携
    Gmail、GitHub、カレンダーなどのサービスと連携し、より実務的なタスクをサポート。

  • ドキュメント生成
    集めた情報をもとに、スライドやスプレッドシートを自動作成。

  • ユーザーの介入と管理
    タスク実行前にユーザーの承認を求め、必要に応じて中断や指示の修正が可能。


利用方法

ChatGPTエージェントは、Pro、Plus、Teamユーザーを対象に提供されています。
会話中のツールドロップダウンから「エージェントモード」を選択し、タスクを指示することで利用可能です。
タスクの進行状況は画面上で確認でき、必要に応じていつでも介入が可能です。


注意点と今後の展望

OpenAIのCOOであるBrad Lightcap氏は、AIエージェントが未知の複雑なタスクを自律的に処理できる能力を持つべきだと述べています。
ただし現時点では実験的な段階であり、特に高リスクな操作(金融取引や個人情報の取り扱いなど)に関しては慎重な運用が求められます。
またセキュリティ上の課題も指摘されており、今後のアップデートで改善が期待されています。


まとめ

「ChatGPTエージェント」は、AIアシスタントの新たな可能性を示す重要な技術進化です。
日常業務や個人のタスク管理でAIが自律的に支援する未来を見据え、今後の機能拡張と社会実装が注目されます。


所感

ChatGPTエージェントの発表は、AIが単なる対話を超えて「自律的に行動する」段階へと進化したことを示しています。特に仮想環境内での安全なタスク実行や、ユーザーがいつでも介入可能な設計は、実用化に向けた重要な配慮と言えます。
ただし、高度な自律性を持つAIはまだ実験段階であり、誤操作やセキュリティリスクの懸念は残ります。今後は、こうした課題をクリアしながら、実務に役立つ信頼性の高いエージェントへと成熟していくことが期待されます。
私たち利用者側も、AIに任せきりにするのではなく、適切な管理と理解を持って活用していくことが求められると考えます。
今後の技術進化と社会実装の動向に注目したいです。


用語解説

  • ChatGPTエージェント
    OpenAIが開発した、自律的に行動しタスクを遂行するAIアシスタント。簡単に言うと、OpenAIが作った、指示にしたがって自分で考えたり動いたりできるAIの助手のようなもの。パソコンの中の安全な場所で動いて、いろいろな仕事を手伝う。仮想環境内で動作し、ユーザーの指示に基づき複雑な作業を行う。

  • 仮想環境(仮想コンピュータ)
    実際のコンピュータとは隔離された仮想的なコンピュータ環境。安全にプログラムの実行や操作を行うために使用される。安全にいろんな操作ができる場所というイメージ。

  • Operator / Deep Research
    OpenAIが以前提供していた、ウェブサイト検索や情報収集を補助するAI機能。簡単に説明すると、OpenAIが前に出していた、ネットで調べ物を手伝うAIの機能のこと。今はChatGPTエージェントにまとめられている。

  • ターミナル
    コンピュータのコマンドラインインターフェース。つまり、パソコンを文字で操作する画面のこと。マウスを使わずに、文字を入力して動かす。

  • Pro、Plus、Teamユーザー
    OpenAIのChatGPTサービスの有料プラン利用者の区分。つまり、OpenAIのChatGPTサービスをお金を払って使っている人のグループの名前。このグループの人たちがChatGPTエージェントを使える。

  • 自律的行動
    AIがユーザーの指示を元に、自分で判断・計画し行動を実行する能力。簡単に説明すると、AIが自分で考えて、やるべきことを決めて動くこと。

  • セキュリティリスク
    不正アクセスや情報漏洩など、情報システムの安全性を脅かす可能性のある問題。つまり、悪い人がパソコンに入ってきたり、秘密の情報がもれてしまうかもしれない危険のこと。

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