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Wasabi Cloud Nas
Wasabi Cloud NAS
wasabi cloud nasの設定備忘録
オプション名 | 説明 | 利用シーン・注意点 |
---|---|---|
No action | クラウド側のデータを何もしない(インポートしない)。必要であれば後でエクスプローラーコマンドで手動インポート可能。 | 🔹クラウドにすでにデータはあるが、今はローカルに取り込む必要がないとき。 🔸「control-folder」だけができ、他のファイルは見えない状態に。 |
Import on demand | 初期インポートはせず、アプリ(またはユーザー)がフォルダやファイルにアクセスしたときに必要に応じてダウンロードする。 | 🔹効率的に必要なものだけ取り込みたいとき。 🔸ファイルを開こうとしたときに遅延が発生することがある。 |
Import all metadata | フォルダ構造などのメタデータのみすべてインポート。ファイル本体はスタブ(.reclaimedなど)として扱われる。 | 🔹ユーザーに「どこに何のファイルがあるか」を可視化したいとき。 🔸数が多いと少し時間がかかる。 |
Restore all data | メタデータもファイル本体もすべてローカルに取り込む(完全なローカルコピー)。 | 🔹ネットワーク帯域・ローカル容量に余裕があり、全ファイルを手元に置いておきたいとき。 🔸大量データだと時間・容量を大きく消費する。 |
Link existing data | ローカルにすでに存在している同名ファイルとクラウド上のデータをリンクする(差分のインポートなし)。 | 🔹クラウドにすでにバックアップしたファイルがローカルにもある場合に、二重取り込みを避ける目的。 🔸ファイル名や内容が一致しないとリンクされない。 |
アイコン | アクション名 |
---|---|
Replicate |
クラウドにアップロードする(レプリケーション) ローカルのファイルまたはフォルダを即座にクラウド(Wasabi)に複製(アップロード)します。 📌 通常は自動で行われるが、手動で即時同期したいときに使います。 |
Reclaim Space |
スタブ化(階層化)する ローカルにある実ファイルを削除して、スタブファイル( .reclaimed )に置き換え、クラウドのみに実データを残します。📌 ストレージを節約したいときに使います。すでにクラウドにアップロードされている必要があります。 |
Retrieve Data |
クラウドから実ファイルを復元する.reclaimed になったファイルを元の状態に戻し、クラウドからローカルへ実体ファイルをダウンロードします。📌 スタブファイルを再度使いたいとき(例:オフライン環境に備えて)に使います。 |
Import from bucket |
Wasabiバケットから対象フォルダにメタデータをインポート 指定のフォルダに対してクラウドの構造(フォルダ名やファイル情報)だけを取り込む。 📌 フォルダ構成だけローカルに再現したいときに便利です(データ本体はまだクラウド)。 |
Import recursively from bucket |
フォルダ配下すべてを再帰的にインポート サブフォルダを含めたクラウド上の全メタデータ(構造)を取り込みます。 📌 一括でフォルダ構成を復元したいときに使います(中身はまだダウンロードしない)。 |
Undelete |
削除済みのファイルを復元 WCNの内部記録とクラウド上のオブジェクトを照合し、削除されたファイルを復旧できる場合に元に戻します。 📌 誤削除時や、Active Syncで削除が伝播してしまったときに使用します。 |
Wasabi Cloud NAS - Global Settings 解説
✅チェックボックス設定項目
項目名 | 説明 | 推奨シナリオ・注意点 |
---|---|---|
Delete replica when source file is removed | ローカルファイルが削除されたら、クラウド上のレプリカも削除される。 | ローカルとクラウドの整合性を保ちたいとき。 注意:誤削除もクラウドに反映される。 |
Preserve security descriptor on sync | 同期時にNTFSのアクセス制御(ACL)を維持する。 | AD環境で複数拠点運用するときに重要。 |
Keep replica versions | クラウドにバージョン履歴を保持する。 | 誤上書き防止や履歴管理をしたい場合に有効。 注意:Wasabiの容量を消費する。 |
Allow remote shell extension | リモートシェルからの操作を許可。 | 管理スクリプトやCLI操作を使いたい場合。 セキュリティ注意。 |
Enable progressive retrieval | 必要なファイルデータを順次クラウドから取得(ストリーミング的)。 | 大容量ファイルの部分読み込みをしたいとき。 |
Enable ransomware protection | ランサムウェア検知・防御機能を有効にする。 | しきい値(変更ファイル数)を指定する必要あり。 セキュリティ重視時に有効。 |
📊 Event Viewer Logs 出力設定
チェック項目 | 出力内容(Windowsイベントログ) |
---|---|
⬜ Replicate file | クラウドへのアップロードのログ |
⬜ Reclaim space | スタブ化の実行ログ |
⬜ Retrieve file | クラウドからの復元(ダウンロード)ログ |
💡 ログを有効にすると監査やトラブルシュートに有用ですが、ログ容量には注意。
🔘 ボタンの機能
-
Process filtering
- ファイルの種類やパスによる処理除外など、フィルタリング詳細設定。
-
Advanced
- 詳細な低レベル動作のカスタマイズ(専門用途)。
-
Apply
- 設定を保存・反映します。適用時にWCNサービスが再起動されます。
🔧 運用別おすすめ設定例
🏢 一般的なファイル共有(中小企業)
- ✅ Delete replica
- ✅ Preserve ACL
- ✅ Progressive retrieval
- ⬜ Keep versions
- 🟩 Replicate file ログだけ有効化
🔐 バックアップ重視、安全性最優先
- ⬜ Delete replica(無効にする)
- ✅ Preserve ACL
- ✅ Keep versions
- ✅ Ransomware protection(しきい値設定)
- 🟩 全ログ有効化
🌐 拠点間同期+セキュリティ強化
- ✅ Preserve ACL
- ✅ Ransomware protection
- ✅ Progressive retrieval
- ✅ Keep versions(必要に応じて)
- 🟩 Replicate + Retrieve logs
📝 補足:これら設定は全体に影響を与えるため、変更後はサービスの再起動が行われます。
Wasabi Cloud NAS - Reclaim Space Policy 設定解説
この設定は、ローカルストレージの使用状況に応じて、不要なファイルをクラウドへスタブ化(階層化)するポリシーを定義します。
スタブ化されたファイルは .reclaimed
となり、実体データはクラウドに移動します。
✅ 設定項目の詳細
設定項目 | 意味・動作 | 補足 |
---|---|---|
✅ Enabled | 空き容量確保(Reclaim Space)機能を有効にする | このチェックがONでないと以下の条件は無効になります。 |
▶️ 階層化のトリガー条件
条件 | 意味 | 例 |
---|---|---|
Offload files not accessed for more than | 指定された時間アクセスされていないファイルを対象とする |
1 Minute → 最終アクセスから1分以上経過したファイル |
And if files are larger than | 指定サイズより大きなファイルを対象とする |
0 Bytes → サイズ制限なしで全ファイルが対象になる |
And when used space exceeds | 使用中のストレージ容量が指定以上である場合に実行 |
0% → すべての条件が常に実行される状態(しきい値なし) |
⚠️ 緊急条件(強制発動)
条件 | 意味 | 例 |
---|---|---|
Ignore above criteria if used space exceeds | 使用率が指定値を超えたら、すべての上記条件を無視して即スタブ化 |
90% → ローカルストレージの使用率が90%を超えた場合は、ファイルサイズやアクセス日時に関係なく実行される |
✅ 運用例(おすすめ設定)
シナリオ | 設定例 | コメント |
---|---|---|
🏢 中小企業向け日常運用 | 最終アクセス 30日以上、サイズ 10MB超、使用率 70%以上 | データは1か月以上使われず、かつ大きいものだけ階層化 |
🚨 緊急容量不足対策 | 上記に加え、使用率が90%以上なら無条件でスタブ化 | サーバー停止を避ける安全弁的設定 |
🎯 常に自動階層化したい | アクセス 1分、サイズ 0、使用率 0% | テスト・評価目的や自動アーカイブ運用に近い |
✅ 注意事項
- スタブ化されたファイルは
.reclaimed
拡張子になり、開くとクラウドから自動取得されます。 - 「使用率」がベースなので、複数ボリュームを使っている場合はそれぞれに注意。
- この設定は「グローバル設定ではなく、Sourceフォルダごとに適用可能」です。
📝 関連操作
- スタブ化の手動実行 →
Reclaim Space
- スタブファイルの復元 →
Retrieve Data
- スタブポリシーは
tiercli
コマンドでも制御可
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