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アジャイルQAの「テストだけやれば良いワケではない」とは?

2023/12/22に公開

背景

QA界隈でテスト領域について語られる事が多いが、同時に 「テストだけやればいいわけではない」 とも強く言われている。

では「テスト以外」とは何か?「テスト以外もやる」とはどうすればよいのか?

ここ半年ほどQA界隈とその他色々な界隈を覗いたり、書籍を漁ったりして漸くまとまってきたので、現時点でのアジャイル開発におけるQAポジション「テスト以外もやる」 を記事にしてみた。

「テストだけ」とは?

まず 「テストだけ」 とは何か定める。

テストの活動と目的

この記事ではJSTQBシラバステスト活動全般(テスト計画,テストのモニタリングとコントロール,テスト分析,テスト設計,テスト実装,テスト実行,テスト完了)テストとする。これらの目的は 1.1.1 テストに共通する目的 に記載されている。
9つの要素をざっくり短くまとめると以下のようになる。

  • 成果物の評価
  • 要件を満たしていること
  • 妥当性の確認
  • ステークホルダー向け情報提言
  • 品質レベルの確認
  • 品質レベルのリスク低減
  • 欠陥の作りこみを防ぐ
  • 故障、欠陥の発見
  • 契約・法律・規約検証

「テストだけ」やる人とは

良くも悪くも上記の目的のいずれかを果たすべく、テスト活動のみ行う人が 「テストだけ」やる人 である。1行で表現するとこんな感じではないだろうか

QA「固まった※テストベースと相応の工数があれば品質を保証します」
※要件、仕様、設計、ソースコード、規格や法的要件

長々書かなくても「テスター」で伝わったのでは

では「テスト以外」とは?

QA界隈でテスト以外の やるべきかもしれないこと と、それらを他のどの 界隈やポジション(曖昧な定義) で見聞きしたかをまとめると、以下のようになった。
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やるべきかもしれないこと 界隈(ポジション)
ユーザーストーリーの検討 EM,PdM,UI/UXデザイナー
プロセス改善(レビューやライフサイクル等) EM,PdM
CI/CD構築 SRE,DevOps
ピープルマネジメント(イネーブルメント) EM,PdM,DevOps
開発生産性の向上 EM,PdM,DevOps
メトリクス分析 SRE,DevOps,データアナリスト(サイエンティスト)

注意:界隈(ポジション)はあくまで目安くらいに思っておいてください

「テスト以外」もやるにはどうしたらよいのか?

ざっくり状況を3パターンに分けて 「テスト以外」 を実施する。
パターン1:組織内で既に実施されていてる
      ▶︎責任者と連携して進める。
パターン2:組織として費用対効果は見出されているが、責任者がいない
      ▶︎QAが主体(責任者)となって進める
パターン3:組織が認知していない、または費用対効果がないと判断している
      ▶︎費用対効果があるのか判断
       ▶︎ある場合は適切な上位者を見極めて提案。あとはパターン2と同じ

パターン1の責任者は表の界隈(ポジション) 列記載のポジション名がついている場合が多い。そうでなければ大体PdMEMかもしくはPM,CTO,VPoEか、はたまたCEOが握ってるか......
ポジション費用帯効果責任を果たす手段については組織の文化や成熟度 によって異なるので、この記事ではこれ以上言及しないようにする。

要するに 「もう誰かがやってるならちゃんと擦り合わせしてやる。いないなら自分で責任もってやる」 ということ。

まとめ

「テストだけやれば良いワケではない」 とは 「フェーズ、ポジション、チーム等に囚われず、長期的、横断的に組織内で価値を見出して貢献すべし」 と言うこと。
この言葉のターゲットとしてはテスター上がり(開発未経験)のQAエンジニアが多いのかなと推測する。大変だと思うけど一緒にがんばっていこう……!

追記

どうでもいい話だけど「ユーザーに価値を届ける」ニュアンスの活動は組織の外ではなく、PdMやCEOの要求の一つと捉えているので組織内への貢献と解釈している(宗教話)

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前職でのテスト自動化活動
https://zenn.dev/ikeda1151/articles/3c75e6ec8d61bf
気軽にお声掛けいただけると幸いです。

参考

JSTQBシラバス
https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2018V31.J03.pdf

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