アジャイルQAの「テストだけやれば良いワケではない」とは?
背景
QA界隈でテスト領域について語られる事が多いが、同時に 「テストだけやればいいわけではない」 とも強く言われている。
では「テスト以外」とは何か?「テスト以外もやる」とはどうすればよいのか?
ここ半年ほどQA界隈とその他色々な界隈を覗いたり、書籍を漁ったりして漸くまとまってきたので、現時点でのアジャイル開発におけるQAポジション の 「テスト以外もやる」 を記事にしてみた。
「テストだけ」とは?
まず 「テストだけ」 とは何か定める。
テストの活動と目的
この記事ではJSTQBシラバスの テスト活動全般(テスト計画,テストのモニタリングとコントロール,テスト分析,テスト設計,テスト実装,テスト実行,テスト完了) を テストとする。これらの目的は 1.1.1 テストに共通する目的 に記載されている。
9つの要素をざっくり短くまとめると以下のようになる。
- 成果物の評価
- 要件を満たしていること
- 妥当性の確認
- ステークホルダー向け情報提言
- 品質レベルの確認
- 品質レベルのリスク低減
- 欠陥の作りこみを防ぐ
- 故障、欠陥の発見
- 契約・法律・規約検証
「テストだけ」やる人とは
良くも悪くも上記の目的のいずれかを果たすべく、テスト活動のみ行う人が 「テストだけ」やる人 である。1行で表現するとこんな感じではないだろうか
QA「固まった※テストベースと相応の工数があれば品質を保証します」
※要件、仕様、設計、ソースコード、規格や法的要件
長々書かなくても「テスター」で伝わったのでは
では「テスト以外」とは?
QA界隈でテスト以外の やるべきかもしれないこと と、それらを他のどの 界隈やポジション(曖昧な定義) で見聞きしたかをまとめると、以下のようになった。
**
やるべきかもしれないこと | 界隈(ポジション) |
---|---|
ユーザーストーリーの検討 | EM,PdM,UI/UXデザイナー |
プロセス改善(レビューやライフサイクル等) | EM,PdM |
CI/CD構築 | SRE,DevOps |
ピープルマネジメント(イネーブルメント) | EM,PdM,DevOps |
開発生産性の向上 | EM,PdM,DevOps |
メトリクス分析 | SRE,DevOps,データアナリスト(サイエンティスト) |
注意:界隈(ポジション)はあくまで目安くらいに思っておいてください
「テスト以外」もやるにはどうしたらよいのか?
ざっくり状況を3パターンに分けて 「テスト以外」 を実施する。
パターン1:組織内で既に実施されていてる
▶︎責任者と連携して進める。
パターン2:組織として費用対効果は見出されているが、責任者がいない
▶︎QAが主体(責任者)となって進める
パターン3:組織が認知していない、または費用対効果がないと判断している
▶︎費用対効果があるのか判断
▶︎ある場合は適切な上位者を見極めて提案。あとはパターン2と同じ
パターン1の責任者は表の界隈(ポジション) 列記載のポジション名がついている場合が多い。そうでなければ大体PdMかEMかもしくはPM,CTO,VPoEか、はたまたCEOが握ってるか......
ポジションや費用帯効果、責任を果たす手段については組織の文化や成熟度 によって異なるので、この記事ではこれ以上言及しないようにする。
要するに 「もう誰かがやってるならちゃんと擦り合わせしてやる。いないなら自分で責任もってやる」 ということ。
まとめ
「テストだけやれば良いワケではない」 とは 「フェーズ、ポジション、チーム等に囚われず、長期的、横断的に組織内で価値を見出して貢献すべし」 と言うこと。
この言葉のターゲットとしてはテスター上がり(開発未経験)のQAエンジニアが多いのかなと推測する。大変だと思うけど一緒にがんばっていこう……!
追記
どうでもいい話だけど「ユーザーに価値を届ける」ニュアンスの活動は組織の外ではなく、PdMやCEOの要求の一つと捉えているので組織内への貢献と解釈している(宗教話)
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気軽にお声掛けいただけると幸いです。
参考
JSTQBシラバス
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