Essential Phone(PH-1)をAndroid 11にアップデートする

公開:2020/09/21
更新:2020/10/15
5 min読了の目安(約5100字TECH技術記事

Essential PhoneをAndroid 11にアップデートできるかと調べると、
preview版の日本語記事はいくつか見かけましたが、正式版はパッと見なかったので書きました。

もともと、PH-1をAndroid 11にアップデートする方法は、redditのEssentialセッションに投稿されており、
この記事はその内容を翻訳・手元で実行したものになります。

実行環境

  • ADB、fasebootが使用できるMac(Mac OS 10.15.6)

(Windowsでも実行できるはずですが、私は確認していません)

必要ファイルのダウンロード

はじめに、使用するファイルをダウンロードします。

Firmware & App

Magisk modules

ADB & Fastboot & USB drivers(必要な人のみ)

Android11のインストール

最初に開発者向けオプションから、USBデバッグを使用できる設定にします。

その上で、端末とPCをUSBで接続してADBを使用できる状態にします(初回接続の場合、↓の画像のように許可のダイアログが出ます)。

ホストマシンのターミナルで次のコマンドを実行して、fastbootモードで起動するようにリブートします。

adb reboot bootloader

端末が再起動すると、fastbootモードの表示になっているので、その状態で次のコマンドを実行します(ダウンロードファイルのパスは適時書き換えるorカレントディレクトリにファイルを移動させておいてください)。

fastboot flash vendor_a vendor-QQ1A.200105.088.img
fastboot erase system_a
fastboot flash system_a system.img
fastboot flash boot_a magisk_patched.img
fastboot set_active a
fastboot -w # ユーザーデータがすべて削除されます

この状態で、端末を再起動するとAndroid11の状態で初期設定画面が開きます。
表示にしたがって、初期設定を行ってください。

Magiskを認識させる

ここでinstallした magisk_patched.img は名前のとおりMagisk導入済みのイメージですが、そのままでは認識されません。
認識させるために、いくつかの手順が必要です。

  • ダウンロードした、app-debug.apkmagisk_patched.img を端末に転送
  • app-debug.apkをインストール
  • インストールされた、Magisk Managerでmagisk_patched.imgに再度パッチを当てる
    • Magisk のインストールを選択
    • パッチするファイルの選択→magisk_patched.img を選択
    • 作成したファイル自体は使用せず、そのまま再起動

これで、magiskが認識されます。Magisk Managerでmagiskがインストール済みになっていることを確認してください。

Magiskパッチを当てる

最初にダウンロードした2つのMagiskパッチ、EssentialPhoneFixes.zipA11-Mods(boot anim & aptx fixes).zipを端末に転送します。

次に、Magiskのモジュール→ストレージからダウンロードを選択して2つのパッチを適用します。

これによって、起動アニメーションの修正、aptxの修正、次の節に記載しているアイコンの丸化ができるようになります。

アイコンの形を丸にする

現状では表示されるすべてのアプリのアイコンが四角になっています。
Pixelなどでは丸形のため、これを丸型にします。

adbで次のコマンドを実行すると、すべてのアイコンが丸型になります。

adb shell cmd overlay enable --user 0 com.android.theme.icon.circle

これでEssential PhoneがAndroid 11として使えるようになりました。

できないこと

redditのスレッドでも書かれていますが、この方法でAndroid 11にしたEssential Phoneでは次のことができないです。

  • hotspot(Wi-Fiテザリング)
  • 純正の360 camera
  • 純正カメラアプリ
  • 通知で画面を起こさない

自分の環境で出来なかったこと

上記の手順でセットアップした端末はMagiskが入っており、rootが取れるはずですが、
私の環境では取れませんでした。

rootを要求しても承諾ダイアログが表示されず、いつの間にか(おそらく本来ダイアログ表示される時間)拒否状態になっています。
CPU-Zで確認した際は、Root AccessはYesになっているため、さらによくわからない状態でした。

redditで似たような情報はなく、そもそもDisable Grip Rejection の欄でrootシェルを使って行ってくださいという説明もあるため、自分の環境特有かもしれません。

アップデート時の注意点

私の環境特有かもしれませんが、私が手元でアップデートしたとき次の点で詰まったので、注意してください。

Magisk Managerはダウンロードしたものを使う

最初、Magisk Managerはgoogle storeや他の場所でも公開されているのでそちらを使えばいいと思い、そちらでインストールしていました。
しかし、そのMagisk Managerでは、前述のモジュールのインストールが上手くできませんでした。
(表示上インストール作業は完了するが、うまく反映されない)

Magisk ManagerからのMagisk 再インストールはしない

Magiskでダイアログが出ない問題の対処として、Magisk ManagerからMagiskを再インストールしようとしました。

しかし、インストール→再起動すると起動画面の無限ループに入ってしまい、起動すらできない状態になってしまいました。
幸い、fastbootモードは起動できたので、そこからfastbootでmagisk_patched.imgを焼き直したらその症状は直りました。

軽く使ってみた所感

軽く使ってみた限りでは特に問題なく使えていました。

Android11で追加されたと思われるワイヤレスデバッグも使用でき、Android11端末としてはよい感じだと思いました。

その一方で前述のようにEssential Phoneの360度カメラが使えないなど、Essential Phone特有のものはまだ使えないのが難点です。
(ただ、Essential Phoneはもともと素のAndroidに近いので360度カメラぐらいしか使えないのはなさそう?)

私は360度カメラも持っているので、そちらを使うため、元に戻すかもしれません。
ただ、最近は対して使っていなかったので、このままAndroid11として使うのもありかもしれません。
(もともと、sim無し状態で予備機として使っていたので、Wi-Fiテザリングできないのも大したデメリットではないので)

おまけ: デフォルト状態に戻す

https://essential-images.netlify.app/ から使いたいバージョンのOTAをダウンロードします。

その後、次の手順でOTAを焼き直します。(参考: Essential Phone PH-1にAndroid P Betaをインストールする手順 - Qiita)
(ユーザーデータを初期化する必要があるかもしれない<再起動後に要求された>ので注意してください)

  • Essential Phoneを接続したPCからadb reboot recovery を実行してリカバリモードに入る
  • リカバリ画面で、「ボリュームダウン」ボタンを押したまま電源ボタンを押して、ボリュームアップボタンを押す
  • リカバリメニュー画面に移動したらボリュームボタンの上げ下げで「Apply update from ADB」を選択、電源ボタンで決定
  • PC上から adb sideload ダウンロードしたOTA.zip を実行
  • インストールが完了後、端末を再起動