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WinSCP入門:ファイル転送から公開鍵認証まで
はじめに
WindowsユーザーがLinuxサーバーなどにファイルを転送したい場合、WinSCPは非常に強力なツールです。この記事では、WinSCPの基本的な使い方から、より安全な公開鍵認証の設定方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
1. WinSCPとは?
WinSCPは、Windows向けのオープンソースなSFTP/FTPクライアントです。主な機能は以下の通りです。
- 安全なファイル転送: SFTP、SCP、FTPSなど、暗号化されたプロトコルをサポート。
- 直感的なGUI: ドラッグ&ドロップで簡単にファイルを操作可能。
- ディレクトリ同期: ローカルとリモートのディレクトリを同期する機能。
- スクリプト機能: 定型的なファイル転送を自動化。
- 公開鍵認証: パスワードを使わない、より安全な認証方式に対応。
2. インストール
- 公式サイトへアクセス: WinSCP公式サイトにアクセスします。
- ダウンロード: 「Installation package」をクリックしてインストーラーをダウンロードします。
- インストール: ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従ってインストールを進めます。「標準的なインストール」を選択すれば問題ありません。
3. 基本的な使い方
サーバーへの接続
- WinSCPを起動すると、ログイン画面が表示されます。
- 以下の情報を入力します。
-
ファイルプロトコル:
SFTP
を選択します(推奨)。 - ホスト名: 接続したいサーバーのIPアドレスまたはホスト名。
-
ポート番号:
22
(SFTPのデフォルト)。 - ユーザー名: サーバーのログインユーザー名。
- パスワード: ユーザーのパスワード。
-
ファイルプロトコル:
- 「保存」をクリックして、この接続設定を保存しておくと、次回から簡単に接続できます。
- 「ログイン」をクリックしてサーバーに接続します。初回接続時には、サーバーのホストキーをキャッシュに保存するか尋ねられるので、「はい」を選択します。
画面の見方と基本操作
接続が成功すると、左右に2つのペインが表示されます。
- 左ペイン: ローカルPCのファイルシステム
- 右ペイン: リモートサーバーのファイルシステム
ファイルのアップロード・ダウンロードは、ドラッグ&ドロップで直感的に行えます。
- アップロード: 左ペインから右ペインへファイルをドラッグ&ドロップ。
- ダウンロード: 右ペインから左ペインへファイルをドラッグ&ドロップ。
4. 便利な機能:ディレクトリ同期
ローカルとリモートで特定のディレクトリの内容を同じ状態に保ちたい場合、同期機能が便利です。
- メニューバーの「コマンド」>「同期」を選択します。
- 同期の方向(ローカル→リモート、リモート→ローカル、両方)や同期モード(同期、ミラー)を選択し、「OK」をクリックします。
5. セキュリティ向上:公開鍵認証の設定
パスワード認証の代わりに、より安全な公開鍵認証を設定しましょう。
Step 1: キーペアの生成
- WinSCPのログイン画面で「ツール」>「PuTTYgenを実行」をクリックします。
- PuTTY Key Generatorが起動したら、「生成」ボタンをクリックし、マウスをウィンドウ上で動かして乱数を生成します。
- キーが生成されたら、以下の操作を行います。
-
キーのコメント: 識別しやすい名前(例:
my-pc-key
)を入力します。 - キーのパスフレーズ: (任意)キーをさらに保護するためのパスワードです。設定を推奨します。
-
公開鍵の保存: 「公開鍵の保存」ボタンをクリックし、
id_rsa.pub
などの名前で保存します。 -
秘密鍵の保存: 「秘密鍵の保存」ボタンをクリックし、
.ppk
形式で保存します。このファイルは絶対に他人に渡さないでください。
-
キーのコメント: 識別しやすい名前(例:
Step 2: サーバーに公開鍵を登録
- 先ほど保存した公開鍵(
id_rsa.pub
)の中身をテキストエディタで開いてコピーします。 - WinSCPでサーバーに(この時点ではパスワード認証で)ログインします。
- サーバーのホームディレクトリにある
.ssh
ディレクトリに移動します。(なければ作成してください) -
.ssh
ディレクトリの中にあるauthorized_keys
というファイルを開き、コピーした公開鍵を追記して保存します。
Step 3: WinSCPで公開鍵認証接続
- WinSCPのログイン画面に戻り、設定したいセッションを選択します。
- 「編集」をクリックし、「高度なサイト設定」を開きます。
- 「SSH」>「認証」を選択します。
- 「秘密鍵ファイル」の欄で、先ほど保存した秘密鍵(
.ppk
ファイル)を選択します。 - 「OK」をクリックして設定を保存します。
- 再度ログインを試みてください。パスワードの代わりに、秘密鍵のパスフレーズ(設定した場合)が求められれば成功です。
まとめ
WinSCPは、Windowsユーザーにとって必須とも言えるファイル転送ツールです。基本的な使い方に慣れたら、ぜひディレクトリ同期や公開鍵認証などの便利な機能も活用して、安全で効率的なファイル管理を実現してください。
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