失敗しないサーバー構築のための事前準備ガイド
はじめに
新しいサービスやアプリケーションのために、自分だけのサーバーを構築するのはとてもワクワクする作業です。私は緊張してしまいますが、、
しかし、勢いで始めてしまうと、後から「こんなはずではなかった…」と後悔することになりかねません。セキュリティのリスク、無駄なコスト、手戻りの発生などを防ぐためにも、サーバー構築を始める前の「事前準備」が非常に重要です。
この記事では、サーバーを構築する前に必ず確認・決定しておくべき項目をチェックリスト形式でまとめてみました。@‘
1. サーバーの目的を明確にする
最も重要なのが、「何のためにサーバーを使うのか?」をはっきりさせることです。
- Webサイトを公開するため?
- 特定のアプリケーションを動かすため?
- データベースを運用するため?
- ファイルストレージとして利用するため?
- 学習や実験のため?
目的によって、必要なマシンスペック、OS、セキュリティ設定などが大きく変わってきます。例えば、個人ブログと大規模なECサイトでは、求められる性能や信頼性は全く異なります。
2. スペックを見積もる
目的が明確になったら、次はサーバーのスペック(性能)を考えます。
- CPU: 計算処理の速さ。アクセス数や処理の複雑さに応じて選びます。
- メモリ: 同時処理能力。多くのユーザーが同時にアクセスする場合や、メモリを大量に消費するアプリケーションを動かす場合に重要です。
- ストレージ (SSD/HDD): データを保存する容量と速度。OSやアプリケーション、保存するデータ量を考慮して決めます。一般的には高速なSSDが推奨されます。
ポイント: クラウドサービス(AWS, GCPなど)を利用する場合、後からスペックを変更するのは比較的簡単です。最初は少し低めに見積もっておき、必要に応じてスケールアップするのも賢い選択です。
3. OSを選定する
サーバーで動かすOSを決めます。主に以下の選択肢があります。
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Linux:
- Ubuntu: 初心者にも扱いやすく、情報も豊富。Webサーバーで広く使われています。
- AlmaLinux / Rocky Linux: CentOSの後継。安定性が高く、商用環境でよく利用されます。
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Windows Server:
- Windows系のアプリケーションを動かす場合に必要です。ライセンス費用がかかります。
特別な理由がなければ、情報が豊富で無料のLinuxディストリビューション(特にUbuntu)から始めるのがおすすめです。
4. クラウドか、オンプレミスか
サーバーをどこに設置するかも大きな選択肢です。
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クラウド: AWS, GCP, Azureなどのサービスを利用します。
- メリット: 初期費用が安い、すぐに始められる、拡張性が高い。
- デメリット: ランニングコストがかかる、ネットワークの知識が一定必要。
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オンプレミス / VPS / レンタルサーバー:
- メリット: 月額固定料金で分かりやすい(VPSなど)、物理的に手元にある安心感(オンプレミス)。
- デメリット: 初期費用が高い(オンプレミス)、拡張性が低い、物理的なメンテナンスが必要。
現在では、柔軟性と拡張性の高さからクラウドが主流となっています。
5. セキュリティ計画を立てる
サーバーをインターネットに公開するということは、常に攻撃の脅威に晒されるということです。最低限、以下の項目は構築前に計画しておきましょう。
- ファイアウォール設定: 必要なポート(SSH: 22, HTTP: 80, HTTPS: 443など)以外はすべて閉じる。
- SSH接続のセキュリティ: パスワード認証を無効化し、公開鍵認証方式のみを許可する。
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ユーザー管理: rootユーザーでの直接ログインを禁止し、管理者権限が必要な作業は
sudoコマンドを使う運用にする。 - ソフトウェアのアップデート: OSやミドルウェアの脆弱性をなくすため、定期的にアップデートを行う計画を立てる。
6. 予算を決める
特にクラウドサービスを利用する場合、予算計画は必須です。
- インスタンス料金: サーバーのスペックに応じた時間単位または月単位の料金。
- データ転送料金: サーバーからインターネットへ送出されるデータ量に応じた料金。
- ストレージ料金: ディスク容量に応じた料金。
各クラウドサービスの料金シミュレーターなどを活用し、月々どれくらいのコストがかかるのかを事前に把握しておきましょう。
まとめ
「段取り八分、仕事二分」という言葉があるように、サーバー構築も事前準備が成功の鍵を握ります。今回紹介した項目を事前にしっかりと検討・計画することで、スムーズで安全なサーバー運用への第一歩になります。
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