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Zigが開発基盤をGitHubからCodebergに移転

に公開

Zigプロジェクトは2025年11月26日(現地時間)、公式ブログにてGitHubからCodebergへの移行を発表しました。

https://ziglang-org.translate.goog/news/migrating-from-github-to-codeberg/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

移行の主な理由は以下の3点に集約されます。

1. GitHub Actions(CI環境)の崩壊

最大の技術的な理由は、継続的インテグレーション(CI)機能の著しい劣化です。

  • 不安定な動作: 公式発表ではGitHubのインフラを「崩壊している(crumbling infrastructure)」と強く批判しており、ジョブがランダムにスケジュールされる(vibe-scheduling)などのバグが発生していました。
  • 開発の停滞: CIシステムが詰まり、メインブランチ(master)へのコミットすらチェックできない状態に陥りました。ハードウェアへの課金で解決する問題ではなく、プラットフォーム自体の信頼性が失われたと判断されました。

2. 「反AI/LLM」方針との対立

Zigプロジェクトは 「AI(LLM)によって生成されたコードの寄稿を禁止する」 という厳格なポリシーを持っています。

  • GitHub(Microsoft)がCopilotなどのAI機能を攻撃的に推進し、「AIを受け入れるか、去るか」という姿勢を強めていることが、Zigの方針と真っ向から対立しました。
  • Codebergへの移行により、このポリシー違反(AI生成コードの混入など)を減らすことができると期待されています。

3. GitHub(Microsoft)への不信感と機能放置

GitHubがMicrosoft傘下になって以降の運営体制への不満も挙げられています。

  • 人材流出と品質低下: かつての優秀なエンジニアが去り、残った機能(GitHub Sponsorsなど)が放置・劣化していると指摘しています。
  • スポンサー機能の移行: 資金源であったGitHub Sponsorsも「負債」と見なし、非営利団体のEvery.orgへ寄付の窓口を移行しました。

まとめ

Zigは、単なるイデオロギー(オープンソース精神)だけでなく、「開発プロセスが物理的に回らなくなった」という実務上の危機「AI推進への拒絶」 という明確な意思表示によって、非営利でオープンソースなプラットフォームであるCodebergへの完全移行を決断しました。

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