Fritzing を Windows(11) でビルド
ブレッドボードの配線をつくる必要ができたので、Fritzing を使おうと思ったのですが、ダウンロードに €8 必要になったみたいです。機能の拡張やバグの修正などの費用ですので,本格的に使うときには払いましょう。
ソースコード(fritzing/fritzing-app: Fritzing desktop application)と構築手順(1. Building Fritzing · fritzing/fritzing-app Wiki)が公開されていますが、main(0.9.10 相当?)ブランチは、その手順で構築できなかったのでメモを残して置きます。
また、下記のサイトも参考にしています。
1. 下準備
前提
Git for Windows と 7-Zip がインストール済みとします。
Visual Studio 2022
Visual Studio Tools のダウンロード - Windows、Mac、Linux 用の無料インストール から適切なライセンスのバージョンをダウンロードしてインストールします。私は、個人的に使用するので コミュニティ
をダウンロードします。
VisualStudioSetup.exe
を実行して Visual Studio 2022 を下記のオプションにチェックを入れてインストールします.
-
C++ によるデスクトップ開発
にチェックを入れる -
Python
が必要になるので、インストールしてなければ、Python 開発 → Python 3 64-ビット(2.9.7)
にチェックを入れる
Qt
Download Qt: Get Qt Online Installer からオンラインインストーラーをダウンロードします。
qt-unified-windows-x64-4.5.0-online.exe
を実行してインストールします(バージョン番号 4.5.0
はダウンロード時期によって変更されます)。
-
Qt アカウント
を作成します -
インストールフォルダ
をC:\Programs\Qt
に変更します -
コンポーネント
の選択で,Qt → Qt 5.15.2 → MSVC2019 64-bit
にチェックを入れる
2. 必要なライブラリの準備
作業するマルチバイト文字や空白のないフォルダを作成します。ここでは、C:\src\Fritzing
としています。
boost
Boost Downloads から Current Release
の zip をダウンロードして C:\src\Fritzing
に展開します(ここでは,boost_1_80_0.zip)。
libgit2
Releases · libgit2/libgit2 から最新版の zip をダウンロードして C:\src\Fritzing
に展開します(ここでは,libgit2-1.5.0.zip)。
展開してできた、libgit2-1.5.0
を libgit2
に変更します。
スタートメニューから Developer Command Prompt for VS2022
を起動して下記コマンドを実行します。
cd c:\src\Fritzing\libgit2
mkdir build64
cd build64
cmake ..
cmake --build . --config Release
quazio
Releases · stachenov/quazip から最新版をダウンロードして。C:\src\Fritzing
に展開します(ここでは,quazip-1.3.zip)。
Developer Command Prompt for VS2022
で作業します。
cd ..\quazip-1.3
set Qt5_dir=C:\Programs\Qt\5.15.2\msvc2019_64
mkdir build64
cmake -S . -B build64 -D QUAZIP_USE_QT_ZLIB=ON -D CMAKE_INSTALL_PREFIX=..\quazip_qt5
cmake --build build64 --config Release
cmake --build build64 --config Release --target install
cd ..
スタートメニューから Git Bash
を起動して下記コマンドを実行します。
cd /c/src/Fritzing/
rm -rf quazip-1.3
cd quazip_qt5/
mv include/QuaZip-Qt5-1.3/quazip include/
rm -r include/QuaZip-Qt5-1.3/
mkdir build64
mv lib build64/Release
ngspice
ngspice - Browse /ng-spice-rework/38 at SourceForge.net
から ngspice-38_dll_64.zip
をダウンロードして、C:\src\Fritzing
に展開します。
Git Bash
で作業します。
cd /c/src/Fritzing/
mkdir ngspice
mv Spice64_dll ngspice/src
3. Fritzing の構築
Clone the Fritzing Source
Git Bash
で作業します。
cd /c/src/Fritzing/
git clone https://github.com/fritzing/fritzing-app.git
cd fritzing-app/
git switch main
不足ファイルの生成
Compiling error ui_fabuploaddialog.h - developers - fritzing forum の手順を実行します。
Developer Command Prompt for VS2022
で作業します。
cd c:\src\Fritzing\fritzing-app
C:\Programs\Qt\5.15.2\msvc2019_64\bin\qmake.exe -o Makefile phoenix.pro "QMAKE_TARGET.arch=x86_64"
C:\Programs\Qt\Tools\QtCreator\bin\jom\jom.exe -f Makefile.Debug compiler_uic_make_all
copy /y ..\debug64\*.h .\
Fritzing をビルド
Developer Command Prompt for VS2022
で作業します。
nmake release
C:\src\Fritzing\release64
に Fritzing.exe
が作成されます。
Fritzing のパッケージを作成
DLL やパーツを含めた他の環境でも実行できるパッケージを作成します。パッケージを作成するスクリプト tools/release_fritzing.bat
に準備されているので利用します。
"C:\src\Fritzing\fritzing-app\tools
に下記内容で diff.patch
を作成します。
Git Bash
で作業します。
cd /c/src/Fritzing/fritzing-app/tools
patch diff.patch
Developer Command Prompt for VS2022
で作業します。
cd c:\src\Fritzing\fritzing-app\tools
release_fritzing.bat 0.9.10 64 2019
c:\src\Fritzing\release64
に fritzing-0.9.10.windows.64.zip
が作成されます.
fritzing-0.9.10.windows.64.zip
を展開して、Fritzing.exe
を実行して動作を確認します。
4. 最後に
備忘録のつもりでメモしているのすが,手順が抜けているかもしれません。うまくいかない場合は、適宜対応してください。
最新バージョンを使いたい方は、素直に €8 払うことをおすすめします。
Discussion