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Scriptableユーザーガイド:iOSを自動化する完全解説

2025/03/05に公開

Scriptableユーザーガイド:iOSを自動化する完全解説

Scriptableは、iOS上でJavaScriptを使って様々な自動化を実現できる強力なアプリです。このガイドでは、Scriptableの基本から応用までを網羅し、あなた自身のiOS自動化を実現するための完全な解説を提供します。この記事は、『iOS自動化の最終兵器:Scriptable 実践レシピ集』の内容に基づいて構成されています。

Scriptableとは?

Scriptableは、iOS/iPadOS上でJavaScriptを実行できるアプリです。iOSの様々な機能にアクセスできるAPIが提供されており、これらを活用することで、通知の送信、ファイルの操作、Web APIとの連携など、多様な自動化タスクを実行できます。ウィジェット作成にも対応しており、作成したスクリプトをホーム画面に配置して手軽に実行することも可能です。

Scriptableの基本

スクリプトの作成と実行

Scriptableアプリを開き、+ボタンをタップして新しいスクリプトを作成します。エディタにJavaScriptコードを入力し、右上の三角形のボタンをタップして実行します。

基本的な構文

Scriptableは標準的なJavaScript構文を使用します。変数、関数、条件分岐、ループなど、JavaScriptの基本的な知識があればすぐに使い始めることができます。

let message = "Hello, Scriptable!";
console.log(message);

if (Device.isPhone()) {
  console.log("これはiPhoneです");
} else {
  console.log("これはiPadです");
}

APIの利用

Scriptableの真価は、iOSの機能にアクセスできるAPIにあります。例えば、Deviceモジュールはデバイス情報へのアクセス、Notificationモジュールは通知の送信、FileManagerモジュールはファイル操作を提供します。

// デバイス名を取得
let deviceName = Device.name();
console.log("デバイス名: " + deviceName);

// 通知を送信
let notification = new Notification();
notification.title = "スクリプト実行完了";
notification.body = "スクリプトが正常に実行されました。";
notification.schedule();

// ファイルを読み込む
let fm = FileManager.local();
let fileContents = fm.readString("path/to/file.txt");
console.log(fileContents);

Scriptableの実践的な例

今日の予定を表示するウィジェット

カレンダーイベントを取得し、今日の予定を表示するウィジェットを作成してみましょう。

// カレンダーイベントを取得
let calendar = await CalendarEvent.today();

// ウィジェットを作成
let widget = new ListWidget();

// 予定をループ処理で表示
for (const event of calendar) {
  let eventRow = widget.addText(event.title);
  eventRow.font = Font.boldSystemFont(14);
}

// ウィジェットを表示
Script.setWidget(widget);
Script.complete();

Web APIからデータを取得する

外部のWeb APIからデータを取得し、表示するスクリプトを作成してみましょう。ここでは、OpenWeatherMap APIを使って現在の天気情報を取得する例を示します。

// APIキーを設定
let apiKey = "YOUR_API_KEY";
let city = "Tokyo";

// APIリクエストURLを作成
let url = `https://api.openweathermap.org/data/2.5/weather?q=${city}&appid=${apiKey}&units=metric`;

// APIリクエストを送信
let req = new Request(url);
let res = await req.loadJSON();

// 天気情報を取得
let temperature = res.main.temp;
let weather = res.weather[0].description;

// 結果を表示
console.log(`気温: ${temperature}`);
console.log(`天気: ${weather}`);

// ウィジェットに表示する場合
let widget = new ListWidget();
widget.addText(`気温: ${temperature}`);
widget.addText(`天気: ${weather}`);
Script.setWidget(widget);
Script.complete();

Scriptableの応用

Scriptableは、上記の基本的な機能に加えて、以下のような高度な機能も提供しています。

  • ショートカットアプリとの連携: Scriptableのスクリプトをショートカットアプリから実行することで、より複雑な自動化ワークフローを構築できます。
  • x-callback-url: 他のアプリとの連携を可能にするx-callback-urlスキームをサポートしています。
  • 背景画像の変更: デバイスの背景画像をスクリプトで変更できます。
  • 位置情報の取得: デバイスの位置情報を取得し、位置情報に基づいた処理を実行できます。

結論と次のステップ

Scriptableは、iOSの自動化を実現するための強力なツールです。JavaScriptの知識とScriptableのAPIを組み合わせることで、無限の可能性が広がります。この記事で紹介した基本的な使い方をマスターし、自身のニーズに合わせたスクリプトを作成してみてください。

次のステップ

  • Scriptableの公式ドキュメントを参照し、より詳細なAPIの使い方を学ぶ。
  • オンラインコミュニティで他のユーザーのスクリプトを参考にしたり、質問したりする。
  • 実際にスクリプトを作成し、試行錯誤しながらScriptableを使いこなせるようにする。

書籍情報:

  • 書籍タイトル:iOS自動化の最終兵器:Scriptable 実践レシピ集
  • 書籍スラッグ:book-20250305-121502
  • チャプター数:20
  • 主なトピック:ウィジェット作成、Web API連携、ショートカット連携、ファイル操作、通知管理、位置情報活用、その他実践的な自動化レシピ
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