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Sentry で始めるモバイルオブザーバビリティ入門

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Sentry で始めるモバイルオブザーバビリティ入門

62 % のユーザーは 3 回クラッシュしたアプリを削除する

これを最初に見た時にはぎょっとしました。
意外にもユーザーの削除・入れ替えの意思決定は早く、その速度は年々加速しているようにも感じます。
そこで、Sentry Japanとして
いま求められる “可視化” と “高速修復” について記事にできればと思います。


モバイルアプリの品質は クラッシュ率とパフォーマンス体験 で決まります。
特にモバイルでは UI が「詰まる」「落ちる」だけでユーザー離脱に直結し、月間 7,900 億件 のイベントを処理する Sentry でも「アプリを 3 回落とすと 62 % のユーザーがアンインストールする」ことが理解されています。

本稿では Sentry Mobile SDK を使った
*観測 → 特定 → 修復*
の流れを、スライド資料と実例スクリーンショットを交えて解説します。


なぜモバイルオブザーバビリティなのか

典型的な課題 実際に起きている問題
根本原因が分からない 複雑なコンポーネントに障害が埋もれる
チームがサイロ化 調査フローが断絶し非効率
トレース不足 FE↔BE 断絶で原因究明に時間
UX 悪化 レイジクリック増加・ストア評価低下

Sentry は FE〜BE を一気通貫でトレース し、TTID/TTFD/Slow Frame など モバイル特有の指標 を可視化。これにより “気付き → 修正” のループを最短化します。

Sentry Mobile SDK が選ばれる理由

1. 豊富な実績とスケーラビリティ

  • 10 万社以上 が導入、OpenAI / Anthropic / Vercel / Atlassian との連携実績
  • 月間 7,900 億 イベントを処理する基盤で、サービス規模を問わず安定運用

2. SDK ダウンロード数トップクラス

下図は npm Trends での SDK ダウンロード推移。Sentry が DataDog / New Relic を上回り 1 位を維持 しています。

3. モバイル特化メトリクス

指標 説明
TTID / TTFD アプリ起動〜描画の体感速度
Slow Frame 16 ms 超過フレーム比率
Crash‑Free Rate クラッシュしなかったセッション率

これらは SDK が自動収集し、Dashboard で時系列やバージョン別に比較できます。

代表的ユースケース4選

📱 モバイルメトリクス監視
🔍 バックエンド遅延デバッグ
😡 UX フラストレーション可視化 (Session Replay / Rage Click)
🧵 エンドツーエンドトレーシング

Dashboard で TTID の異常スパイクを検知⚠️

例: 起動遅延を 40 % 改善したワークフロー

Trace ビューでボトルネックの API 呼び出しを確認

domainLookupStart → responseEnd が突出。

Session Replay で実ユーザーのフリーズ体験を再生

まとめ

  • 観測できないものは直せない。
    • Sentry Mobile SDK なら “クラッシュ” も “体感パフォーマンス” もひとつの画面で把握できる
  • FE↔BE を跨ぐトレーシング により、チーム間のサイロ化を解消し調査・修復時間を大幅短縮
  • モバイル指標 TTID / TTFD / Slow Frame を継続監視
    • 良質なユーザー体験 = アプリの継続率 を守る
  • モバイルアプリの品質改善に着手するなら、まずは無償枠で Sentry を導入
    • 「数字で語れる運用」 を始めてみてはいかがでしょうか。

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