待ち行列で用いられる記号Pn(t)は時刻tにおいて待ち行列の長さがnである確立を意味している.この記事ではポアソン到着における微分方程式を導く.(この記事の中でλは単位時間あたりに到着する人数の平均)
繰り返しになるが,Pn(t+Δt)は時刻t+Δtにおいて待ち行列の長さがnである確立を意味していることになる.時刻tからその状態に遷移するための方法は二つ存在する.
- 時刻tに待ち行列の長さがn−1で,Δtの間に待ち行列の長さが1増える場合
時刻tに待ち行列の長さがn−1である確立はPn−1(t)である.また,Δtの間に待ち行列の長さが1増える確率は,λΔtである.よって時刻tに待ち行列の長さがn−1で,Δtの間に待ち行列の長さが1増える確率は
Pn−1(t)λΔt
と表される
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時刻tに待ち行列の長さがnで,Δtの間に何も起こらない場合
時刻tに待ち行列の長さがnである確立はPn(t)である.また,Δtの間に待ち行列の長さが1増えない確率は1−λΔtである.よって時刻tに待ち行列の長さがn−1で,Δtの間に待ち行列の長さが1増えない確率は
Pn(t)(1−λΔt)
と表される.
よって,
Pn(t+Δt)=Pn−1(t)λΔt+Pn(t)(1−λΔt)
といえる.
この式をさらに式変形して,
Pn(t+Δt)=Pn(t)+Δt(Pn−1(t)−λPn(t))ΔtPn(t+Δt)=Pn−1(t)−λPn(t)
ここでΔt→0とすると,
dtdPn(t)=Pn−1(t)−λPn(t)
これでポアソン到着における微分方程式を導くことができた.
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