GCP?BigQueryとCloud SQLの違い
BigQueryとCloud SQLの違いを解説
一言で言うと
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BigQuery: 大量のデータを分析するための「分析専用の倉庫」
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Cloud SQL: アプリを動かすための「普通のデータベース」
小学生向けの例え
Cloud SQL = 学校の出席簿
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毎日、生徒の出欠を記録したり、確認したりする
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「田中さんは今日出席?」→すぐ答える
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一人ずつ細かく管理する
BigQuery = 図書館の統計室
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過去10年分の出席データをまとめて分析
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「冬は何人くらい休むかな?」を調べる
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たくさんのデータを一度に見る
主な違い
1. 使う目的が違う
Cloud SQL(トランザクション処理)
-- 新しい注文を追加
INSERT INTO orders (user_id, product_id) VALUES (123, 456);
-- 在庫を1つ減らす
UPDATE products SET stock = stock - 1 WHERE id = 456;
→ リアルタイムでデータを追加・更新・削除する
BigQuery(分析処理)
-- 過去1年の売上集計
SELECT
product_name,
SUM(sales_amount) as total_sales
FROM sales_history
WHERE date >= '2024-01-01'
GROUP BY product_name;
→ 大量のデータをまとめて分析する
2. データの扱い方が違う
| 項目 | Cloud SQL | BigQuery |
|---|---|---|
| データ量 | 数GB〜数TB | 数TB〜ペタバイト |
| 更新頻度 | 常に更新される | たまに追加される |
| 読み取り速度 | 1件ずつ高速 | 大量データを高速処理 |
| 書き込み | リアルタイムで頻繁 | バッチで定期的 |
3. 得意なことが違う
Cloud SQLが得意
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✅ ユーザーのログイン情報を保存
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✅ ECサイトの注文処理
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✅ SNSの投稿データ
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✅ リアルタイムな在庫管理
BigQueryが得意
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✅ 過去3年分の売上分析
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✅ 100万ユーザーの行動パターン分析
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✅ ログデータの集計
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✅ 機械学習用のデータ準備
実際の使い分け例
ECサイトの場合
[お客さんが注文]
↓
Cloud SQL に保存(注文データ、在庫データ)
↓
毎晩、BigQueryにコピー
↓
BigQueryで分析(売れ筋商品、売上トレンド)
Cloud SQL: 「今、注文が入った!在庫を減らさなきゃ!」
BigQuery: 「今月はどの商品がよく売れたかな?」
技術的な違い
アーキテクチャ
Cloud SQL
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行指向ストレージ(Row-based)
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単一サーバーまたはレプリケーション構成
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MySQL/PostgreSQL/SQL Serverの互換性
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OLTP(オンライントランザクション処理)向け
BigQuery
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カラムナストレージ(Column-based)
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超並列分散処理(MPP)
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サーバーレス・フルマネージド
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OLAP(オンライン分析処理)向け
コスト構造
Cloud SQL
料金 = インスタンスの稼働時間 × スペック
(常に課金される)
BigQuery
料金 = 処理したデータ量(クエリ実行時のみ)
+ ストレージ容量
(使った分だけ課金)
どっちを使えばいい?
Cloud SQLを選ぶべき場合
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アプリケーションのバックエンドDB
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データの追加・更新・削除が頻繁
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トランザクション処理が必要
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既存のMySQL/PostgreSQLアプリの移行
BigQueryを選ぶべき場合
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データ分析・レポート作成
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大量の履歴データの集計
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ログ分析
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データサイエンス・機械学習
両方使う場合も多い!
Cloud SQL(本番データ)
↓ ETL/ELT
BigQuery(分析用データ)
↓
BIツール(Looker, Tableauなど)
まとめ
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Cloud SQL = リアルタイムでデータを管理する普通のデータベース
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BigQuery = 大量データを分析する専用の分析基盤
どちらが優れているかではなく、用途が違う!
多くの企業では、両方を組み合わせて使っています 🚀
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