教育担当になったあなたへ 2025年版 〜変わらない心構えと変わった環境〜
はじめに
春は、教育担当やマネージャーに任命される人が多い季節。
実はこのテーマ、8年前にQiitaでも書きました → 教育担当になったあなたへ(Qiita)
今でも多くの本質は変わっていないと感じていますが、環境が大きく変わった部分もあります。
本記事では、「変わらない心構え」と「変わった状況」その両方を共有します。
教育担当としての「変わらない心構え」
先の記事でもお伝えしていますが、あなたが知っていることもあれば、相手だけが知っていることも多分にあります。大切なのは、共通の課題を解決していく仲間として、時に先導し、共に悩み、共に解決していくという「並走する意識」です。
また、教育担当という立場は、自分のスキルを棚卸しし、さらなる成長へとつなげる機会でもあります。
詳しくは先のQiitaの記事を読んでいただければと思います。私も度々読み返しては「良いこと書いてるなー」と思っています。
でも、8年前と比べて環境は確実に変わった
在宅ワークが増えた
大手企業のオフィス回帰が報じられることもありますが、エンジニアは今でも在宅ワークの割合が高い職種です。
在宅勤務では、雑談のようなカジュアルなコミュニケーションが減り、情報の非対称性が生まれやすくなります。
その結果、本来必要な報連相が抜け落ちてしまうことも少なくありません。
これは教育に限らず、リモート環境下で働くすべての企業が直面している課題ですが、特に新メンバーに対しては、手厚いフォローが必要になります。
多少煩わしさを感じるかもしれませんが、作業時間とは別にコミュニケーションのための時間を明確に設けましょう。
オフィスにいなければ自然に知り合いが増えることもありませんし、知らない人には質問しづらいものです。
あえて雑談の時間を設けてみたり、自分で答えられる質問でも、先輩社員に頼んで応対してもらうようにするのも良い方法です。
既存メンバーとのパイプを整えることや、新メンバーの成長を既存メンバーにシェアすることも、教育担当としての大事な役割です。
※在宅ワーク下のチーム運営については、別の記事で詳しくお話しできればと思います。
生成AIという“もうひとりの相棒”がいる
もう一つの大きな変化は、生成AIの台頭です。
今では文章・画像・コーディングまで、あらゆる分野でAIが補助してくれる時代になりました。
先輩エンジニアもAIとの付き合い方を模索している最中だと思いますが、AIは日々進化を続けており、3か月前の常識がもう古いというスピード感で環境が変化しています。
とはいえ、将来的には「AIを活用するのが当たり前」の世界になることは間違いありません。
だからこそ、今のうちからAIとの付き合い方を学び、教育においても「もうひとりの相棒」として活用できると素敵です。
メンター・メンティー・AI:三者のバランスを考える
最近は、メンバーとの会話の中でも「AIはこう答えてくれました」といった発言を耳にするようになりました。
大切なのは、その回答の背景にある意図を読み解く力です。
新しいメンバーにとって、AIは集合知であり、あなたより優秀に見えるメンターかもしれません。
でも、判断し、決断するのはあくまで人間です。
AIの出力を鵜呑みにせず、その意図を理解し、自分の意見として取り扱えるようになるためには、知識と判断力の土台が必要です。
一方で、AIの力を借りて思考のショートカットをすることも、状況によってはとても有効な手段です。
許される環境であれば、AIを活用して最強の新メンバーを育てるのも良い挑戦です。
あなた自身も、AIと協力して教育を進める中で、これからの時代にふさわしいスキルを得ることができるはずです。
おわりに
どんなに環境が変わっても、“人と人が関わって育て合う”という構造は変わりません。
気負わず、でも誠実に。過去の自分を思い出しながら、一緒に成長していきましょう。
教えることは、必ずあなた自身の成長にもつながります。
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