UMLモデリング技能認定試験L1,L2を取得した L3は取得しないことにした
概要
UMTP認定試験のL1,L2を取得したので合格体験記と学習して印象に残った点を記録します。
筆者のプロフィール
- 新卒でSierに入社。3年目
- 実務ではシステム開発の設計・開発・テストを担当
- 実務でのモデリング等の経験なし
取得のきっかけ
- 実務で業務分析のような経験がなく(デザイナーが作成したUIフレームをもとに開発)、モデリング技能がそれらを行えるきっかけになればよいと思ったため。(デザインに引っ張られる設計・開発が嫌になってきている...)
- DDDやオブジェクト指向といったものに興味があり、それらを解説している本にUMLが頻繁に使われているがなんとなくで理解していたため。
対策
L1
L1用の問題集を1~2周程やってから受験。
対策時間は10時間ほど。
UMLをほぼ知らない人でも、下記の問題集さえやっておけば合格できるかと思います。
(開発やオブジェクト指向言語の経験がない方もう少し時間がかかるかも。)
L2
L2用の問題集を1周してから受験。
対策時間は15時間ほど。
L1よりも難易度は上がりますが、問題集の内容が理解できていれば合格できるかと思います。
試験前にすべて読み切ったわけではありませんが、UMLモデリングのエッセンスもところどころ読んでいました。試験対策だけを考えると読む必要はないと思いますが、UMLとは?的な話が面白かったので読んでみても良いかと思います。
印象に残った点
UMLの3つのモード
UMLモデリングのエッセンスではUMLには下記3種のモード(目的)があると述べられています。どのモードを用いるかによって、UMLの完成形の形が変わってきます。PJにUMLを導入する際や関連書籍でUMLが記載されている際には、どのモードとしてUMLを導入するか(記載されてるか)を考えておくと良いかと思います。
スケッチとしてのUML
スケッチとしてのUMLでは完全性よりも伝達性を重視します。UMLの規則に厳格に従っているか、モデル図を見るだけで詳細に実装方法のイメージがつくかよりも、共有したいアイデアを伝達できるかどうかを重視します。スケッチとしてのUMLでは故意に情報量を減らし、伝達したい重要な点を協調することもあります。
UMLモデリングのエッセンスの著者;マーチン・ファウラーはスケッチとしてUMLを利用することを支持しています。
(スケッチとしてのUMLを用いる(≒完全性を求めない)なら、試験で厳密にUMLの技能を証明しなくても良い?と思い、L3の受験は一旦見送ることに。)
設計断面としてのUML
設計図面としてのUMLでは、スケッチとは対照的に完全性を重視します。実装を行うための設計に関する全ての意思決定がモデル図から読みとれるだけの完成度を必要とします。モデル図さえあれば、誰でも実装できる状態を目指すため、ある意味ではプログラミングをつまらない作業にするものとも言えます。前述したスケッチとしてのUMLが探索的であるのに対し、設計断面としてのUMLは確定的と述べられています。
プログラミング言語としてのUML
UML図を解析・コンパイルしソースコードを自動生成するツールがあります。そのようなツールを用いた開発でUMLを使用する場合、UMLはプログラミング言語として利用されます。
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