ペアプロの効果をイマイチ実感できないあなたへ
この記事の目的
「ペアプロがいいらしいけど、どうやったらいいかわからない」「やってみたけど、イマイチ効果がわからない」という方に、効果的なペアプロの方法を紹介します。
今回は特に「技術力に差があり、教育やヘルプ目的で行う場合」に効果的な方法を紹介します。
ペアプロをやる意義
個々人で開発するよりも生産性が上がるからです。具体的には、
- 手戻りを減らせる
- なぜなら、要件定義・設計をメンバーに伝えるには言語化が必要で、言語化することで問題を早期発見・共有できるから。
- また、言語化したものが、そのまま設計書になる。
- レビュー工数を減らせる
- なぜなら、ペアプロは、コーディングとレビューのサイクルを細かく回してることに相当するから。
- 特に、差分が大きい場合は、効果大。
- 開発工程まで改善できる
- レビューは成果物の改善しかできないが、ペアプロなら成果物の開発工程まで改善できる。他人から設計の考え方、トラブルシューティング等、効率的な開発方法を学ぶことで、メンティーの自走力が上がるから。
逆に、1 つの成果物に対し、2 人以上の工数をかけるので、個々人で開発するよりも生産性を上げなければいけません。そうするために、以下の「向いているテーマ」から選んだり、「事前にやること」「終わったらやること」をします。
向いているテーマ
基本的に、 「期待とのズレが大きそうなもの」、「レビューが重くなりそうなもの」、「議論が長引きそうなもの」 に対し、ペアプロは効果を発揮すると考えています。
- PR の差分が大きいもの
- 目安:10 ファイル以上、数行以上など
- 例
- Deep Learning の実験コードの初期 PR
- 分析用 SQL
- 新メンバーの最初のタスク、オンボーディング
- 自チームの開発文化・フローを伝えられる
- 新メンバーの力量を把握でき、今後のアサインやサポート量を決めるのに役立つ
- 引継ぎ
- 属人化してる暗黙知を見つけやすい
- 新しい技術を導入するとき
- 議論が多くなりがち。
- 1 人が学んだことを、他のメンバーに一気に共有できる。
- 1 人では期限内に解決できないとき(教育・ヘルプ目的)
事前にやること
試したことを共有する
ヘルプを出す人は、ペアプロ以前に「試したこと」の「手順」「結果」をまとめて共有 or すぐ再現できるようにします。
なぜ共有するか:試したことを詳細に共有しないと、一緒にやる人が、見落しに気づけなかったり、同じことを試してしまうから。
なぜ事前にか:ペアプロは 2 人でできることに時間を割かないともったいないから。どこまで試したかの情報を用意するのは 1 人でもできるので。
なぜ言語化するのか:言語化することで、状況が整理され、一人でも解決できる可能性が上がるから。
どこまで詳細に書けばいいか:「手順」は、一緒にやる人が 1 人でも再現できるほど詳しく書きます。「結果」は、エラー結果すべてなど。「動かなかった」はダメ。「何を根拠に動いていないと判断したのか」を細かく伝える。
終わったらやること
学びを書き残して見返す
ヘルプを出す人は、ペアプロ中に学びをメモしておき、ペアプロが終わったら、メモ帳やナレッジツールに書き残します。
なぜ書き残すか:
- 学んだ側
- 見返して、実践するため
- 社内評価などで、自身の成長の根拠を示すため
- 共有した側
- 社内評価などで、コーチングの根拠を示すため
なぜ見返して、実践するのか:「ペアプロのやる意義」として「開発工程の改善」があるが、見返して、実践しないと改善されないから。
意識すること:
- 学んだ側は書いた内容を、できれば教えてもらった側にレビューしてもらう。間違った内容を書けば、間違った習慣がついてしまうから。
- 「〇〇なときは、△△ をする」だけだと足りない。「なぜ、そうすべきなのか」という理由も書かないと、形式主義になり、臨機応変な対応ができなくなるから。
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